現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > なぜ今? ホンダがこのタイミングで、クラリティPHEVを発売したワケ

ここから本文です

なぜ今? ホンダがこのタイミングで、クラリティPHEVを発売したワケ

掲載 更新
なぜ今? ホンダがこのタイミングで、クラリティPHEVを発売したワケ

もくじ

ー 「クラリティ」の歴史
ー 第2世代「クラリティ」は最初から3兄弟
ー ホンダの次世代電動化戦略のイメージリーダー

日産リーフで挑戦する3つの山頂 制限時間は24時間 2018年は成功なるか?

「クラリティ」の歴史

ホンダは7月、「クラリティPHEV」を日本で発売した。

「クラリティ」と聞けば、多くの人が燃料電池車をイメージするはず。PHEV化して登場したことに少々違和感があるのではないだろうか?

時計の針を少し戻すと、いまから11年前の2007年11月の米ロサンゼルスモーターショーで、ホンダは「FCXクラリティ」をワールドプレミアした。

その発表現場で、ホンダの技術者らは自社の燃料電池車が他社に比べていかに優れているかを熱弁した。ホンダがVフローと呼ぶ燃料電池スタックの設計手法について、彼らは自信満々の様子だった。

福井威夫社長(当時)は「ホンダは一般的なEVを作る計画はない。(自車で発電する)燃料電池車はホンダにとって唯一の電気自動車」と説明し、広報資料でも燃料電池電気自動車という言葉を使った。

そもそも「FCXクラリティ」は、米カリフォルニア州環境局が定めるゼロエミッションヴィークル規制法(NEV法)に対応することが最大の目的だった。だが、リース販売数は当初の予定数に届かず、ホンダはZEV法への対応でテスラからEVクレジットと呼ばれる販売実績の権利を購入することになる。

また、2011年には米国向けに「フィットEV」を発売するが、ロサンゼルスショーでの発表現場で伊東孝紳社長(当時)は、「あくまでも、ZEV法ありきのクルマ」という言葉を残すと共に、アメリカを含めて世界市場で燃料電池車の普及が進まず、「FCXクラリティ」が不遇に終わったことを悔いた。

第2世代「クラリティ」は最初から3兄弟

こうした初代「クラリティ」での学習を踏まえて、ホンダは2016年に第2世代「クラリティ」を市場導入した。

このタイミングは、2015年末にトヨタが「ミライ」を発売したことに深く関係する。日本政府としてもミライ登場をきっかけとして、自動車産業のみならず、住宅分野や工業分野を含めた「水素社会の実現」を強調した。ホンダとしては、そうした国の方針の中で、燃料電池車の量産化に再挑戦することを決めたのだ。

ただし、第2世代「クラリティ」は初代のように燃料電池車のみでの商品設定を避けた。

そのために、燃料電池スタックを初代「クラリティ」に比べて大幅に小型化し、車体の前方に配置することで、他のパワートレイン搭載のための相互補完性を確保したのだ。

その結果、燃料電池車の「クラリティ・フューエルセル」、EVの「クラリティ・エレクトリック」、そして「クラリティPHEV」の3兄弟を設定した。「クラリティ・エレクトリックEV」については、米ZEV法を念頭にアメリカ向けのみの発売としている。

筆者は、この3兄弟を昨年、栃木県の本田技術研究所で比較試乗した。ハンドリングについては、車体の前部の重量が軽い「クラリティ・エレクトリック」が最も優れていた印象がある。

ホンダの次世代電動化戦略のイメージリーダー

そして今回発売された「クラリティPHEV」。

国内市場を見渡すと、プラグインハイブリッド車は、トヨタ「プリウスPHV」と三菱「アウトランダーPHEV」が主役であり、輸入車ではBMW、メルセデス、ポルシェ、ボルボなどがセダンからSUVまでPHEVのフルラインナップ化を進めている。

こうした国内市場でのハイブリッド車の高価格化の流れの中で、国内乗用車で半数以上をハイブリッド化したホンダにとって「全ハイブリッドモデルのPHEV移行のためのリーダー役」が必要となっていた。

一方で世界市場を考えると、米国のZEV法対応、中国のニューエネルギー車(NEV)に関する規制、そして今後さらに厳しさを増す欧州CO2規制への対応として、プラグインハイブリッド車の市場導入は必須であった。

