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【最新モデル試乗】メルセデス・ベンツGLCが2代目に進化。ディーゼルHVのクラスを超えた完成度を体感

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【最新モデル試乗】メルセデス・ベンツGLCが2代目に進化。ディーゼルHVのクラスを超えた完成度を体感

すべてがメルセデスらしい味わい。上質で洗練

 メルセデスのベストセラーSUV、GLCがモデルチェンジし日本デビューした。GLCは2015年に初代モデルが誕生。その名のとおり、「CクラスのSUV」というイメージを放つ。紹介するのは欧州で2022年6月に発表された新世代。デビューから1年を経ずに日本に上陸した。 

メルセデス・ベンツのベストセラーSUV「GLC」が初のフルモデルチェンジ

 欧州仕様は48VマイルドHVシステムを加えたターボ付きの2リッター・4気筒ガソリンと4気筒ディーゼル。さらにガソリン/ディーゼル双方のエンジンと、最高100kW(≒136㎰)を発するモーターで構成するPHEVをラインアップ。日本仕様としてまず導入されたのは、マイルドHV仕様のディーゼル、220d・4マチックである。

 9速ステップATを組み合わせたパワーパックはCクラスに採用済み。ただし、エンジン単体で発する最高出力/最大トルク値は197ps/440Nm、エンジンとトランスミッション間に置かれたモーターの出力/トルクは17kW/205Nm。Cクラス用(エンジン:200ps/440Nm、モーター:15kW/208Nm)とは、わずかに異なる。

 新型GLCのスタイリングは、従来型の雰囲気を強く受け継いでいる。コンビネーションランプの造形とグラフィックが大きく変更されたリアビューは一見して変化が明確だが、大きな台形グリルの中央に「スリーポインテッドスター」を配し、その両サイドにクロームバーが広がるフロントマスクは、新旧で共通する。基本プロポーションを含め、スタイリングはキープコンセプトのイメージが強い。

 ボディサイズは全長×全幅×全高4720×1890×1630mm。全幅こそ旧型と共通なものの、全長は50mm、さらに2890mmのホイールベースは15mmの延長。モデルチェンジごとに行われる拡大の流れにGLCもあらがえなかった。この点は、ユーザーによって評価が異なりそう。ちなみに、従来設定のあったクーペバージョンに関しては現在のところ特段のアナウンスはない。欧州では新型が発表されたから、順次クーペも新世代化されるだろう。

 室内はラグジュアリーな味わい。T字型をモチーフとしたダッシュボードに中央3連型の空調吹き出し口など、基本的な雰囲気は従来の延長線上にある。それでも、メーターがシンプルな横長の12.3インチバーチャルディスプレイに、タブレット状だった中央ディスプレイがセンターパネルと一体化した11.9インチの大型アイテムに変更されるなど、最新モデルらしい表情へとアップデートをされた点は、新型の見どころだ。

 機能面も最新だ。前車追従式クルーズコントロール(ACC)は、カメラとレーダーで先行車を認識し、停止後30秒以内の自動再発進機能が備わる「アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック」を標準装備。車両斜め後方の死角エリア内の他車の存在を知らせるブラインドスポットアシストには、側面衝突の危険を回避するブレーキ制御機能にプラスして、停車時にドアを開けようとした際に後方車両や自転車の存在を知らせる降車時警告機能が採用された。

 細かい点では、従来型ではタッチボタンへの接触やステアリングホイールに掛かるトルクで判定していたステアリングのハンズオフ検知機能をリム内蔵の静電容量センサー方式に変更。無用の警告がカットされるようになった。より上質な使い勝手の実現は、ユーザーには朗報といえるだろう。

際立つ静粛性。フットワークも最上レベル。プレミアムSUVらしく全面進化

 試乗に連れ出したのは装備充実車。AMGラインパッケージ(60万円)とドライバーズパッケージ(49万円)、さらにパノラミックスライディングルーフ(22万円)、リアアクスルステアリングなどのオプションが装着されていた。

 走りはじめてすぐに感心したのは、際立った静粛性。外界としっかり隔絶されたイメージである。静かさをさらに後押ししていたのが、マイルドHVシステムによって耳障りなノイズなしに滑らかに行われるアイドリングストップ状態からの再始動。またロードノイズがほとんど耳につかないことも印象に残った。上質な走りのテイストはさすがである。
 独特の音質からディーゼルであることはわかるが、遠くからささやいている程度にしか感じられないエンジン音も、ボリューム的にはまったく気にならない。

 フットワークも素晴らしい。AMGラインとドライバーズパッケージを同時装着した場合エアサスペンションが採用されることもあり、フラット感が高く上質感にも富んでいた。乗り味は、いかにもプレミアム感に溢れる仕上がりである。

 コーナリング時の挙動も落ち着いている。ロール感は適度に抑制され、比較的クイックなステアリングのギア比が与えられた効果で自在度の高いハンドリングを実現。優れた操縦性を、ハイレベルの快適性と両立した点は特筆できる。

 新型GLCは、最新モデルならではの安全性と高効率だけでなく、このブランドが生み出してきた往年の作品と同様のトラディショナルな美点も彷彿とさせてくれた。圧倒的な完成度を誇るプレミアムSUVである。

メルセデス・ベンツGLC主要諸元

グレード =GLC220d・4マチック
価格=9SATC  820万円
全長×全幅×全高=4725×1890×1635mm
ホイールベース=2890mm
トレッド=1625/1640mm
最低地上高=175mm
車重=1990kg
エンジン=1993cc直4DOHC16Vディーゼルターボ(軽油仕様)
最高出力=145kW(197ps)/3600rpm
最大トルク=440Nm(44.9kgm)/1800~2800rpm
モーター最高出力=17kW
モーター最大トルク=205Nm
WLTCモード燃費=18.0km/リッター(燃料タンク容量62リッター)
(WLTC市街地/郊外/高速道路:(14.3/18.4/20.1km/リッター)
サスペンション=フロント:4リンク/リア:マルチリンク
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール=235/55R19+アルミ
駆動方式=4WD
乗車定員=5名
最小回転半径=5.1m
※スペックはAMGラインパッケージ(60万円)、ドライバーズパッケージ(49万円)同時装着車のもの

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みんなのコメント

5件
  • 5回試乗しましたが、パワーはあります。日本ではこれで充分だと思います。
    Cクラスより、乗り心地はややいいですよ〜エアサス(OP)の効果はありますね〜
    EQS450+普段乗りしてますが、2台目としてこれもありかな?とは思いますが、秋に大物が出ますので、そちらも楽しみですね。
  • マイルドハイブリッドでごまかしてもエンジン性能に1000万の車の余裕はないな。GLC300出るかな。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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