この記事をまとめると
■かつてイギリスに存在した自動車メーカーのリライアントは3輪車の「ロビン」を生産していた
3輪マイクロカーだけどかわいいって言うな! スターウォーズ感がジワる「ボンド・バグ」という珍車
■安かろう悪かろうの代名詞かのように扱われているが33万台を販売した
■日本にもかななりの台数が輸入されており普段のアシとして使用するツワモノもいる
独特で個性的すぎるスタイリング
この世のものとは思えない、といったらオーバーでしょうが、リライアント・ロビンという3輪車はなかなか馴染みづらいクルマに違いありません。イギリスのテレビ番組にはちょいちょい登場していて、横転したり事故に巻き込まれたりとさんざんな目にあうキャラが定着しているかのようです。が、実際は30年間も生産され続け、庶民のアシとして33万台も爆売れしたレジェンドカー。安かろう悪かろうの代名詞かのように扱われていますが、どっこいイギリス庶民の生活になくてはならない存在だったのです。
そもそもリライアントは1935年の創立から、1990年に至るまでは、かのブリティッシュ・レイランドに次ぐ英国で2番目に大きな自動車会社でした。また、創業当時からメインストリームな商品ではなく、ロビンのような庶民向け、あるいはニッチな市場を狙ったクルマ作りが特徴で、シミターなどの例をもち出すまでもなく、歴代すべてのラインアップがマニアックなお宝といっても過言ではありません。
ただし、庶民向けといっても投入されているエンジニアリングはケチくさいものではなく、すでに1950年代からFRPを駆使した軽量、かつ板金いらずのボディを採用したり、割れづらく、事故の際でも破片の飛び散らないアクリル製ウインドウを用いるなど、先見性や合理性に長けていたことも見逃せない事実です。
もっとも、ことデザインの話になると、本場イギリスではギャグとしか受け取られていない模様(笑)。横や後ろから見れば普通のコンパクトハッチに見えつつ、正面からは1本しかタイヤが見えないという、ある種のいびつさは数ある3輪オートのなかでも突出したスタイル。もはや、この独特なスタイルはリライアント社のアイデンティティともいえるもので、3輪モデルのリーガルやリアルトはだいたいロビンと同じく愛嬌のあるスタイリングです。
発表当時のロビンは簡素なリジッドフレームに、狭いながらも4人の大人が乗れるキャビンを架装。750ccの直4OHVエンジンを縦置きして、32馬力/5500rpmの最大出力を発揮して、およそ1000rpm時に15mph(約24km/h)で走行可能だったとされています。
驚くべきは前述のとおりFRP製ボディも手伝って450kgという車重を実現しているところ。このため、のちに加わった850ccエンジンを搭載したモデルは85mph(約137km/h)という最高速を誇っているのです。とても出してみたいとは思えませんけど(笑)。
フロントが1輪ゆえか、テレビ番組で横転しまくったイメージなのか、ロビンは不安定な乗りものと思われがち。ですが、横転はデフに細工をしてあったこと、助手席側に重りを載せていたこと、そして左右のタイヤサイズを変えてあったという「やらせ」だそうです。が、やはりコーナリングは難しいようで「おばあちゃんが歩く速度を推奨」する意見が大半です。
ちなみに、ロビンは庶民のアシであったのと同時に、クルマの免許でなくオートバイの免許で乗れたことも人気に拍車をかけた模様。イギリスの複雑な免許制度は割愛しますが、若者などには大いにウケたのではないでしょうか。
それにしても、イギリスでロビンのネタを探すと「FRPのボディに寄りかかって写真を撮ろうとしたらボディが割れた」とか「路上駐車して戻ってきたら丸焼けになっていた」とか「牛が牽引してる荷車に追い越された」などなどケチョンケチョン(笑)。
それでも、2000年にはゴールドメタリック塗装、レザーインテリア、ウォールナットのインパネ、電子イグニッションなどが装備されたスペシャルエディションが65台限定で発売され、お値段はなんと1万ポンド(当時の価格でおよそ200万円)で完売! ノーマルモデルが697ポンドといいますから、15倍近いプレミアです。これこそ、ロビンが英国で愛され続けてきた証しであり、伊達に30年、33万台の生産量を誇るわけではないということ、かもしれません。
日本国内にもかなりの数が輸入されており、日ごろのアシとして乗っているという強者も少なくないとか。オシャレだとか、味があるとか、そういうの通り越してなんかこう、インパクトある乗りものがほしい方にはうってつけといえるのではないでしょうか。
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みんなのコメント
そこに全く触れていないのはどうかと思う
読者同様さんざバカにされているこの車ですが、ヤキ・カウリスマキ監督の映画「ラ・ヴィ・ド・ボエーム」では劇中の素晴らしい小道具として使われています。ここはこの車でないとだめなんだ!という監督の意思が見えます。
この車をコケにする番組やこんな記事ばかりじゃなく、この作品とともに紹介されて欲しい。雪の降る街を……。