レストモッド
なぜこの3台の新品パーツやアップグレードされたコンポーネントを与えられたクラシックモデルを選んだのか、もっともらしい説明したいところだが、本当の理由は単にそのコンセプトに興味をそそられたからであり、この3台に関する素晴らしい評価を聞いたからだった。
クラシックモデル好きにとって、この3台は最新のスーパーカーにはない魅力備えた新しいタイプのパフォーマンスモデルだと言えるだろう。
そのパフォーマンスは実際に使いこなすことの出来るレベルに留まるが、注ぎ込まれたクラフトマンシップと魅力はまさに至高の3台であり、少なくともわたしの理想とするモデルたちだ。
だからこそ、南ウェールズにあるスランドウ・サーキットへとこの3台を連れ出すことにしたのであり、サーキット走行を思う存分楽しんだ明日には、公道での実力を試してみるつもりだが、その間には退屈な一般道での移動もこなさなければならない。
今回集まった3台はそれぞれが異なる成り立ちを持っている。
もっともコンパクトなのが、アルファホリックスの手によって生み出され、GTA-Rと名付けられた1台だ。GTAを模したこのアルファは、105/115シリーズのクーペがベースであり、もともとのこの個体は1967年モデルの1300 GTジュニアだった。
アルファホリックスでは単なるレストアにも対応しているが、フルスペックのGTA-Rを手に入れるために必要な価格は、30万ポンド(4210万円)にも達する。
至高の3台
この個体はまさにそうした1台であり、シーム溶接を行ったモノコックボディに12ポイントのロールケージを組み合わせ、サスペンションにはチタニウム製パーツが奢られるとともに、アルファホリックス製パーツを組み込んだギアボックスが搭載されている。
アルファ75のツインカム・ツインスパーク4気筒エンジンはボア、ストロークともに拡大することで排気量を2.3Lまで引き上げ、軽量ピストンによって243psのパワーを発揮している。車重はわずか830kgだ。
このアルファとともに集まったのが、タットヒルが創り出したポルシェ911だ。彼らは古い911をベースに、ラリーマシンやレーシングカー、さらには氷上ドライブ用マシンを創り出しているが、この氷上ドライブは自動車の楽しみとしては最上のものだと言われている。
今回の個体はオーナーの好みに合わせてカスタマイズが施された1973年モデルの911であり、2.4Lエンジンを積むEシリーズのこの車両にはワイドボディが組み合わされている。
サーキット向けというよりは、より公道にフォーカスした1台だが、素晴らしいマシンであることに変わりはない。エンジンそのものはオリジナルの2.4Lのままだが、高い実用性とパフォーマンスを兼ね備えた1台だ。
そして、最後の1台がジェンセン・インターセプターであり、ジェンセン・インターナショナル・オートモーティブ(JIA)が手掛けたこの1台では、564psを発揮するシボレーLSA 6.2L V8エンジンを搭載するというかつてない手法が採用されている。
インターセプターR スーパーチャージド
JIAではインターセプターのボディシェルに手を入れたうえで、ジャガーの独立懸架式リアサスペンションとともに、この強力なエンジンを搭載しているのであり、決して控え目なモディファイとは言えないだろう。
ジェンセンもサーキット向きではないが、いずれ公道へと向かうことになるのだから問題ではない。それでも、写真とビデオ撮影のために走り回ったスランドウ周辺で、このクルマがその真の実力を見せるチャンスはなかった。
リア駆動のインターセプターR スーパーチャージドは直線では凄まじい速さを見せるが、今回の個体が積んでいたのは6速オートマティックギアボックスだった。マニュアルも選択することができるだ、インターセプターのキャラクターにはオートマティックの方がお似合いだろう。
ソフトなサスペンションを備えた快適な1台であり、アルファのほどの補強を受けていないボディはより「クラシック」なフィールを感じさせる。
さらに、スローなステアリングも優雅さを感じさせ、こちらもソフトなブレーキペダルのフィールからは、このクルマが今回集められたのはあくまでアドバイザーとしてだと思うかも知れないが、こうしたキャラクターも決して悪くはない。
よりサーキットで楽しませてくれるのがタットヒルの手掛けた911だ。それでも、2.0Lエンジンを積んだ「カップ仕様」のレーシングモデルの方が、よりドライバーとの繋がりを感じさせるのではないかと思うかも知れない。
ポルシェ911
たしかにワイドなリアトレッドとオーバーサイズのタイヤのせいでアンダーステアに陥りがちだが、この2.4 Eのステアリングは見事なフィールを感じさせるとともに、バランスも素晴らしい。
力強いエンジンと操作性に優れたギアシフトともに、ブッシュや重量バランスにタットヒルがどんな手を加えたのかは知る由もないが、このクルマのボディは驚くべきソリッドさを感じさせる。
より細いタイヤとサーキット向けのサスペンションセッティングであれば、もっと公道で楽しめるモデルになったに違いないが、タットヒルではオーナーの求めに応じた1台を創り出してくれる。
この日のサーキット走行が終わったあと、高速道路とタイトな一般道で911を走らせてみたが、このクルマのことが心底気に入ったのであり、最後にはこのクルマほどクールなモデルは存在しないとまで思えたほどだった。
ここから先はソーンダースとディスデールのふたりの出番だが、GTA-Rがサーキットで素晴らしい楽しみを味わわせてくれたことだけはお伝えしておこう。
比較的細身と言える195サイズのタイヤを履いているものの、それでも素晴らしいグリップを発揮する。見事な手ごたえを感じさせるステアリングも素晴らしく、7500rpmまで回るエンジンは、他の公道走行可能な4気筒と比べても力強く素晴らしいサウンドを奏でる。
ストロークの長い5速マニュアルギアボックスは、これほどのストロークを持つものとしてはもっとも正確な操作が可能であり、ブレーキペダルも素晴らしい踏み応えを返す。すべてノンアシストだ。
アルファGTA-R
それでも、このクルマの真骨頂はそのハンドリングにある。GTA-Rのステアリングを握る前、アルファホリックスのスタッフがこのクルマのことをフェラーリ430スクーデリアよりも運転しがいのある1台だと話していたが、「確かにそうかも知れないね」と言って適当に相槌を打っておいた。
だが、このクルマのあまりにも素晴らしいバランスを考えれば、確かに彼の言うことは正しい。
ややアンダーステアを感じながらブレーキを残したままか、早めにステアリングを切ってコーナーへと進入すると、アクセルを踏み込んでパワーオンへと移行する。するとGTA-Rはややリア優勢のまま4本のタイヤが滑り出す状況を完ぺきにドライバーへと伝えて来るのであり、どんなコーナリング姿勢も自由自在だ。
これまで運転したことのあるなかで、このクルマは少なくともサーキットであればもっとも楽しめる10台に入るかも知れない。
では公道では?
あとはソーンダースとディスデールに任せよう。
マット・プライアー
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