「エンデューロバイク」って何? そもそも公道で乗れるってどういう意味?
英国の老舗バイクブランド「トライアンフ」が、まったくの新規開発でエンデューロバイクをリリースしました。そもそもエンデューロバイクとは、エンデューロ競技のために開発された純粋なレーサーです。レース中に一部公道を移動路として使うことがあるため、法的に公道を走ることができるのですが、一般的なバイクのようなツーリング向けではありません。あくまでもスペシャルテストという定められた区間で、コンマ01秒を競うための純粋なレーサーです。
【画像】えっ!? あのトライアンフがエンデューロバイクを? 2台の「TF-E」を見る
しかし、この公道を走ることが出来るという利点を活かして、世界的にレースユースだけでなく一般のオフロード向けにも年々ユーザーが拡がっています。
1日数百キロを走るツーリングには向いていませんが、トランスポーターに積んで特定のトレイルを走ったり、自走で近くにある有料コースのトレイルを楽しみにいくような用途にはもってこいです。
トライアンフの新型「TF 250-E」および「TF 450-E」はピストンの耐久性が90時間(モトクロッサーは40時間)で、他のコンポーネントも300時間の実走耐久テストをクリアしています。
エンデューロマシンとなると足つき性は厳しめですが、オプションで20mm低いローシートも用意されているのは嬉しい配慮です。
エンデューロバイクのエンジンが2ストロークから4ストローク化されはじめた2000年代から比べれば、とても乗りやすく耐久性も格段に向上しています。
当時は耐久性や、レーサーならではのパワーや鋭いレスポンスによる気難しさ、タイヤの滑りやすさなどから、ナンバーをつけられるものの公道で乗るにはもったいないし、危険と言われていましたが、2025年の今では、そこまで過激な乗りものではなくなっています。
ただし、やはり本来の設計目的からは外れてしまうことを十分に理解して乗るべきでしょう。
「これ250cc!?」常識を覆すパワフルさと扱いやすさの奇跡的バランス
さて、いよいよ試乗です。まずは「TF 250-E」から。
近年の250ccクラスの4ストロークエンデューロバイクは、環境規制への対応などから、やや穏やかで扱いやすさに重きを置いたキャラクターのマシンが多い印象ですが、この「TF 250-E」は明確な「前に進もうとする意志」を感じさせる、パンチのあるエンジンフィールが特徴でした。
しかし、決して過敏なわけではありません。マディな路面で慎重にスロットルを開け、そこからさらに少しスロットルを開け足すと、力強いトルクが即座に、リニアに立ち上がってくる。滑るか滑らないかの閾値を非常に掴みやすく、意図してスロットルを多めに開ければリアタイヤを自在に横にコントロールできる懐の深さも持ち併せています。
このフラットなトルク特性は低回転域から高回転域まで持続するため、タイトなシングルトレイルでもひとつのギアでカバーできる速度域が非常に広いのも特徴です。
特に多用する2速、3速の守備範囲の広さは特筆もので、シフト操作の頻度が減り、ライディングに集中できるメリットは計り知れません。
エンデューロバイクの場合、あまりスペックは重視されない方向にありますが、公称は最大トルク27.8Nm、最高出力42.3PS、レブリミットは12800rpmです。なお、こちらはクローズドコース向けに公道装備を外した時の数値です。クラス最高のスペックと銘打たれていますが、たしかに4スト250のエンデュランサーとしては、出色の出力特性と感じました。
450ccのイメージが変わる! 驚くほどフレンドリー
続いて「TF 450-E」にスイッチ。250ccの好印象そのままに、450ccならではの大トルクが加わりますが、そのフレンドリーさにびっくりしました。
450ccのエンデューロと言えば、有り余るパワーゆえに乗り手を選び、テクニカルなセクションでは高いスキルと集中力を要求するもの。全日本エンデューロ選手権のトップクラスにおいても450ccは日本のフィールドにはトゥーマッチだと言われているほどです。
しかし「TF 450-E」のトルクの出方は決して唐突ではなく、SOHCエンジンならではの一瞬の「タメ」を感じさせつつ、非常にスムーズに立ち上がってくれます。最初の1台に選ぶには難しいかもしれませんが、ある程度自信があれば、450ccを選ぶのもオススメしたいところです。
特に印象的だったのは、エンスト耐性の高さ。試乗コースにはステアケース状のロックセクションや、タイトターンが連続するテクニカルな区間も含まれていましたが、「TF 450-E」は3速ホールドのまま、アイドリングに近い回転数で走っていても、エンジンがギクシャクすることなく粘ります。
半日かけたクローズドコースでの試乗中、意図的に低いギアで回転を落とし込んでも、不用意なスロットル操作をしてしまっても、エンジンがストールしたのは僅か2~3回程度でした。
こちらの公称スペックは58.6PS、49.3Nmです。レーサーならではの高スペックは魅力十分といったところ。
シャシー性能とハンドリング。トライアンフの真骨頂はオフロードでも健在!
