日産 スカイラインの歴史を振り返ってみて、転換点となった世代はいくつか思い浮かぶが、R32型を挙げる人は少なくないのではないだろうか? 大型化が主流の当時のクルマにおいて先代より小型化し、なによりGT-Rの復活が印象的だった。
※本稿は2026年5月のものです
【画像ギャラリー】やっぱりR32は美しい!! 歴代屈指の名車を写真で一挙公開!(12枚)
文:大音安弘(車両解説)、西川昇吾、ベストカー編集部/写真:日産、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2026年6月26日号
8代目日産 スカイライン(R32型・1989年登場)
バブル真っ只中の1989年に登場した8代目は、「超感覚スカイライン」のキャッチコピーに象徴されるように、ドライバーの心を鷲掴みするようなスポーツカーを目指した。
その背景には、1990年までに技術の世界一を目指す日産社内プロジェクトの「901活動」があり、その影響を最も受けたモデルと言っていいだろう。
走りのよさを予感させるグリルレスマスクを持つエクステリアは、歴代最もモダンでスタイリッシュなもの。2ドアクーペに加え、最初で最後となるピラードハードトップの4ドアを用意。運動性能向上のため、先代よりも小型化された。
技術面では、シリーズ初の4輪マルチリンク式サスペンション、進化した「スーパーHICAS」、改良型RBエンジンなど最新技術を惜しみなく投入。復活を果たしたGT-R譲りの電子制御トルクスプリット4WD「アテーサE-TS」を搭載する「GTS-4」はスカイライン初の4WD。
インテリアでもスポーツカーであることが意識され、ドライバーを包み込むようなコックピットに仕上げながら、デザインのよさも重視した。
当時の3ナンバー車志向にも応えるべく、1991年のマイチェン時に4ドアにのみ2.5L車を設定。またGTS-4セダンに、GT-R用エンジンをNA化したRB26DEを搭載した「オーテックバージョン」も限定で用意。ATのみの設定で、高性能ツアラーという位置づけだった。
走りのよさは、多くのクルマ好きを夢中にさせた一方で、4ドアでも後席の実用性の低さが指摘され、販売台数では伸び悩んだ。
●8代目R32型スカイライン(スペック、価格は2ドアGTS-tタイプMのもの)
・ボディ形状:2ドアクーペ、4ドアセダン
・ボディサイズ:全長4530×全幅1695×全高1325mm、WB2615mm
・エンジンの種類:直6 2.0L NA&ターボ、直4 1.8L NA
・最強グレードのエンジンスペック:215ps/27.0kgm(2.0ターボ)
・サスペンション形式(F/R):マルチリンク/マルチリンク
・搭載された新技術:4輪マルチリンクサスペンション アテーサE-TS(4WDシステム) スーパーHICAS(4輪操舵) など
・当時の新車価格:238万5000円(5MT)
My Best スカイライン……8代目R32型/西川昇吾
R32を選んだ理由。それは単純に最もカッコが好みだからだ。スカイラインと言えば、セダンとクーペがラインナップされるのが基本であり、どちらも考えたデザインとなっているのだが、R32に至ってはクーペがメインで考えられたとしか思えないデザインで、クーペボディのシルエットが魅力的だ。
それとGT-R以外でも、スポーツグレードが充実していたのも好きなポイント。2LターボのTypeMを筆頭に、手の届きやすい魅力的なグレードが複数存在していた。
あとなんと言ってもストレート6(RB型)のサウンドだ。2Lで6気筒は今では誕生しないであろうエンジンであるが、直6が庶民にも手が届く存在だったのが正直羨ましい。
My Best スカイライン……8代目R32型/編集部・古川賢治
かつてマイカーにしたので、やはりマイベストはR32スカイラインです。
欲しいと思ったのには、カッコよかったのはもちろんですが、4輪マルチリンクサスやスーパーHICASなど当時の最新技術がてんこ盛りで、明らかに新時代のクルマ感があったというのは大きい。
モデルチェンジのたびにボディサイズが大きくなるのが当たり前のなか、運動性能のために全長を短くした点も魅力に感じ、当時は理想のスカイラインが誕生したと思いました。
愛車はNAエンジンでしたが、直6エンジンのフィールは気持ちよく、乗り心地も悪くないので長距離移動はとても快適。今までこれ以上に欲しいと思えたクルマはありません。
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みんなのコメント
何!この記事!
当時の日本車の性能からすれば、まるで10年先の未来から来たようなクルマでした。445万円という国産車でありながら、ポルシェやフェラーリといった当時のスーパーカーをも凌ぐ速さと、4WDや4WSなどの先進技術。そしてレースでは圧倒的な強さを見せ、まさに「敵なし」でした。
R33、R34はR32からの正常進化で、もちろんR32以上に速くなりましたが、ライバル車も進化していたため、R32ほどの衝撃はありませんでした。
R35も登場時の777万円・480馬力・ニュルのタイムなど十分すぎるほど衝撃的でしたが、私の中ではやっぱりR32 GT-R。
あの時代に、あれほど常識を覆したクルマは他にないと思っています。