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ル・マンの新予選方式を歓迎するドライバーたち「予想外の結果になるかもしれない」

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ル・マンの新予選方式を歓迎するドライバーたち「予想外の結果になるかもしれない」

 WEC世界耐久選手権のハイパーカードライバー数名が、今年のル・マン24時間レースで導入される新しい分割ハイパーポール方式を高く評価し、より公平で、戦略的にもより興味深いものになる可能性があると語った。


■トラフィックの解消に期待

美しい谷間にため息。興奮の親子3ショット。ケツに書かれたメッセージ【ル・マン写真日記(1)】

 昨年12月にACOフランス西部自動車クラブが発表した新方式では、ハイパーポールが『H1』と『H2』のふたつのセグメントに分割され、ハイパーカークラスはLMP2クラスとLMGT3クラスから分離され、別のセッションで走行することになる。

 ハイパーカークラスでは、21台中15台が予選から『H1』に進出し、さらに10台が『H2』に進出する。一方、LMP2クラスとLMGT3クラスでは、最初のハイパーポールフェーズに12台が出場し、そのうち8台がポールポジション争いの『H2』に進む。

 2024年のフォーマットでは、ハイパーポールセッションは1回のみで、各クラスの予選上位8台が同時にコースを走行していた。

 また、今年は1回目の予選もクラス別に分割され、ハイパーカーは専用セッション、LMP2とLMGT3はトラックを共有する。

 レギュレーションの追加規定として、ハイパーポールの両セグメントに同じドライバーが参加することはできないが、一方で予選におけるドライバーの選択は自由だ。ただし、LMGT3クラスでは、各クラスのブロンズドライバーが必ず出場しなければならない。

 Sportscar365の取材を受けたドライバーの大半は、この新しいフォーマットによって予選におけるトラフィックが解消される一方で、H1とH2で異なるドライバーを起用する必要があるため、予想外の結果になる可能性があると感じている。

 2023年のル・マンでポールポジションを獲得したフェラーリのアントニオ・フォコは、「ショーにとって非常に良いことだと思う。観客がトラック上でマシンを見る時間が増えるからだ。また、(アタック)ドライバーがふたりいることで結果が多少変わる可能性もある。ショーにとっても良いことだ」とコメントしている。

「まずはハイパーポールに出場できることを願ってるよ! それから、まだ話し合ってはいないけど、僕はふたつのハイパーポールのうちどちらかには必ず出走する」

 ポルシェのドライバー、ミカエル・クリステンセンはこう付け加える。

「どのカテゴリーでも、トラフィックに巻き込まれることはよくあると思う。トラフィックのせいで本来のポジションからスタートできないこともある。でも今回はトラフィックがないので、チャンスが巡ってくる」

「そういう意味では、少し公平になるね。より最大限のパフォーマンスを発揮できるんだ」

 トヨタのドライバー、平川亮は、ハイパーポールのふたつのステージでふたりのドライバーを起用することを義務付けるルールを気に入っていると語った。

「いいと思います」と平川はSportscar365に語った。

「ひとりのドライバーが最初のふたつのセグメント(予選とH1)を走り、別のドライバーが最後のセグメントを走ったり。ひとりのドライバーが1回目と3回目のセグメントを走り、もうひとりが2回目のセグメントを走ったり。とても興味深いですね」

 アルピーヌのフレデリック・マコウィッキは、この新システムによって、WECの通常ラウンドでは予選を担当しないドライバーを起用せざるを得ないチームも出てくるなど、波乱の展開が予想されると見ている。

「H2進出が確実でなければ、予選とH1を戦うドライバーに集中することになる。H2のドライバーは準備不足のまま仕事をこなさなければならないため、間違いなく苦しむことになるだろう」とマコウィッキは語る。

「シーズンを通して同じドライバーを予選に起用するチームもある。我々もそうだけど、ローテーションで担当するチームもある。予選は別の課題だ。全力を出し切るには、ある種のムードに自分を置く必要がある。時にはそれが難しいこともあるね」

「さまざまな戦略が見られるだろうし、最終的には予想外の結果になるかもしれない」


■「昔の方が良かった」とプジョーのデュバル

 ハイパーカードライバーの中で異論を唱えたのはプジョーのロイック・デュバルで、彼は2019年まで使用されていた、水曜日と木曜日の3回のロングセッションでグリッドを決定するという伝統的なフォーマットへの回帰を望んでいると述べた。

「以前のようにロングセッションが多かった方が良かった」とデュバルはSportscar365に語った。

「各セッションの重要性が同等になるからね。それに、ル・マンにはトラフィックも含まれる。それを何とかやり遂げるために、すべてを絞り出す必要がある。ベストラップを刻むドライバーが、それを計画したドライバーではなく、たまたま良いラップを刻んだドライバーになることだってある」

「歳をとったせいで、昔の方が良かったとよく言うようになったんだろうか? よく分からないけど、僕は昔の方が好きだったよ!」

[オートスポーツweb 2025年06月10日]

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みんなのコメント

1件
  • そにー製パスタ
    個人的な感情を優先するとデュバルに賛成。
    長いけど耐久レースらしいし伝統ある予選方法は特別感もある。
    インディカーのオーバル戦のように、そういった特殊性は残しても良かったんじゃないかなと今でも考える。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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