GA-Lプラットフォームを採用し一新
text:James Attwood(ジェームス・アトウッド)
【画像】トヨタ・ミライ ホンダとヒュンダイも手掛けるFCEV 全105枚
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
燃料電池自動車(FCEV)のトヨタ・ミライ。燃料電池スタックやインフラの整備、水素社会といった、多くのトピックが頭に浮かんでくる。でも、難しい話は後にしよう。
新しいミライは、筆者の目にはトヨタ・セリカの最終型に通じる雰囲気を持つように映る。長いノーズとクーペのようなルーフラインが、そう感じさせるのだろう。わたしだけかも知れないが。
2代目トヨタ・ミライは、パワートレインも含めて大幅な再設計を受けた、まったく新しいモデル。新技術のショーケースのようなクルマの紹介を、スタイリングから始めるのは少しずれているようにも思えるが、そんなことはない。
空力特性を向上させるために磨き込まれたデザイン、というだけではない。従来以上にミライへ注目を集めたいという、トヨタの願いが込められている。動力源に対する注目以上に。
恐らくこの見た目なら、先代のミライと混同することはないだろう。新しいGA-Lプラットフォームを採用し、ボディサイズも大きくなった。パワートレイン自体も、生まれ変わったといった方が良いかもしれない。
水素から電気を生み出す燃料電池スタックは、ボンネットの中に搭載。従来の370セルから330セルへ減るとともに、小型化され軽量になった。駆動用モーターの最高出力は155psから182psへ向上。駆動輪は、前輪ではなく後輪へ変更されている。
5.6kgの液体水素で643kmの航続距離
燃料電池スタックの位置が変更されたことで、3本目の水素タンク搭載が可能になり、5.6kgの液体水素を蓄えられるようになっている。そのおかげで、一度の水素補給で最大643kmの距離を走行できる。
3本のうち1本は車両下部中央、通常トランスミッション・トンネルと呼ばれる峰に搭載される。もう2本は、リアシートと荷室の下に収まっている。
ほかに、容量1.24kWhの小さなリチウムイオン・バッテリーも搭載。回生エネルギーを蓄えるほか、燃料電池スタックから駆動用モーターへの電力供給を補助する機能も持つ。ちなみに従来は、ニッケル水素バッテリーだった。
トヨタは最新のFCEVへ惜しみなく軽量化技術を落とし込んでいるが、新しいミライの車重は1950kgと軽くはない。セリカ風のデザインや後輪駆動という駆動方式から、スポーツサルーンを想像するかもしれないが、それはやはり見当違い。
ミライは、快適なクルーザー的なクルマ。乗り心地や操縦性は、大きな20インチ・ホイールを履いていても非常に安楽。普通に運転している限り、最新の技術が搭載されていることを忘れてしまいそうだ。
その点で、新しいパワートレインは良い仕事をしている。驚くほど滑らかで、感心するほど静かだ。
インテリアには、12.3インチのインフォテインメント用タッチモニターが据えられる。沢山の実際に押せるボタンが残され、使い勝手は良い。ステレオは高音質なJBL社製。ヘッドアップ・ディスプレイも有用で、快適な運転をアシストしてくれる。
英国では先代より1万ポンドもお手頃に
ミライのエアインテークには高性能なフィルターが備わり、空気清浄機のような機能も果たす。SO2やNOx、PM2.5といった物質を捕捉し、燃料電池スタックへはきれいな空気のみが送られる仕組みだという。
その空気清浄機能の働きは、車内のモニターに映し出されるグラフィックで確かめられる。ミライで自動車旅行を楽しみながら、健康に優しい空気にもできるというわけだ。
スタイリングや乗り心地、インテリアの内容に関わらず、FCEVを購入するには考慮すべき要点が少なくない。クルマの価格は安くないし、水素を補充できるインフラは英国でもまだ限られている。
英国価格には、トヨタの努力を感じる。エントリーグレードなら、4万9995ポンド(749万円)から。今回試乗したデザイン・プレミアムというグレードの場合、6万4995ポンド(974万円)となっている。
英国では、先代より1万ポンド(150万円)ほどお手頃になった。すべての面で、大幅な性能向上が図られているにも関わらず。
ビジネス利用でのリース契約を組んだ場合、英国ではエントリーグレードで月額435ポンド(6万5000円)から。なんと、先代のミライより300ポンド(4万5000円)も安い。
大幅に価格が見直されたといっても、多くの英国人にとってはまだ手に届く金額ではないことは確か。新価格で大幅な販売台数の増加をトヨタは見込んでいるが、まだ水素ステーションそばの企業ユーザーが中心となるだろう。
新しい未来が今までよりはっきり見えた
英国のヒースロー空港には、便利な水素ステーションがある。その近辺なら、新しいミライを目にする機会は増えるはず。
もっとも、トヨタもミライを大量に売りさばくことは考えていない。トヨタが提案する水素技術と水素社会のアンバサダー的な役割が大きい。電車やバス、ボート、住宅にも水素を利用することを、トヨタは考えている。
読者の中には、水素は量産車のエネルギー源になり得ないと考える人もいるだろう。だがトヨタは、富士山の麓に水素をエネルギー源とする実験的な都市構想を進めている。
少なくとも新しいミライの登場で、新しい未来像が今までよりはっきり見えたとは思う。
トヨタ・ミライ・デザイン・プレミアム(英国仕様)のスペック
英国価格:6万4995ポンド(974万円)
全長:4975mm
全幅:1885mm
全高:1470mm
最高速度:173km/h
0-100km/h加速:9.0秒
航続距離:643km
CO2排出量:−
車両重量:1950kg
パワートレイン:永久磁石同期モーター
使用燃料:水素/燃料電池スタック330セル
最高出力:182ps
最大トルク:30.4kg-m
ギアボックス:CVT
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みんなのコメント
自分はミライでは車を所有できそうにないね
前澤さんのようなぜひ買い支えてほしい
今の車を所有できる現実に感謝しよう