「TF-E」シリーズの卓越したエンジンフィールを支えるのが、エンデューロ専用設計のシャシーです。軽量なアルミニウム製フレームは、MX(モトクロス)モデルと基本構造を共有しつつも、エンデューロに特化した改良が施されており、過度な硬さがなく、むしろ適度なしなやかさが感じられます。これが、荒れた路面でのギャップ吸収性や、コーナリング中の路面追従性の高さに貢献しています。
前後サスペンションは信頼のKYB製。手で押してみるとかなり柔らかめに感じたのですが、実際に乗ってみるとしっかりプログレッシブ性があって、入り過ぎること無く適切な前後姿勢を維持してくれます。初期の入力が柔らかいので、ガレたセクションでもライダーの疲労を軽減してくれるでしょう。
現代のマシンらしく電子制御も充実していますが、一般的な公道向けモデルとは違ってあくまでその目的はレースを速く走るため。アテナ製のエンジンマネージメントシステム(EMS)が、ローンチコントロール(スタート制御)、クイックシフター(2速から6速へのシフトアップ時に機能)、トラクションコントロールを司っています。
また、プリセットされたパワーモードとマイルドモードにエンジン特性を切り替え可能です。トラクションコントロールは、レスポンスの角がとれるようなフィーリング。タイヤの空転を検知して点火を制御しますが、スロットルを開ければしっかりタイヤがブレイクしてリアタイヤを振り出すことができる、非常に自然なフィーリングです。
クイックシフターも、パワーシフト(クラッチをつかわず、回転をあわせてシフトレバーを操作する方法)が入りやすくなる程度のものです。
オフロードライフの新たな扉を開く1台
トライアンフが本気でエンデューロ市場に参入してきた――その言葉に偽りなし。「TF 250-E」も「TF 450-E」も、それぞれの排気量クラスにおいて、新たなベンチマークとなり得るポテンシャルを秘めています。
驚くべきは、これが初年度モデルであるということ。開発にはジョニー・ウォーカーやイヴァン・セルバンテスといったトップライダーが深く関わり、過酷なテストを経て世に送り出されたという事実は、その完成度の高さを裏付けています。
「TF 250-E」は、従来の250ccクラスの4ストロークエンデューロのイメージを覆し、本格的なレースでも十分に戦えるポテンシャルを秘めながら、懐の深い扱いやすさも兼ね備えています。
一方の「TF 450-E」は、450ccクラスの圧倒的なパワーを持ちながら驚くほどフレンドリー。テクニカルなセクションからハイスピードなフラットダートまで、ライダーを力強く、そして優しくサポートしてくれます。
気になる価格(消費税10%込み)は「TF 250-E」が115万6000円、「TF 450-E」が129万6000円。この性能と装備、そしてトライアンフというブランドバリューを考えれば、十分に競争力のある価格設定と言えるでしょう。
オフロードバイクへの新規参入を考えている方、あるいは既存のエンデューロバイクからの乗り換えを検討している方、いずれにとっても、このトライアンフ「TF-E」シリーズは自信を持ってお勧めできる1台です。
トライアンフというブランドがオフロードの世界でどのような歴史を刻んでいくのか、その第一歩となる「TF-E」シリーズから目が離せません。
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