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【絶滅寸前でもまだ現役??】いまもシガーライターを装備する車と切実な事情

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【絶滅寸前でもまだ現役??】いまもシガーライターを装備する車と切実な事情

 シガーライターといえば、車内で喫煙する際、ライター代わりにタバコへ火を点ける装備。

 タバコのイラストが描いてあるボタンを押して、十数秒経つと、ポコッという音がして取り出し、赤く光っているうちにタバコに火を点けるというアレだ。

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 しかし、今はタバコを吸う人も減ったことで標準装備しているモデルも少なくなった。

 そのうえ、灰皿さえもオプション扱いとなっている車両がほとんど。そんなシガーライターだが、実は標準装備しているクルマもまだあるのだ。

 しかし、なぜ、これだけ電子化が進んだ今、こんな旧態依然としたシガライターが生き残っているのか、ほんとに不思議だ。

 というわけで、国産メーカーで標準装備している車両はもちろん、販売店で装着する装備(ディーラーオプション)まで徹底調査!
※掲載しているデータは2019年5月時点のものです。

文/野里卓也
写真/ベストカーWEB編集部 トヨタ 日産 ホンダ スバル 三菱 

トヨタ/乗用車系でのシガーライターの標準装備車はなし!

アルファード S"
A" パッケージ“ にオプション設定されている灰皿(フロント・照明付)&シガーライターはセットで4320円。トヨタ純正シガーライター単体の価格は車種にもよるが約2000~約4000円

●トヨタ 
■標準装備
・トヨエースカーゴ/トヨエースダンプ/トヨエースルートバン
・ダイナカーゴ/ダイナルートバン/ダイナダンプ
・タウンエーストラック/タウンエースバン
・ライトエーストラック/ライトエースバン      
▲ディーラーオプション設定
・86
・エスクァイア/ヴォクシー/ノア
・アルファード/ヴェルファイア
・ヴィッツ
・ピクシスバン/ピクシストラック

 この企画を始める前にひと言、言わせてください。国産自動車メーカー広報部さんの絶大な協力を得て調査することができました。この場を借りて御礼申し上げます。

 ではさっそく、いまだにシガーライターを標準装備しているクルマを紹介していきましょう。

現行ハイエースはシガーライターは装備されていないが、アクセサリーソケット、灰皿を装備している

プロボックス&サクシードには、左側がアクセサリーコンセント(AC100V・100W:オプション)と右側のアクセサリーソケット(DC12V・120W) が付いている

 トヨタは、乗用車系での標準装備車は設定しておらず、商用車系のみシガーライターを標準装備。

 なお、ビジネスユーザーご用達のハイエースは過去モデルだと標準装備していたが、現行(5型)モデルはアクセサリーソケットのみ。ただし灰皿はキチンとある。

 レクサスについてはディーラーオプションでさえもシガーライターは設定しておらず、灰皿のみがディーラーオプションで用意している。

 また、面白いことに、GSシリーズはリアドアポケットへの灰皿はメーカーオプションで対応しているのだ。

 ところで、トヨタ以外のメーカーもそうだが、灰皿は従来の引き出して使う四角いタイプやドアトリムに収納する小型のモノではなく、カップホルダーに収まるサイズの灰皿がほとんど。

 この灰皿の変遷や最近のトレンドについては近いうちに別の機会にて紹介するつもりだ。

日産/国産メーカーで唯一、セダンを中心にシガーライターを標準装備

現行スカイラインはシガーライターと灰皿を標準装備

●日産 
■標準装備
・スカイライン
・シルフィ
・シーマ
・NV200バネット
▲ディーラーオプション設定
・ジューク/ジュークニスモ 
・マーチ 
・キューブ
・NV100クリッパー リオ/NV100クリッパー

  日産は 国産メーカーで唯一、セダンを中心にシガーライターを標準装備している。

 これはモデルライフが長いためと思われる。また、ビジネス用途で人気のNV350キャラバンもハイエース同様、灰皿はあるもののアクセサリーソケットのみの装備となる。

 ところで今はシガーライターではなくアクセサリーソケットが主流だが、それは12V電源を供給するだけのもの。

 シガーライターもアクセサリーソケットも似たような構造で、詳しく言うと長くなるので割愛するが、なぜ電源を供給するだけかというと、それを必要とするアクセサリーが多いからだろう。

 実際、クルマに標準で付く用品であるパンク修理キットのエアコンプレッサーは電源をアクセサリーソケットから取るようになっている。

 たいていのコンプレッサーは消費電力も大きく、120~150Wという容量が設定されているのだ。

 でも、気をつけたいのはアクセサリーソケットのカバーを見ると、タバコマークに斜線を引いたマークが付いていることもある。

 つまりシガーライターとしては機能しないし、シガーライターを無理に入れると加熱して周りが溶けて危険なのでやらないようにという意味なのでご注意を。

ホンダ/アクティトラックのみ標準設定!

