スバルは、公式HP上で「掲載モデルの新規注文受付は終了いたしました」と、全9車種の現行モデルを一斉に受注終了。
レヴォーグなど新型モデルの登場を控えている車種もあるが、それ以外のモデルは今後どのような動きになっていくのか? 最新情報を遠藤徹氏がレポートする。
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文:遠藤徹/写真:SUBARU
【画像ギャラリー】本文未掲載! スバルが一時受注終了する全9車種の写真をまとめてチェック!!
■スバルに一体何が!? 主要モデルの受注を一斉に終了
写真のインプレッサスポーツをはじめ、受注終了は9車種にもおよぶ
スバルはこのほど主要モデルを一斉に受注を終了した。
登録車はWRX S4を除くインプレッサスポーツをはじめインプレッサG4、XV、フォレスター、レガシイアウトバック、レガシイB4、レヴォーグ、BRZ、ジャスティの全9車種である。
これは8~9月にフルモデルチェンジ、マイナーチェンジ、一部改良、モデル廃止などで商品ラインアップを再編するためである。
フルモデルチェンジするのはレヴォーグ、マイナーチェンジはジャスティ、一部改良はインプレッサスポーツ、インプレッサG4、XV、フォレスター、レガシイアウトバック、生産中止はレガシイB4、BRZとなっている。
このうちアウトバックは、すでに改良モデルの受注をスタートさせている。従来モデルはほとんどが在庫を売りつくしている状況であり、8月下旬まではアウトバック、ジャスティ以外は販売できるモデルが殆どない状況が続きそうだ。
■レヴォーグは新型登場で現行型の受注がストップ
新型レヴォーグは2019年東京モーターショーに参考出品されたプロトタイプの市販バージョンとなる
レヴォーグは、2019年秋開催の第46回東京モーターショーに参考出品したプロトタイプの市販バージョンとなる。大幅なクオリティアップ、走りのポテンシャルアップ、安全対策強化が図られる。
パワーユニットは従来モデルの1.6&2L両ターボエンジンから、新開発の1.8Lターボに1本化して搭載する。8月20日に価格を決めて事前の受注をスタートさせる。
新設定の1.8Lターボエンジンは、1.6Lターボの進化バージョンで高トルク&低燃費の両立が売り。2Lターボは一旦廃止するが、将来的には2.4~2.5Lターボとして搭載モデルを投入する可能性がある。
コストアップ、上級シフトによって車両本体価格は従来モデルに比べて20万円程度の引き上げになりそうだ。
■インプレッサ&XVは年次改良、フォレスターはグレード再編
インプシリーズとXVは年次改良や燃費モードの変更といった小規模な刷新となる
インプレッサシリーズとXVは9月17日の発表・発売予定。内容は年次改良、燃費のモード変更など。インプレッサスポーツはXVと同じ2Lのモーターアシストエンジンである「eボクサー」を搭載した「STIスポーツ」を追加設定する。
G4はほとんど変更せずe-BOXERエンジン搭載車も設定しない。売れ行き不振で設定する意味がないとの方針によるものと思われる。将来的にはモデル廃止の可能性もある。
燃費モードは3モデルとも従来のJC08からより実用燃費に近い「WLTC」に切り替える。受注開始は発表、発売日と同じになる見通し。
フォレスターはグレードの再編と燃費基準の変更。パワーユニットは従来の2.5L・NAに代えて新型レヴォーグと同じ1.8Lターボ搭載車を設定する。2L「e-BOXER」搭載車は従来と変更なく、継続する。燃費基準はJC08モードからWLTCに切り替える。発表・発売は10月22日を予定している。
1.8Lターボ車両本体価格は、2.5L・NAに比べて10万円程度の引き上げになることが予想される。
■BRZは一旦生産終了に……燃費への対応次第で復活の可能性も
レガシィアウトバックはボディーカラーの整理と燃費基準のWLTGモードへの切り替えとなる模様だ
レガシイアウトバックは、ボディカラーの統合と燃費基準のWLTCモードへの切り替え。
ボディカラーは、あまり売れ行きのよくないワイルドネスグリーン・メタリック、タングスラン・メタリック、クールグレーカーキの3色が廃止となる。
ダークブルー・パール、アイスシルバー・メタリック、マグネスタイトグレー・メタリック、クリムソンレッド・パール、クリスタルホワイト・パール、ストームグレー・メタリック、クリスタルブラック・シリカの7色は継続となる。
レガシイB4は廃止になるため、今後はアウトバックのみとなる。セダン市場が極端に小さくなり売れ行き不振となっているため。生産の立ち上がりは10月2日を予定している。
海外ではフルモデルチェンジした次期型が発売になっているが、日本仕様は1年後の2021年秋あたりに発売する見込み。次期型も引き続きアウトバックのみのラインアップで世代交代するものと思われる。
一旦生産中止となるBRZ。トヨタにOEM供給されている「86」は継続されるので復活の余地がないわけではない
BRZは一旦生産中止になる。ただトヨタにOEM供給されている「トヨタ86」はマイナーチェンジし継続される。燃費の総量規制に対応できないためと思われる。
トヨタ86は燃費の良い他のハイブリッド車などでカバーできるので継続が可能となっているようだ。
ただ、次期型で対応が可能となればBRZも復活の余地が残されているといわれる。2021年秋開催予定の第47回東京モーターショーで明らかにされるかもしれない。
■スバル営業担当「今回の商品ラインナップ再編はかなり大がかりに」
ダイハツ・トールのOEM車であるジャスティは、トールの改良に少し遅れて登場すると思われる
ジャスティはトヨタのルーミー/タンク、ダイハツ・トールの姉妹車で、ダイハツが生産し、トヨタとスバルにOEM供給している。
ルーミー/タンクはマイナーチェンジし「ルーミー」に1本化、トールも同様に改良する。これらの発表、発売は9月15日を予定しているが、ジャスティは多少遅れて9月下旬と伝えられている。
ジャスティはフロントマスクを変更し、よりスポーティな顔立ちになる。パーキングブレーキは従来の足踏みペダル式から、シフトレバーに組み込んだ「電子制御パーキングブレーキ」となる。この他安全対策の「スマートアシスト」も最新の進化デバイスを採用する。このため車両本体価格は10万円程度値上げされる。
* * *
【証言:首都圏スバル店営業担当者】
スバルは毎年この時期に年次改良を行い、商品ラインアップの再編を行っている。今回はフルモデルチェンジ、マイナーチェンジ、一部改良、燃費のモード切り替えなどと重なっているので、かなり大がかりになっている。
技術的にも新開発の1.8Lターボの搭載、モーターアシストのe-BOXER搭載車の拡大、安全対策パッケージである「アイサイト」の進化バージョンの採用など売りは多い。
コストアップはかなり大幅になるが、低金利の残価設定クレジットの設定でカバーするようにしたい。
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