愛知県と岐阜県を舞台に開催されている世界ラリー選手権(WRC)ラリージャパン。11月23日(土)に行なわれたDAY3が終了した時点では、オット・タナク/マルティン・ヤルヴェオヤ組(ヒョンデ)が総合首位に立った。勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(トヨタ)は総合5番手だ。
午後ループは、基本的にこの日の午前中のSS10~SS12を繰り返す形。まずは笠置山での2走目となるSS13を迎えた。
■ラリージャパンで競技区間進入の一般車、スタッフの制止振り切り検問突破していたことが明らかに。実行委員会は被害届を提出予定
秋晴れの中スタートしたSS13は、寒いコンディションで行なわれた午前のSS10から30秒以上のペースアップとなり、タナクが11分30秒1の最速タイムでステージ優勝を果たした。セバスチャン・オジェ/ヴァンサン・ランデ組(トヨタ)がステージ2位で、DAY2のパンクから総合3番手まで巻き返した。
勝田は午前のSS12でハーフスピンを喫して右リヤカウルを破損していたが、パフォーマンスに大きな影響はないようで、SS13をステージ3位で終えた。
続く根の上高原でのSS14では、オジェとティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ組(ヒョンデ)が同タイムで最速となり、勝田がここでもステージ3位と上位につけた。スピンもあり総合順位では5番手に沈んでいた勝田だったが、ここで総合4番手のアドリアン・フルモー/アレクサンドル・コリア組(M-スポーツ・フォード)に0.2秒差まで詰め寄った。
午前中のSS12では無許可の車両がコースに侵入したとして途中キャンセルとなった恵那でのステージだが、2走目となるSS15はつつがなく実施され、オジェが16分6秒4でステージ2連勝。ヌービルを0.1秒差で退けた。
ラリーリーダーのタナクはステージ4位だったが、総合順位2番手のエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(トヨタ)がステージ7位に終わったことで、堅実にリードを広げた。
勝田はSS15でオジェから8.6秒落ちのステージ5位。総合4番手のフルモーがマシンバランス調整でステージ3位と好調さを見せたことで、再びふたりのタイム差は開いていった。
DAY3の締めくくりは豊田スタジアムが舞台のスーパーSS。DAY1に行なわれたオープニングステージ同様、SS16は2台のラリーカーが同時に出走するデュアル方式となる。最初はRallly2のドライバーが出走し、Rally1のドライバーではグレゴワール・ミュンスター/ルイ・ルーカ組(ヒョンデ)が1番手となった。
ミュンスターに対するはRally2クラス首位のニコライ・グリアジン/コンスタンティン・アレクサンドロフ組。『頭文字D』の藤原とうふ店仕様のシトロエンC3で話題を集めるドライバーだが、マシン性能差もありミュンスターに軍配が上がった。
その後はRally1のドライバーの出走が続き、フルモーVSオジェ、勝田VSエバンス、タナクVSヌービルという対戦カードが組まれ、フルモー、勝田、タナクがそれぞれバトルを制した。
全長2.15kmと短いステージのため大きなタイム差はつきにくいものの、タイムではタナクがステージ優勝で総合首位のリードを広げた。勝田はステージ5位だった。
これでDAY3のステージが終了。2024年からWRCではポイントシステムが大幅に変更され、DAY3/土曜日を終えた時点での順位に応じてトップ10にポイントが付与されるため、総合首位のタナクが18ポイントを獲得。総合2番手のエバンスに15ポイント、3番手のオジェに13ポイントが与えられた。
ただ、これで終わりではない。スーパーサンデーと呼ばれるDAY4のみの総合順位でトップ7に順位に応じて与えられる7点から1点、最終パワーステージでトップ5に順位に応じて与えられる5点から1点のボーナスポイントが残されている。
ヌービルとタナクのドライバーズタイトル争い、ヒョンデとトヨタのマニュファクチャラーズタイトル争い共に、全ては最終日に決着する。
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