トヨタの佐藤・新社長はEV化を促進するのが役割
トヨタの次期リーダーとなる佐藤 恒治 氏。現在はGAZOOレーシングとレクサスインターナショナルのプレジデントを務める。トヨタの「ランドクルーザー」シリーズといえば、世界的にもトップクラスのタフネスなクロスカントリー4WDとして絶大な信頼とブランド力を誇っている。そのフラッグシップである300系は、2021年にフルモデルチェンジというタイミングでありながら、微塵も電動化はしないという潔いばかりのパワートレインとなっている。
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その理由として、「どこからでも安全に戻ってくることができる」というランクルスピリットを実現するには、電動化の採用は時期尚早という話もある。もっといえば、未開の地におけるタフネスを求められるランクルは、最後まで電動化トレンドに迎合してはならないブランドといえるかもしれない。
しかし、ランドクルーザー・ファミリーの末弟的ポジションの「ランドクルーザープラド」については、そうも言っていられないのではないだろうか。
最初に大胆な予想を言ってしまえば、2023年のフルモデルチェンジがウワサされているランドクルーザープラドについては状況的にEVになる可能性もあると考えている。
どんな状況証拠が、そうした結論を導いたのか。推理のひとつとしてエンターテインメント的に楽しんでほしい。
ポイントは、2023年にトヨタ自動車の社長が豊田章男 氏から佐藤恒治 氏に変わるということだ。エンジン車への愛を公言していた豊田社長が、このタイミングで交代。そして、佐藤 新社長は早々にEVへの取り組みを加速させると発表した。
実際、佐藤氏がプレジデントを務めているレクサス・ブランドは将来的には全ラインナップをゼロエミッション化することをすでに宣言している。ブランドのリーダーとしてEVシフトが避けて通れない道という判断をしてきたのが佐藤氏ともいえる。
現行型となる四代目ランドクルーザープラドは2009年に登場し、2013年と17年にマイナーチェンジを実施。登場から13年が経過した長寿モデルとなっている。ランドクルーザープラドは北米ではレクサスGX
北米市場ではランドクルーザープラドではなくレクサスGXとして販売されている。レクサスのフル電動化を考えると…。レクサスのフル電動ラインナップ化とランドクルーザープラドの関係は大いにある。ランドクルーザープラドは北米などでは「レクサスGX」として販売されているからだ。
レクサスGXが今後もラインナップに残るのか、ランドクルーザープラドの兄弟車であり続けるのか議論もあるだろうが、仮に次期ランドクルーザープラドがレクサスGXとして兄弟関係が続くとすれば、レクサスの流儀に合わせてランドクルーザープラドはEVの設定をする必要が出てくるはずだ。
だからといってランドクルーザープラドもEVになる必要はないかもしれないが、少なくともEVを設定することが可能なアーキテクチャーに基づくクロスカントリー4WDとして設計されることであろう。
それには欧州の電動化トレンドも関係してくる。
ランドクルーザー70復活の噂とバーターで考えられること
欧州ではランドクルーザーの名前で販売されている。欧州のトレンドを考えれば、ZEV化は避けられないともいえる。欧州マーケットでは、日本でいうランドクルーザープラドは「ランドクルーザー」として売られているグローバルモデルだ。
言うまでもなく欧州の自動車マーケットではEVであることが求められている。仮に次期ランドクルーザープラドをレクサスの方向性に合わせて電動化したとすると、それは欧州ニーズを満たすことにもなる。
自動車の商品企画というのは、そもそも最大公約数を狙うところもあるので、当たり前の話かもしれないが、次期ランドクルーザープラドの電動化シフトは、ある意味で一石二鳥なのだ。
日本のランドクルーザープラドは、2.7Lガソリンと2.8Lディーゼルのラインナップとなっている。とはいえ、日本市場ではランドクルーザープラドの電動化を求める声など皆無であろう。
ここで思い浮かぶのが、2023年内にタフネスの極みといえるランドクルーザー70が日本で再販売されるという噂だ。
仮に次期ランドクルーザープラドがEVになったとしても、エンジンだけで走るタフなランドクルーザーとして70系が販売されていれば、ランドクルーザー・ファミリー全体としてはユーザーニーズを満たすことになる。
EVのクロスカントリー4WDが欲しいユーザーはランドクルーザープラドを、エンジンのクロスカントリー4WDが欲しい人はランドクルーザー70を買えばいいというわけだ。
ランドクルーザー70の復活はランドクルーザープラドのEV化とバーター的に実現する、こう考えると色々なことがつながり、腹落ちしてくるのではないだろうか。
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