身長157cmの筆者が、2025年も大いに盛り上がった東京モーターサイクルショーを、小柄めライダー視点で見学して気付いたことをお届けするレポート、第2弾。
第1弾では、ヤマハの新型バイクを、「車両メーカーによる足着き性への取り組み」という観点から読み解いた。第2弾は、用品メーカーによるカスタムパーツやライディングギアから、小柄ライダーの使い勝手を意識していると感じたものをご紹介したい。
身長140cm台でもハーレーに乗れるかも!? 「ローダウン」だけじゃない、キジマのカスタムパーツ
【 画像ギャラリー 15枚】「小柄ライダー」にお薦めのアイテムを紹介!「もみじの手」でも、バイクに乗れる!【東京モーターサイクルショーで発見!】……の写真を見る!
さて、足着き性に不安を抱えた小柄ライダーに向けたカスタムといえば「ローダウン」というイメージがある。
サスやリンクの交換、シートの加工などで、車高・シート高を下げる。場合によってはバックステップへの交換などで足着き性の改善を狙うものだ。
つまり「背が低いなら車高を下げればなんとかなりますよね」という方向のカスタムで、実際にそう考えている人は多いだろう。
そんな先入観をひっくり返してくれたのが、キジマのブースで見つけた2台の展示車両だ。
まずはタイトル写真の車両、HarleyDavidson NIGHTSTER Sをキジマのパーツでカスタムしたコンセプトモデル「CITY TOUR」。
クルーザータイプの車体は、もともとシート高が低めのものが多いことから、小柄ライダーに選ばれることが多いのだが、このコンセプトモデルでは、さらに各部に手を入れ、小柄ライダーが安心して乗れる車体に仕上げられている。
YSSとの共同開発によるローダウンサスペンション(品番ZYS-RE302-001 定価61,600円)。ノーマル状態でも715mmと低めのシート高を、さらに40mm下げられる(交換後はタンデム不可)。
さらに驚かされたのが、ペダル類のカスタムだ。
背が低い人は背丈だけでなく、当然足のサイズもミニマム。個人差はあるが、人によっては22cm以下ということもある。
そして、足が小さければペダル操作に問題が出ることもある。具体的にいえば、「踏むべきペダルに足が届かない」のである。
このコンセプトモデルでは、足が小さいライダーも不安なくシフト&リヤブレーキ操作が行えるよう、ペダルのカスタムが行われていた。
左側ステップ周りでは、「シフトペグアダプター」(品番HD-05449 定価3,300円)を取り付けることで、シフトペグの位置を15mm手前へ移動。足が小さい人でもぐっと操作がしやすくなる。
右側ステップ周りでは、一瞬、見た目が似ていてどちらがステップでどちらがブレーキペダルなのかわからないが、当然車体に対して後ろがステップで前がブレーキペダル。ワイドブレーキペダルカバー(品番HD-052203 定価12,100円)を取り付けることで、ブレーキペダル全体が大きくなり踏みやすさを向上。純正ペダルにかぶせて固定するだけと、簡単に取り付けられるのもよい。
足のサイズ23.5cmの筆者が乗車したところ、シフトペグ・ブレーキペダルどちらにも余裕をもってつま先が届いた。これなら、さらに足が小さいライダーでも大きな安心感が得られそうだ。
NIGHTSTER Sの純正ハンドルバーは幅広で、小柄な人にはグリップが遠く感じられるのだが、コンセプトモデルでは「フィフティーバーハンドル RH975S専用」(品番HD-04676 定価19,800円)に交換。グリップポジションが純正より50mm手前に移動することで、ぐっと楽に乗れるようになっていた。
「小さい人が乗るなら、車高を下げればいいんでしょう?」と単純に結論づけてしまいそうなところ、細やかな配慮のあるカスタムパーツの開発はお見事というよりほかない。
なお、ライディングポジションに余裕を生むタイプのステップカスタム系パーツとしては、スポーツスターS用、ミルウォーキーエイト ソフテイルモデル用も展開されているので、ハーレー好き小柄ライダーは要チェックだ。
