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【意図的リーク?】フォード・ブロンコ、なぜ今24年ぶりの復活なのか 日本でも売れ筋になる可能性

掲載 更新 26
【意図的リーク?】フォード・ブロンコ、なぜ今24年ぶりの復活なのか 日本でも売れ筋になる可能性

事実上のリーク、織り込み済み?

text:Kenji Momota(桃田健史)

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フォードの本格派四駆SUV「ブロンコ」の量産化の姿が、SNSなどを通じて判明した。

アメリカでの報道によると、撮影されたのはミシガン州のフォード工場内。ディーラー向けに行われた商品説明会の模様だ。

正式発表は3月と予測され、2月にディーラーが実車確認をするのは、一般的な新車の発売までの流れとしては納得できる。

フォード本社としては、参加したディーラー関係者に正式発表まで個人的な目的でのSNSも含めて、情報開示は厳禁と通告している。

それでも、近年の自動車産業界の傾向として、こうした写真が流出してしまうことを、フォードとしてはあるていど予想していたはずだ。

そのほかにも、カモフラージュなしの量産型ブロンコの写真がSNSなどで流出し始めている。そうした情報をベースに、世界中のメディアが新型ブロンコを大きく取り上げている。

結果的に、フォードとしては新車発表までの助走期間として効果的なPR活動になったいえる。

アメリカを筆頭に世界各地で、ブロンコ復活を待ち望んでいる人たちが大勢いるのだ。フォードジャパン撤退により、フォード車の正規輸入が一時的に途絶えているしまっている日本でも、新型ブロンコに対する熱い期待を声が各方面から聞こえてきている。

それにしても、なぜ、いまブロンコ復活なのか?

ブロンコ示唆 2017年デトロイトショーの現場

ブロンコ復活までの流れを、振り返ってみたい。

2017年1月、筆者(桃田健史)は寒さをこらえながらミシガン州デトロイトの市街地にある大型イベント施設、コボセンターへ向かった。

北米国際自動車ショー、通称デトロイトショーの報道陣向け公開日。例年通り、フォードはコボセンター内にある大型劇場を占有して、大々的な記者会見を行った。

発表の目玉は、フルサイズ・ピックアップトラックのFシリーズだ。フォードにとっての屋台骨であり、その進化はライバルであるGMシボレー・シルバラード、FCAダッジトラックに多大な影響を及ぼす。

会見の締め括りが「2020年ブロンコ復活」のアナウンスメントだった。多くのメディアが壇上にプロトタイプが登場することを期待したが、実車がないどころか、デザインイメージの公表されず、新型ブロンコに対する市場の期待がさらに高まる結果となった。

会見でフォード幹部(当時)は、「ネット上では、(歴代の)このクルマを熱狂的に支持している人たちが大勢いることをご存じの方も多いはず」、「高い知名度があり、多くの人に愛されている、4×4(フォー・バイ・フォー)のネームプレートを持ったクルマ」と、フォードとしてブロンコを自画自賛した。

だが、このタイミングでブロンコ復活について、明確な説明はなかった。

「トラックカンパニー」が奏功

トラックカンパニー、という表現。

これは、フォード本社幹部が昔からよく使う。

ここでいうトラックとは、ライトトラックを指し、ピックアップトラックとSUVが含まれる。フォードは、このライトトラックを主流とした自動車メーカーなのだ。

北米でのモデルラインナップでは、乗用車は、フィエスタ、フュージョン、マスタングの3モデルのみ。

一方、SUVでは、エコスポーツ、エスケープ、エッジ、フレックス、エクスプローラー、エクスペディションと6モデルもある。

さらに、ピックアップトラックでは、主軸のF150に加えて、新興国向けなどの世界戦略車であるレンジャーを北米ミッドサイズピックアップトラックとして2019年モデルから復活させている。

フォードはまさに、トラックカンパニーなのだ。

ただし、SUVについては近年、ラインナップに変化が乏しく、インパクトが強い商品の必要性がディーラーにとっても、ユーザーにとっても高まっていた。

そこで、2017年のF150フルモデルチェンジを受け、F150とプラットフォームを共通化したブロンコが復活することになった。

新型ブロンコについてフォードは「本格的四駆であり、しかも日常遣いに便利なファッショナブルなSUV」と説明する。

当然、ライバル視されるのは、ジープ・ラングラーになる。

ブロンコきっかけで日本正規輸入復活は?

ブロンコのスペックについては、パワートレインに関して現時点では正確な情報はない。

だが、ライバルがジープ・ラングラーであることは確実のため、F150搭載のV型6気筒2.7Lや同3.0Lのエコブーストエンジンが主流になる可能性がある。

価格としても、ラングラー、またはフォード自社のエクスプローラーを意識して、北米市場では4万ドル台(1ドル105円換算で400万円台前中盤から500万円台前半)と見るのが妥当だろう。

気になる日本市場への導入だが、当面は並行輸入となるだろうが、どこかのタイミングで正規輸入復活があるかもしれない。

理由は、ブロンコが2ドアと4ドアのほか、ジープ・グラディエーターのようなSUT(スポーツ・ユティリティ・トラック)への横展開が期待され、そうなるとジープのようなブランドとして成立する可能性があるからだ。

アメ車は過去10年ほどで様変わりした。北米でセダンからSUVへの一気にシフトし、いまやライトトラックは市場全体の7割を占める。

ライトトラックの中で、ジープを筆頭とする本格派SUVの販売が堅調で、このトレンドが日本にも及んでいる。

ブロンコをきっかけに、フォードが新戦略を引っ提げて日本再上陸の可能性もゼロではないと思う。

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