2020年12月2日、アウディAGは電動化車両による2022年のダカールラリー参戦を発表。また、フォーミュラeやル・マン24時間レース、デイトナ24時間レースへのワークス活動についても言及した。
シリーズハイブリッドを搭載した電動化マシンを開発中か?
モータースポーツに参戦することはメーカーにとってブランドや車種、新しい技術の宣伝、また技術開発の場となっていることはよく知られている。
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ドイツプレミアムブランドの一角をなすアウディもまた1980年代に世界ラリー選手権(WRC)へ初参戦し、4WDシステムで圧倒的強さを見せた。また世界耐久選手権(WEC)においては2000年代にディーゼルエンジンで、2010年代にはハイブリッドマシンでいずれも総合優勝するなど、モータースポーツシーンで存在感を見せつけてきた。こうして投入された技術が、その後のスタンダードになることも多かったのだ。
そしてアウディのワークスモータースポーツチームが再びラリーの世界で復活しようとしている。舞台となるのが、砂漠から泥濘地、山岳地帯まであらゆる環境を走破する「世界で最も過酷なラリー」と言われているダカールラリーで、2022年の参戦を予定する。
導入されるレースマシンの外観はまだベールに覆われているが、パワートレーンは電動化されているという。とはいえ、アウディが参戦しているフォーミュラeのような電気自動車ではなく、エンジンとモーターを組み合わせることによるハイブリッドマシンのようだ。
詳細は明らかとなっていないが、電動ドライブトレーンと高電圧バッテリー、高効率なTFSIエンジンをエネルギーコンバーターとして利用するとしている。走行中に必要な電力を充電するとあるとおり、エンジンを発電機として稼働させるシリーズハイブリッドである可能性が高い。
しかも、ダカールラリーにおいて電動レースマシンを投入する最初の自動車メーカーとなり、成功を収めることになれば、またもモータースポーツにおけるパイオニアとなるのだ。さらに言えばクワトロやTDI、eトロンなどのように、新しい名称を与えられた新技術搭載の市販車両も、登場を目前にしていると考えられなくもない。
ちなみに、この発表と同時にアウディワークスチームとしての、今後の活動についても公表された。2014年から参戦してきたフォーミュラeは、2021年シーズンをもってワークスとしては撤退、翌シーズン以降はパワートレーンのカスタマーレーシングチームへの供給を継続するという。
また、2020年11月末に発表された2022年以降の新しいスポーツプロトタイプカテゴリー「LMDh」適合車両の開発も表明している。具体的なレースも挙げられ、デイトナ24時間レースとル・マン24時間レースへの挑戦となるようだ。
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