なお、当コンセプトモデルには、小柄ライダー向けと感じられた上記のカスタム以外にも、多数のキジマパーツが取り付けられていた。
キジマブースでは他に、HONDA REBEL250の「ブロッサム・トランスコンチネンタルスタイル」と名付けられたコンセプトモデルを展示していた。
ロー&スリムで小柄ライダー・女性ライダー人気の高いレブルをピンクとブロンズを基調にカスタムし、いかにもロングツーリングが似合いそうな旅スタイルに。
こちらは特に「ローダウン」を謳ったカスタムではなく、ローダウンパーツも組み込まれていなかったのだが、ハンドルバーをハーレー用「XLXスタイルバー」の形状をそのままに細かい変更を加えたレブル専用品(品番204-3387 定価9,460円)に交換することで、グリップポジションが65mmも手前に移動。さらにバーの角度が絞られているため、腕を無理に広げることなく楽なポジションでホールドできる。
また、足の出しやすさと座り心地を改善する目的で「リーチタイプシート」が装備されているのだが、このシートは、着座位置が自然に前にずれるため、結果足着き性の改善にも繋がっているのだ。
REBEL250のシート高は690mmで、純正でも非常に優れた足着き性を誇っているが、ハンドルバー&シートの交換でポジションにゆとりをもたせることで、身長157cmの筆者でも「こんなに楽なバイクがあるなんて!」と舌を巻くほどの車両に仕上げられていた。
2台のコンセプトモデルのどちらも、おそらく身長150cmに届かないライダーも不安なく乗れるのでは、と感じさせられた。
レバー位置を6段階調整&カラーカスタムでも遊べる! U-KANAYAのアルミビレットレバーで手が小さい人も安心!
次に紹介したいのがU-KANAYAブースで見たアルミビレットレバー。
先ほど「小柄なライダーは背丈だけでなく足も小さい」という話をしたが、当然手も小さいことが多く、純正レバーは位置が遠すぎて操作しづらい!というのはよく耳にする悩みだ。
U-KANAYAがリリースするアルミビレットレバーは、レバー位置を近くから遠くまで6段階に調整できるうえ、レバー7色、アジャスター8色のカラーバリエーションがあり、7×8=合計56種類から好きな組み合わせを選ぶことができる。見た目の印象を変えるカラーカスタムにもうってつけのパーツだ。
身長157cmの筆者は背丈以上に手がミニマム、グローブを買うときにも合ったサイズを探すのに毎回苦労するほど手が小さいので、愛車2台のどちらにもU-KANAYAのレバーを装着済みだ。
人並み外れて手が小さいほうなのだが、それでもレバーの調整位置は「近い方から2番目」で使えるので、もっと手が小さい人でもこのレバーなら操作できそうだ。
U-KANAYAのもうひとつのお薦めポイントとしては、パーツ単位での購入ができること。公式オンラインショップから、取付アタッチメント、レバー、アジャスターを補修パーツとしてそれぞれ単品で購入できる。
万が一転倒してレバーが折れたときも、折れた方のレバーだけを買って交換できるのでお財布に優しいのだ。ちなみにビレットレバーをまるごとセット購入すると、左右1組13,750円~。レバー単品なら3,850円~。筆者も補修パーツ購入にはお世話になったことがあり、余分な買い物をしなくていいのでかなり助かる。
なお、U-KANAYAのアルミビレットレバーは、スタンダードな形状から可倒式レバータイプ、ホイールアジャスタータイプなど全5種類がラインナップされている。好みのものを選べるのも魅力だ。
「手に合うグローブがない」という嘆きにさらば! デグナーのレディースグローブは本当に小さい人向けサイズ。
最後にご紹介したいのは、デグナーのブースで見つけたアイテムだ。
ここにもまた、小柄ライダー必見の逸品があったのである。
それがレディーススポーツグローブ(品番FRTG-81、価格7,480円)。
