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欧州コンパクトを超えた? トヨタ新型「ヤリス」はセグメントリーダーになれるのか

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欧州コンパクトを超えた? トヨタ新型「ヤリス」はセグメントリーダーになれるのか

■「ヤリス」はグローバルカーとして欧州でも長く販売されている

 トヨタの新型「ヤリス」が世界初公開されました。

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 もともと、日本では「ヴィッツ」というモデル名で知られていましたが、日本以外での市場では、以前からすべて「ヤリス」名で販売されていました。

 ヨーロッパ市場でも、1999年から初代ヤリスを販売しています。

 ヨーロッパでは現在、コンパクトSUVの人気が急上昇していますが、販売の中心はBセグメント、およびCセグメントと呼ばれるカテゴリーのコンパクトカーになっています。

 ちなみに、国際的な自動車関連リサーチ会社のJATOによると、2019年上半期の、EU(欧州連合)とEFTA(スイス、ノルウェー、アイスランド)を合わせたヨーロッパ全体の車名別ランキングを見ると、1位はCセグメントのフォルクスワーゲン「ゴルフ」ですが、2位にBセグメントのルノー「クリオ」(日本名ルーテシア)、3位に同じくBセグメントのフォルクスワーゲン「ポロ」がランクインしています。

 ほかにもランクを見ていくと、5位にフォード「フィエスタ」、6位にプジョー「208」、7位にダチア「サンデロ」、11位にシトロエン「C3」、そして13位にトヨタ・ヤリスが入ってきます。これは、日本で販売されている3代目ヴィッツと同じモデルになります。

 新型ヤリスが欧州市場でライバルとなるのは、こうしたBセグメントモデルです。今回は、ドイツ車であるフォルクスワーゲン「ポロ」と新型ヤリスを比較してみます。

●新型ヤリスのライバル、フォルクスワーゲン「ポロ」ってどんなクルマ?

 日本で販売されているBセグメントのドイツ車、となると、まず挙げられるのはフォルクスワーゲン「ポロ」です。

 ポロは1975年に登場した、Bセグメントのベンチマーク的存在のモデルです。初代が登場してから40年以上で、累計生産台数は1400万台を超えています。

 現在販売されているモデルは6代目で、2018年3月に日本に上陸しました。

 新たにVWのモジュラー戦略「MQB」を採用したボディは、全長4060mm×全幅1750mm×全高1450mmというスペックで、先代モデルに比べると全長で65mm、全幅で65mm増え、逆に全高は10mm低くなっています。ホイールベースは2550mmで従来比80mm延長されています。

■新型ヤリスはセグメントリーダーのVWポロを超えられるか

 新型ヤリスは全長3940mm×全幅1695mm×全高1500mmと発表されています。

 このボディサイズは、全長で5mm短くなったほかは現行型ヴィッツとほぼ変わりません。世界的に、コンパクトカーがフルモデルチェンジすると先代に対して大きくなるのがいままでの流れでしたが、新型ヤリスはそれに逆行しているかのようです。

 新型ヤリスとポロを比較すると、全長で120mm、全幅で55mmヤリスのほうが小さく、全高は逆に50mm高くなっています。ただし新型ヤリスが5ナンバーサイズの小型車枠に収まっているのに対し、ポロは全幅1750mmと、3ナンバーサイズになっているのが大きな違いです。

 日本では、まだ5ナンバーサイズにこだわるユーザーが多いです。ポロも先代まで全幅が1685mmと5ナンバー枠に収まっていたのですが、現行型でよりワイドになりました。日本でのフォルクスワーゲンのラインナップでは、ポロの弟分であるAセグメントの「up!(アップ!)」が唯一の5ナンバーサイズになっています。
 
●搭載されるパワートレインはどう?

 ポロは200馬力/320Nmを発生する2リッターターボエンジンを搭載したスポーツモデル「ポロGTI」や150馬力/250Nmを発生する1.5リッターターボ「TSI Evo」エンジンを搭載した「TSI Rライン」もありますが、ノーマルモデルの「TSIトレンドライン」「TSIコンフォートライン」「TSIハイライン」は、すべて95馬力/175Nmを発生する1リッターターボエンジンを搭載、7速DCT(DSG)と組み合わされます。

 1リッターターボエンジンで95馬力と聞くと、数字上ではどうしても非力な印象も受けますが、ダイレクト感のある7速DCTとの組み合わせで、かなり元気な走りを披露します。

 一方、新型ヤリスのパワートレイン詳細は発表されていませんが、新開発の1リッター直列3気筒エンジン+CVT、1.5リッター直列3気筒エンジン+CVTまたは6速MT、そして1.5リッター直列3気筒エンジン+モーターのハイブリッドの3種類が用意される予定です。

 新型ヤリスからコンパクトカー向けTNGAプラットフォーム(GA-B)を採用したことで、従来に比べ車両重量を50kg軽量化、さらにねじり剛性を30%以上強化、そして重心高も15mm下げられたというリリースを見ると、その走りも相当期待できると考えられます。まだ発表されてはいませんが、新型ヤリスにも今後「GR」が設定され、スポーティなモデルが登場するはずです。

 通常モデルのポロの燃費は、19.1km/L(JC08モード)。対する新型ヤリスの詳細は発表されていませんが、「従来よりも約20%向上させた世界最高レベルの燃費」とプレゼンテーションで謳っています。現行ヴィッツハイブリッドのJC08モード燃費は34.4km/Lなので、新型ヤリスの燃費はJC08モード換算でリッターあたり40kmを超えそうです。

●車両価格はどう?

 ポロの車両価格は、「TSIトレンドライン」が216万3000円、「TSIコンフォートライン」が237万2000円、「TSIハイライン」が273万3000円、「TSI Rライン」が304万1000円、「GTI」が355万7000円です。

 新型ヤリスの車両価格はまだ発表されていません。しかし、現行型ヴィッツの車両価格を大きく超えてくることはないはずです。

 ちなみに現行ヴィッツの1リッターモデル「F」は120万3400円から、1.3リッターモデル「U」は182万500円から、ハイブリッド「F」は185万3500円から、1.5リッターエンジンの「GRスポーツ」は211万5300円から用意されています。

※ ※ ※

 ポロ以外のドイツ車で、日本で販売されているBセグメントのコンパクトモデルを探してみると、アウディの最コンパクトモデル「A1」、MINIの「MINI3ドア」「MINI5ドア」くらいしかありません。

 アウディもMINIもプレミアムブランドになるため、車両価格は高くなります。ちなみにアウディA1は253万6112円から355万4631円、MINI3ドアは247万円から466万円、MINI5ドアは281万円から472万円となります。

 ですので日本の市場だけでなく欧州市場でも、アウディA1やMINI3ドア/5ドアは新型ヤリスの直接的なライバルとなることはありません。

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