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メーカーの努力不足もある! ミニバンやSUVの存在だけじゃない「セダン危機」の理由

 クルマの基本形はセダンではない

 最近はセダンについて消極的な話題が多い。ホンダの最上級車種となるレジェンドは、狭山工場の閉鎖に伴って廃止される。車種の廃止によって生産工場を閉じるなら理解できるが、工場の閉鎖でクルマを終了するのは本末転倒だ。

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 このほかクラウンをSUVにするとか、スカイライン終了の報道を受けて日産が否定するなど、セダンが粗雑に扱われている印象を受ける。

 今はクルマが日常生活のツールになったので、確かにセダンは不利だ。居住空間の後部に背の低いトランクスペースを繋げるボディ形状は、スペース効率が低い。

 そもそも1930年頃までのクルマのボディ形状は、ミニバンのような箱型だった。その後部に荷台を付けて、荷物を載せるようになり、これが流線形のトレンドに沿ってボディに取り込まれた。これが今のセダンスタイルに繋がっている。

 つまり、クルマのボディ形状を振り返ると、最初はミニバンスタイルで、その後にカッコよさで付加価値を高めたセダンの時代が訪れ、再びトランクスペースを持たないミニバン(あるいはSUV)のスタイルに戻った。そうなればもはやセダンの復権はあり得ず、売れ行きが下がるのも当然だ。

 乗用車のカテゴリーを販売台数で見ると、1990年頃まではセダンが圧倒的に売れ筋だったが、1990年代の中盤からミニバンが増え始めた。2000年以降は背の高い軽自動車、コンパクトカー、直近ではSUVが急増している。

 その結果、乗用車市場における今のセダン比率は約8%だ。軽自動車の38%、コンパクトカーの25%に比べて圧倒的に少ない。それでも伝統のカテゴリーとあって車種数は相応にあるから、1車種当たりの売れ行きが少ない不人気車が目立つ。

 ちなみに1990年には、クラウンは1か月平均で約1万7000台を登録した。この時のクラウンは8代目のモデル末期だったが、2021年上半期(1~6月)のN-BOXに匹敵する台数を売っていた。今のクラウンに比べると8倍に相当する。

 スカイラインは、1973年にケンメリの愛称で親しまれた4代目が、2ドアハードトップなども含めて1か月当たり約1万3000台を登録した。現在は1か月に330台くらいだから、当時のスカイラインは今の約40倍も売られていた。

 セダンの売れ行きが下がった一番の理由は、前述の通り、ミニバン、SUV、背の高い軽自動車など、空間効率の優れたカテゴリーに需要を奪われたことだ。1990年代に入ってセダンが飽きられ始めた頃、タイミング良く前述の新しいカテゴリーに属する車種が普及を開始したから、セダンの売れ行きは一気に下がった。

 セダンの「本当のよさ」をアピールしなかった国産メーカー

 しかしそれだけではない。1989年に消費税が導入されると、自動車税制における3ナンバー車の不利が撤廃された。その結果、各メーカーとも、海外向けに開発された3ナンバーセダンを国内市場にも流用するようになった。海外向けのセダンは、サイズだけでなく内外装のデザイン、運転感覚、乗り心地なども日本のユーザーに合わず、売れ行きを大幅に下げる原因となった。

 セダンのアピールの仕方も悪かった。ユーザーが実用重視でクルマを選ぶようになった後も、操る楽しさ、フォーマルな雰囲気など、古い価値観を訴求し続けたからだ。セダンの実践的な価値に目を向けなかった。

 セダンの実践的な価値とは、今日の衝突被害軽減ブレーキに象徴される安全性と、車間距離を自動調節できるクルーズコントロールなどがもたらす快適性だ。セダンは空間効率の優れたミニバンやSUVに比べて背が低く、重心高も抑えられる。後席と荷室の間には骨格や隔壁があるから、ボディ剛性も高めやすい。

 つまり、セダンのボディは低重心で高剛性だから、今のユーザーが高い関心を寄せる安全と快適を両立させやすい。それなのに効果的な訴求を怠っている。

 以上のように近年のセダンは、クルマ作りが日本のユーザーから離れ、なおかつ訴求の仕方も市場の変化に合わせなかったから売れ行きを下げた。

 この失敗は欧州車と比べても良くわかる。メルセデスベンツ、BMW、アウディなどは、今でもセダンを堅調に販売している。欧州は日常的に高速走行の機会が多く、低重心で高剛性のセダンによる安全性の高さは、ユーザーが実体験として幅広く認識している。疲れると事故の危険が増えることも知られているから、安全と快適を両立できるセダンを選ぶ。

 日本は欧州に比べて走行速度が低いため、セダンの価値を認識しにくい。そこをメーカーの情報発信によって補う必要があった。

 このセダンにとって恵まれない状況を長い間にわたって放置したから、セダンは売れ行きが下がり、今は全般的に設計の古い車種が増えた。それによって売れ行きがさらに下がる悪循環に陥っている。

 それでもクラウンやスカイラインは、1950年代から続く基幹車種だ。SUV化せずに、もう少しセダンの可能性を追求すべきだ。メルセデスベンツやBMWが複数のセダンを開発しているのだから、クラウンやスカイラインが生き残れないはずはない。

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