さらに、世界的に広がるEVブームも「クラリティPHEV」の発売を後押ししたと言える。

第2世代「クラリティ」の中で最も多くの販売数を期待される「クラリティPHEV」。日本での販売動向に注目が集まっている。

こんな記事も読まれています

6速MT搭載! マツダ「小さな高級コンパクト」あった!? クラス超え“上質内装”×めちゃスポーティデザイン採用! 登場期待された「斬新モデル」とは
6速MT搭載! マツダ「小さな高級コンパクト」あった!? クラス超え“上質内装”×めちゃスポーティデザイン採用! 登場期待された「斬新モデル」とは
くるまのニュース
人気の無料地図アプリ「グーグルマップ」の道案内はまだ“純正カーナビ”にはかなわない!? 使いこなすのに覚えておくべきアプリの“クセ”とは?
人気の無料地図アプリ「グーグルマップ」の道案内はまだ“純正カーナビ”にはかなわない!? 使いこなすのに覚えておくべきアプリの“クセ”とは?
VAGUE
郵便局の集配車が「赤く蘇る」、KeePerが8000台を施工
郵便局の集配車が「赤く蘇る」、KeePerが8000台を施工
レスポンス
トヨタ「GR86」とスバル「BRZ」がそれぞれ「良いクルマ」を目指したら、驚くほど似た味付けになってしまいました
トヨタ「GR86」とスバル「BRZ」がそれぞれ「良いクルマ」を目指したら、驚くほど似た味付けになってしまいました
Auto Messe Web
7月にマイナーチェンジ版が生産開始! 新型「BMW i4」「BMW 4シリーズ グランクーペ」、テクノロジーとデザインを刷新へ
7月にマイナーチェンジ版が生産開始! 新型「BMW i4」「BMW 4シリーズ グランクーペ」、テクノロジーとデザインを刷新へ
LE VOLANT CARSMEET WEB
ハイパーSUV「アストンマーティンDBX707」がインテリアを大幅に変更。先進性とラグジュアリーさが高次元で共存
ハイパーSUV「アストンマーティンDBX707」がインテリアを大幅に変更。先進性とラグジュアリーさが高次元で共存
Webモーターマガジン
昨年までとは大違い! 大きな一歩を踏み出し”違う世界”を戦うハースF1
昨年までとは大違い! 大きな一歩を踏み出し”違う世界”を戦うハースF1
motorsport.com 日本版
いすゞとUD、「ジャパントラックショー2024」に共同出展
いすゞとUD、「ジャパントラックショー2024」に共同出展
日刊自動車新聞
〔試乗体験!〕5/11(土)~12(日)は国内外の電気自動車(EV)に試乗できる!
〔試乗体験!〕5/11(土)~12(日)は国内外の電気自動車(EV)に試乗できる!
Webモーターマガジン
GRヤリスRally2の潜在能力がヤバい! デビューしたてなのにトップドライバーたちが絶賛する「驚きの性能」とは
GRヤリスRally2の潜在能力がヤバい! デビューしたてなのにトップドライバーたちが絶賛する「驚きの性能」とは
WEB CARTOP
明暗別れた金曜の走り出し。勝田が語る“インカット”の影響と勝者オジエとの違い/WRCクロアチア
明暗別れた金曜の走り出し。勝田が語る“インカット”の影響と勝者オジエとの違い/WRCクロアチア
AUTOSPORT web
フロント一新、小型SUV『ミツビシASX』が大幅改良。HEV・MHEV・ガソリン車が6月から欧州で発売
フロント一新、小型SUV『ミツビシASX』が大幅改良。HEV・MHEV・ガソリン車が6月から欧州で発売
AUTOSPORT web
「ヘンタイ」が褒め言葉に聞こえたらかなりの重症! 重度のクルマ好きがやりがちな「一般人には理解不能」な行為7つ
「ヘンタイ」が褒め言葉に聞こえたらかなりの重症! 重度のクルマ好きがやりがちな「一般人には理解不能」な行為7つ
WEB CARTOP
スズキ「“超凄い”ソリオ」実車展示! 高機能レーダー多数搭載! “自動で走る“機能搭載の「ハイトワゴン」運行の理由とは
スズキ「“超凄い”ソリオ」実車展示! 高機能レーダー多数搭載! “自動で走る“機能搭載の「ハイトワゴン」運行の理由とは
くるまのニュース
全くもって一貫性がない……! ペナルティに泣くアストンマーティン、F1の裁定に不満タラタラ「アロンソとストロールに厳しい」
全くもって一貫性がない……! ペナルティに泣くアストンマーティン、F1の裁定に不満タラタラ「アロンソとストロールに厳しい」
motorsport.com 日本版
本誌執筆陣がオススメするいま注目のモデルをピックアップ!「このクルマ、間違いないです!」ル・ボラン2024年6月号、本日発売!!
本誌執筆陣がオススメするいま注目のモデルをピックアップ!「このクルマ、間違いないです!」ル・ボラン2024年6月号、本日発売!!
LE VOLANT CARSMEET WEB
トヨタ、北京モーターショー2024で、バッテリーEVの新型モデル「bZ3C」「bZ3X」を世界初公開
トヨタ、北京モーターショー2024で、バッテリーEVの新型モデル「bZ3C」「bZ3X」を世界初公開
月刊自家用車WEB
三菱ふそうが「ジャパントラックショー2024」に出展! 新型モデル「スーパーグレート」特別仕様車や新型「eCanter」キャリアカー展示
三菱ふそうが「ジャパントラックショー2024」に出展! 新型モデル「スーパーグレート」特別仕様車や新型「eCanter」キャリアカー展示
くるまのニュース

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

588.1万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

-万円

中古車を検索
クラリティPHEVの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

588.1万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

-万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村