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【F1メカ解説】復活に向けた第一歩だった? ルクレール、今季からステアリングのディスプレイ表示を一新

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【F1メカ解説】復活に向けた第一歩だった? ルクレール、今季からステアリングのディスプレイ表示を一新

 先日行なわれたF1イギリスGPを制したのは、フェラーリのシャルル・ルクレールだった。彼にとっては、まさに安堵の1勝。実に2年ぶりの勝利は、彼にとってあまりにも大きな意味を持つ。

 今年はF1にとって、まさに技術革新の年。新しいレギュレーションに適応することは、ドライバーにとって決して簡単なモノではなかった。シーズンはまもなく折り返しを迎えようとしているが、まだまだ未知数の部分も多い。先日のイギリスGPの予選では、メルセデスの2台がフィニッシュライン直前でスロットルを緩めることで、電気エネルギーを最大限使い切ろうとするなど、パフォーマンスを上げるための抜け穴もまだ多数存在している可能性がある。

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 そんな中ルクレールは、ステアリングホイールのソフトウェアを刷新した。これはあまり注目されてはいないものの、彼にとっては大きな革新であった。なぜなら彼は、フェラーリに加入して以降ずっと、同じ設定を維持していたからだ。

 ルクレールのステアリングホイールのディスプレイのレイアウトは、前任者のセバスチャン・ベッテルやキミ・ライコネンらと大きく異なっていた。例えばベッテルは、1画面に多数の情報を詰め込むレイアウトを好んでいた。しかし一方でルクレールは、できるだけ表示を大きくして、直接的なデータだけを表示することを選んだ。

 フェラーリはドライバーの好みに合わせることを重視している。昨年からフェラーリに加入したルイス・ハミルトンは、メルセデスに在籍していた時と似たレイアウトにすることを強く求め、ステアリングホイール自体の変更も求めた。

 ルクレールが今季ディスプレイのレイアウトを変更したのは、新レギュレーションへの対応の一環と言えるかもしれない。しかし必ずしもそうとは限らない。なぜなら他のチームのほとんどは、昨年までと同様のレイアウトを維持しているからだ。

 ハミルトンもその例に漏れず、昨年使っていたのとほぼ同じディスプレイのレイアウトを使い続けている。MGU-Kのリアルタイム制御といったいくつかの要素を追加しただけだ。しかしルクレールは、ソフトウェアを完全に刷新した。

■ルクレールのステアリング変更

 最大の変更点は情報のレイアウトだ。昨年までは明瞭かつ視認性を重視したレイアウトとなっていたが、今年は完全に再編成。速度、エンジン回転数、周回数(走破周と残りの周回数)、ブレーキバランスなどの多くのパラメータが、左側の小さなボックス内に移された。

 この配置変更により、画面中央部分にタイヤ温度(基準値との比較)とブレーキ温度を表示するスペースが確保された。これらの情報は、昨シーズンまでは別ページに設定されており、ボタンを押してアクセスするしかなかった。また現在のギヤとエンジンモードも目立つように表示されている。これは、ステアリングホイール中央に設置されたロータリースイッチで調整することが可能だ。

■MGU-Kの作動をどう把握する?

 そして2026年には、さらにふたつの興味深い機能が追加された。

 フェラーリは画面右側に、縦型のサイドバーを導入した。これはMGU-Kの動作状況をドライバーに明覚に示す。バーが上方に伸びている時はMGU-Kが作動しており、システムに電気エネルギーが供給されている。一方でバーが下方に動き、赤く表示された時には、MGU-Kが回生モードに入っていることになる。これはブレーキング時はもちろん、スーパークリッピングの時も含まれる。

 ドライバーにブーストの使用可能時間を示すシステムも変更された。ブーストはほんの数秒使うだけで大量のエネルギーを消費するため、ドライバーがブーストの使用状況を把握しやすいように、5つの小さな赤いドットが表示されるようになった。

■レーススタート時の、ターボインジケーター

 イギリスGPの勝利には、スタート大成功が大きな役割を果たしたと言っても過言ではないだろう。フェラーリは技術的な選択と電子制御システムの最適化により、開幕以来スタートダッシュが最も印象的な1台になっている。実際スタートで大きく順位を上げるシーンが、今シーズンは何度か目立った。

 昨年までのPUには、熱エネルギー回生システム(MGU-H)が搭載されており、それによってターボを強制的に回すことができた。しかも今季からはそれが排除され、しかもMGU-Kは50km/h以下では作動しない。そのため特にスタートは、今シーズンは各チームを悩ませる要素となった。そしてスタート前には、ターボの回転を上げるための時間”プレスタート”が設けられることになった。

 ではドライバーたちは、ターボの回転数をどのように把握しているのだろうか?

 これについては、各チームがそれぞれ独自の方法を採用している。フェラーリは100%までのパーセンテージ表示と、3色のインジケーターを表示する形とした。この3色は赤、白、緑となっていて、緑になるとターボの準備が完了したことを示す。

 これはシンプルではあるが、ドライバーがスタート前に、システムが適切な回転領域にあるかどうかを常に把握することができるという点で、非常に重要な機能である。特に今年は、この重要度がかなり高まっている。

文:motorsport.com 日本版 Gianluca DAlessandro
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