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生誕60年! 日産「ブルーバード」を覚えている? グローバル化の基礎にもなった名車

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生誕60年! 日産「ブルーバード」を覚えている? グローバル化の基礎にもなった名車

■生誕60年、いまも愛される日産「ブルーバード」

 2019年で、日産を代表するミドルセダン「ブルーバード」が発売されて60年が経ちました。

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 1957年に中型車市場でシェアが高かったトヨタが、小型車市場でも拡販するために「トヨペット コロナ(以下コロナ)」を投入しました。日産も対抗馬として1959年に新型セダンの「ダットサン ブルーバード(以下ブルーバード)」を発売。

 その後の販売競争の激しさから「BC戦争」とまで呼ばれたブルーバードとコロナの争いは、日本のモータリゼーションの発展に大きく貢献し、多くの人の記憶に残ることになりました。

 そこで、生誕60周年を迎えた歴代ブルーバードのなかから、とくに印象に残る5台をピックアップして紹介します。

●2代目ブルーバード 410型(1963年発売)

 1960年にトヨタが発売した2代目コロナは、流麗な外観を持ち、1.5リッターエンジン搭載車を設定するなどブルーバードに対抗していました。それに対し日産は、1963年に2代目ブルーバードを発売します。

 ヨーロッパ車を思わせる丸みを帯びたボディラインで構成された、シックな雰囲気の外観は、フェラーリやアルファロメオなどのデザインで知られるイタリアの「ピニンファリーナ」によるものでした。

 しかし、トランクがテールエンドに向かって低くなっていく形状だったため、「尻下がり」と呼ばれユーザーから不評となってしまいます。結果、ついに販売台数首位の座をライバルのコロナに奪われてしまいました。

 メカニズム面ではフルモノコックシャシの採用や、当初1リッターと1.2リッターエンジンでスタートした後に、ツインキャブレターでパワーアップを図った「1200SS」(SSはスポーツセダンの略称)を追加。

 1965年のマイナーチェンジでは、1.2リッターエンジンから1.3リッターエンジンへのスイッチと、1.6リッターでツインキャブレターを装着した「1600SSS」(SSSはスーパースポーツセダンの略称)が追加されるなど、コロナを追撃しましたが、販売台数首位の座を奪還することはできませんでした。

 不評だったリアのデザインを修正するという大規模なテコ入れがおこなわれるなど、ブルーバードは2代目にして苦境に立たされてしまいました。

●3代目ブルーバード 510型(1967年発売)

 1967年、3代目にモデルチェンジされたブルーバードは、日産のラインナップで小型車の「サニー」が登場したため中型車へと移行しました。

 拡大したボディは、エッジの効いた直線的なラインで構成された「スーパーソニックライン」と呼ばれるシャープなデザインで、エンジンとシャシも一新されました。

 3代目で特筆すべき点は、日産初の四輪独立懸架が採用されたことです。しなやかな乗り心地と高い路面追従性を実現し、ハイパワーモデル「1600SSS」もラインナップされました。

 3代目は、国内で高い人気となりましたが、海外でもハイスペックながら低価格な魅力的なクルマとして受け入れられます。

 とくにアメリカ市場で大ヒットしたことで、日産車のグローバル化に大きく貢献し、後の「フェアレディZ(240Z)」の成功に繋がります。

 さらに1970年のサファリラリー総合優勝や、北米でのレースの活躍によって「ブルーバード=高性能」のイメージが、広く定着しました。

●6代目ブルーバード 910型(1979年発売)

 1970年代にサニーがヒットしたことで、ブルーバードはさらに高級化と上級クラスへの移行を進めます。

 4代目から「スカイライン2000GT」と同じ2リッター直列6気筒エンジンを搭載する「ブルーバードU 2000GT」をラインナップしますが、オイルショックの影響などで販売は振るいませんでした。

 そこで、1979年登場の6代目では「走る。曲がる。止まる」のキャッチコピーで、原点回帰となる高性能さをアピールし、好評だった3代目を思い起こさせるような直線基調のデザインとすることで、販売台数でコロナを抜き去ることに成功しました。

 エンジンは、確実な着火とNOx低減のために、NAPS-Z(ナップス)と呼ばれた2本の点火プラグを1気筒ごとに備えたツインプラグ化したものを搭載。

 さらに、1980年にシリーズ初となる1.8リッター4気筒ターボエンジンを搭載した「ターボSSS」をラインナップに追加します。このターボSSSは、エンジンのパワフルさやピックアップの良さも高く評価されました。

 また、サスペンションのセッティングも優れており、操縦性も当時のFRとしては画期的なものだったといいます。

 6代目は最後の後輪駆動のブルーバードだったため、いまも熱狂的なファンが多く、なかには「これが最後のブルーバード」と、呼ぶ人も存在します。

■新時代の4WDモデルの登場とブルーバードの終焉

●8代目ブルーバード U12型(1987年発売)

 1983年に駆動方式をFFとして発売された7代目ブルーバードは、高いシャシ性能を持ちながら、パワフルなエンジンを搭載したコロナにスペックで劣っていました。

 そこで、1987年にモデルチェンジした8代目では、ブルーバード初となるビスカスカップリング付きセンターデフ方式を採用した4WDシステム「ATTESA」を採用し、「技術の日産」を強くアピールしました。

 8代目のトップグレードである「1800ツインカムターボSSS ATTESA LIMITED」に搭載されたエンジンは、1.8リッター直列4気筒DOHCターボにインタークーラーを追加し、プレミアムガソリン仕様としたことで、最高出力175馬力までパワーアップ。

 ATTESAに加え、4輪操舵システム「HICAS」と「STC-Sus」(スーパー・トー・コントロール・サスペンション)による高い旋回性能と安定性から高い人気となりました。

 さらに、オーテックジャパンがラリー競技参加のベース車として開発した「SSS-R」は、専用のピストンやカムシャフト、ターボチャージャーなどによるパワーアップに加え、クロスミッションやロールケージなども純正装着されるなど、市販車とは思えないほど硬派な仕様でした。

 1988年には、全日本ラリー選手権でドライバーズチャンピオンを獲得するなど、高性能なブルーバードの復権を果たします。

●10代目ブルーバード U14型(1996年発売)

 1990年に日産は、欧州車を強く意識して開発された初代「プリメーラ」を発売。スタイルと居住性がよく、優れたハンドリング特性などが高く評価され、大ヒットしました。

 一方で、1991年登場の9代目は、丸みを帯びたフォルムが日本では受け入れられず、販売的に苦戦します。

 そこで、1996年に日本のユーザーが好む、オーソドックスな箱型の外観の10代目が発売されます。シャシは2代目プリメーラと共用する形になりました。

 また、シリーズ初となるCVTの搭載や、最高出力190馬力のスポーティモデル「2.0 SSS-Z」を投入するなど進化を遂げます。

 しかし、ブルーバードの販売復調にはつながりませんでした。

 2000年に、シャシを9代目サニーと共用する「ブルーバードシルフィ」が登場。ブルーバードの名を冠していたものの、それまでのシリーズとは別物のクルマでした。

 しばらく10代目は併売されていましたが、2001年には販売を終了し、40年以上続いた歴史に幕を閉じました。

※ ※ ※

 時代のニーズを捉えてモデルチェンジを繰り返してきたブルーバードですが、ユーザーの変化もあり、生き残ることはできませんでした。

 しかし、絶版となったいまもブルーバードには数多くのファンがいるほか、世代ごとにオーナーズクラブが存在するほど愛されています。

 近年、街中を走るブルーバードは極端に少なくなってしましたが、旧車イベントなどでは元気な姿を見ることができます。

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