繰り返しになるが、筆者は手が極端に小さく、ライディンググローブの選択肢がほとんどない。具体的にいうと、中指の長さが7cm程度しかない。(この記事を読んでいる方は、ぜひご自身の中指の長さを測って、中指7cmがどれぐらい小さいのかを実感していただきたい)
メンズサイズだとSでも関節ひとつ分は余るのがザラで、「いいな」と思ったレディースグローブに「WM」サイズを見つけて希望を抱いても、試着すると指先が余って諦めることが多い。同じような経験をした「手が小さい」小柄ライダーは、結構多いのではないかと思う。
そんな筆者の救世主になってくれたのが、デグナーのレディースグローブだ。
レディースモデルの種類そのものが豊富、かつサイズも「WM」「WL」2種類のメーカーが多いところ、デグナーのレディースグローブはS、M、Lの3種類が展開されていて、しかも作りが小さめだ。
筆者が愛用しているレディーススポーツグローブでは、中指の長さがS=7.2cm、M=7.4cm、L=7.6cmで、筆者にはMがちょうどいいサイズ。(ということで、もっと手が小さい人にも、まだSの設定があるよ!と大声で伝えたい)
ついでながら、デグナーでは公式サイトにグローブの細かい寸法が公開されているのだが、これはなかなかめずらしく、自分の手の実寸と比べながら選べるのも便利。
このグローブに出会うまでは、もしかしたら自分はオーダーメイドでなければぴったりサイズのライディンググローブを使うことはできないのではと思っていたので、たいへん喜んでいる。デグナーではこのモデル以外もレディースグローブは小さめの作りになっているので、手が小さい悩みのあるライダーは一度チェックすることをお勧めしたい。
さて、デグナーと言えば、もう1点お薦めしたい。
「カップ付きデニムパンツ レディース」(品番FRP-41V 価格23,100円 ※ほかにメンズモデルの設定もある)だ。
近年の夏は猛暑が続いているうえ、最新車種、特にスーパースポーツモデルではエンジンからの排熱が半端なく、真夏にツーリングをしているだけで脚を低温火傷してしまったという話をちらほら聞く。
このパンツは、脚部内側が革製のヒートガードで覆われていて、エンジンの排熱から脚を守ってくれる。デニム生地もしっかり厚みがあるタイプなので、一見すると「かえって暑いのでは?」と感じる人もいるようだが、内側がメッシュ生地になっているので、冷感タイプのインナータイツと組み合わせてはくと滑りもよく、本当に気にならないレベルになるまでエンジンの熱をブロックしてくれるのだ。
ヒートガード付きのデニムパンツは、デグナーでは結構ロングセラーのアイテムなのだが、この春にリニューアルしていて、ひざ裏がジャージ切り替えになり、前傾ポジションで膝の曲がりがきついバイクでも楽にはけるようになった。さらに、ヒートガードの長さが見直され、足首部分はデニムに。ブーツインしやすくなった。改善は、実際に製品を愛用しているユーザーからのリクエストに応えた内容だそうだ。
まさに前傾がきついYZF-R1に乗っている筆者にとっては、上体を倒しても背中が出ないはき込みの深さも好印象だった。
特別に小柄ライダー向き、というわけではないが、ひざ裏ジャージ化で旧モデルより足さばきがよく、動きやすくもなっているため、車体に跨ったときの自由度が高いとい点では小柄な人にもお薦めしたいウエアである。
いかがだっただろうか。
今回ご紹介したのは、小柄ライダーのひとりである筆者が実際に使ったり試着したりして「これはいいな」と体感できたアイテムのみ。
たとえ体格に恵まれていなくても、バイクに乗りたい気持ちは誰もが抱くもの。
なんらかの対策を行うことで、小柄なライダーがもっと楽しく、安全にバイクに乗れるのなら、それにこしたことはないだろう。
男性読者の方々も、体の小柄さが理由でバイクに乗ることを楽しみきれず悩んでいる女性ライダーが身近にいたら、これらの情報をぜひ教えてあげていただきたい。
レポート&撮影●増田恵子
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