標準装着のアクセサリーソケットを取り外して取り付けるホンダグレイス用のディーラーオプションのシガーライター。価格は1620円

●ホンダ
■標準装備
・アクティトラック
▲ディーラーオプション設定
・グレイス

 ホンダは上記車種のみ。乗用車ではグレイスのみがディーラーオプションで用意しているのは不思議なところである。

 なお、いずれのメーカーもそうだが、ディーラーオプションのシガーライターは既存のアクセサリーソケットと交換するタイプが主流となっている。

 また、最近ではバイクでもアクセサリーソケットを標準で備えたモデルが出てきている。用途はスマホの充電やナビとして、あるいは冬場では、電気の力で発熱する防寒ジャケットなどで使ったりする。

マツダ/2014年以降、乗用車のシガーライターの設定はなし

カリーナEDと双璧をなしたインテリアがウリのペルソナ。日本車で初めてシガーライターと灰皿をオプションにした


ペルソナのシガーライターはステアリング左下に、灰皿はセンターコンソールのなかに装着。オプション価格は9600円

●マツダ
■標準装備
・ボンゴバン/ボンゴトラック
・タイタン/タイタンダンプ
▲ディーラーオプション設定
・スクラムワゴン/スクラムバン/スクラムトラック

 マツダは乗用車系での標準装備車は設定しておらず、商用車系にシガーライターを標準装備。

 余談だが、マツダは過去にどのメーカーよりも早く灰皿とシガーライターをオプション(9600円)にしたモデルをリリース(ペルソナ、1988年~1992年)した会社であり、積極的にシガーライターの廃止を進めている。

 実際に2014年以降、乗用車系にはシガーライターの設定はないとコメントしている。

 また、今後についてはアクセサリーソケットやUSB電源などの装備に置き換わるとのこと。

 ディーラーオプションで対応したモデルはスズキから兄弟車であり(エブリイ/キャリイ)、スズキでも同様に設定されている。

スバル/標準設定はないがディーラーオプションで対応

アクセサリーソケット(右側)に加え、USBポートが装着されているXV

●スバル 
■標準装備車なし
▲ディーラーオプション設定
・レヴォーグ
・WRX STI
・WRX S4
・BRZ
・フォレスター
・インプレッサ(G4&スポーツ)
・XV
・レガシイB4&アウトバック
・ディアスワゴン
・サンバーバン/サンバートラック

 スバルも標準装備車はないが、ディーラーオプションについては全車対応している。

三菱/ディーラーオプションで対応

デリカD:5は インパネロア、リアクォーターに各1か所ずつアクセサリーソケットを設置

 三菱ではシガーライターを標準設定しているのはミニキャブMiEVのみ。それ以外の車種はディーラーオプションで対応している。

●三菱 
■標準装備
・ミニキャブMiEV
▲ディーラーオプション設定
・アウトランダーPHEV/アウトランダー
・i-MiEV
・ミラージュ
・タウンボックス
・ミニキャブ/ミニキャブトラック

スズキ、ダイハツ/商用車中心にディーラーオプションで設定

 スズキ、ダイハツは商用系を中心にディーラーオプションで対応。なお、兄弟車でもメーカーが異なる場合、設定がないモデルもある(例:ソリオ/デリカD:2)。

●スズキ 
■標準装備車なし
▲ディーラーオプション設定
・バレーノ
・ソリオ
・エブリイ
・キャリイ
・スイフト
・ラパン
・ハスラー

●ダイハツ 
■標準装備車なし
▲下記はディーラーオプション設定
・アトレーワゴン
・ハイゼットトラック/ハイゼットカーゴ

触れば火傷するシガーライターが最新のクルマに残っている不思議

 というワケで上記に紹介してきたモデルが、国産メーカーでシガーライターを標準装備、あるいはディーラーオプションで用意している車両になる。

 シガーライターが減少した一番の原因は、タバコを吸う人が減ったからだが、紙巻きタバコは年々売り上げ減少の一途をたどっており、1996年に記録した年間3483億本をピークに直近の2018年では1300億本と、22年間で約6割も販売本数を落としている(出典:日本たばこ協会)。

 さらに今は、火も要らず煙の出ない加熱式のタバコが発売され、それらがシェアを伸ばしてきていることもあり「タバコに火を点ける」という行為は愛煙家のなかでも少なくなっている。

 触ると火傷する昔の電熱調理器はもはやなくなったのに、いまどき、誤って指が触れると火傷をしてしまう旧式のシガーライターが最新のクルマに残っているのが不思議。

 今後は、シガーライターそのものは消滅していくのは間違いないだろうが、これまた不思議なのは、シガーライターを差し込めば使える、アクセサリーソケットが、なぜまだ生き残っているのか、ということ。

 それは、ドライブレコーダーやクルマで使う電気製品はいまだにシガーライターソケットに対応している製品が多い、というのが理由。

 最近ではUSBポートも増えてきているとはいえ、ここだけ、進化のスピードがイマイチ遅いと感じるのはボクだけだろうか。

 新車の装着車はなくなっていくだろうが、すでにシガーライターが装備されているクルマへの対策も必要ではないだろうか。

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