意外と敷居が低かった? まるで映画のような「クラシック・キャンピングトレーラー」が今人気を集める理由とは
2021/12/08 16:41 Auto Messe Web 3
2021/12/08 16:41 Auto Messe Web 3
キャンピングカーの老舗「ハイマー」社の名作「エリバ」が人気
1台ですべてをこなせる「キャンピングカー」もいいけれど、普段の愛車に「ヒッチメンバー」だけ取り付けておけば、キャンプのときだけ牽引して快適スペースを手に入れられる「キャンピングトレーラー」も魅力的な選択肢のひとつだろう。
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日本ではトレーラー重量が750kg以下なら牽引免許は不要で、普通免許と保管場所があればOK。自動車税もこのサイズなら毎年1万円程度で、2年に1度の車検に必要な法定費用も2万円程度と、維持費用もお手ごろな範囲内といえる。
小型キャンピングトレーラーは現在も多彩なモデルが販売されているのだが、じつは1960~80年代の古いキャンピングトレーラーが今も買えて、日本でも愛用している人が多かったりする。同じような時代のクラシックカーだけでなく、1990年代や2000年代の「チョイ古」なクルマでも雰囲気がマッチするのも面白い。
そんな「クラシック・キャンピングトレーラー」の世界をご紹介しよう。
ロングキャンプが当たり前の欧州で愛されるロングセラー
キャンピングトレーラーは1930年代から欧米で普及し始めて長い歴史があり、欧州では「キャラバン」と呼ぶのが一般的だ。
ドイツのキャンピングカー・メーカー「ハイマー」社は創業が1930年の老舗。同社の小型キャンピングトレーラー「エリバ(Eriba)」は1957年に第1号車が誕生して以来、現在にいたるまでシリーズが続いているロングセラーで、欧米のキャンプ場に行くと見かける確率が高い。ちなみに「エリバ」という名前は、創業者アルフォン・ハイマー氏と一緒にこれを開発した共同経営者、エーリッヒ・バッヘム氏の愛称に由来している。
わが国でも、クラシック・フォルクスワーゲンやアメ車のオーナーたちを中心に昔からエリバの愛好者は多い。小型・軽量ゆえ非力なクラシックカーでも難なく牽引できるし、なにより、古いクルマと古いキャンピングトレーラーでキャンプ場に行けば、格別な雰囲気でキャンプを楽しめるというわけだ。
近年では初代「フィアット・パンダ」でエリバを牽引している例もあるし、冒頭の写真のように初代「ルノー・カングー」で引いている事例も。年代こそ違えど、欧州車と欧州キャンピングトレーラーの愛称は抜群であることがわかるだろう。
重量400kg程度でひとりで取りまわせるコンパクトさ
千葉県のクラシックVW専門店「ストローラーズ(Strollers)」は、そんな「エリバ」をはじめとした小型キャンピングトレーラー(キャラバン)をヨーロッパから輸入販売している。
11月に千葉市で開催されたVWイベントの会場にストローラーズが持ちこみ展示していた、1978年式の「ハイマー・エリバ・パック」をサンプルに、その詳細を見ていこう。エリバシリーズの中で一番小さいモデルが「パック(Puck)」だ。
これはドイツで製造されたフランス向け仕様で、サイズは全長3950mm×全幅1630mm×全高195mm。コンパクトなうえに車両重量がわずか370kgしかないので、牽引免許不要は言うに及ばず、ひとりで余裕で取りまわすことが可能だ。このあたりは、アメリカのキャンピングトレーラーと違って、日本と同様に狭い住居も多いヨーロッパならではの特徴だ。
そして「エリバ・パック」を不朽のベストセラーたらしめたのが秀逸なデザインだ。とくにフロント部のボートのようなV型の形状は、当時としては先進的な空力思想を反映したものともいわれる。ハイマー社が現在販売している子孫「エリバ・ツーリング」にも、この要素は継承されているほど。
天井からピョコンと飛び出す「ポップアップルーフ」はインテリアでの頭上高と採光、さらに換気にまで役立つ装備であるが、ルックス的なかわいらしさも十分だ。
「必要最小限」を快適に提供するのがヨーロッパ流
エリバ・パックの室内寸法は全長2880mm×全幅1540mm×全高1480mmで、キッチン前の「ポップアップルーフ」部分の全高は1850mmあるのでしゃがむ必要はない。キッチンにはシンクとガスコンロ×2が備わり、その上下に収納スペース。さらにキッチンの奥には大きめのクローゼットと、足元にガスヒーターがある。
キャンピングトレーラーとしての設備は必要最小限ながら、家のように「あれもこれも」と機能を満載して重厚長大になっていったアメリカのそれと、キャンプはキャンプと割り切ってシンプル志向のヨーロッパとの、アウトドアシーンへの考え方の違いが表れている。
エリバ・パックの室内リヤ側は5~6人が座れるソファがあり、ベッドにアレンジすれば2~3人が寝られるスペースを確保できる。ここも、あまり多くの機能を詰めこもうとしていないおかげで、サイズのわりに狭さを感じることなくリラックスできる空間だ。大柄なドイツ人が作った小型キャンピングトレーラーだから、ほとんどの日本人なら快適だろう。
この1970年代のエリバ・パックは程度にもよるが、本体価格150万~250万円台が目安。同クラスの小型キャンピングトレーラーを新車で購入すると一番安いのがこの価格帯なので、新品のピカピカ感ではなくてクラシックな雰囲気を求めたいと思う人なら、現実的な選択肢となるだろう。
じつは多彩な欧州キャンピングトレーラーの世界
もちろん「エリバ・パック」のほかにも欧州クラシック・キャンピングトレーラーは沢山の種類がある。いくつかバリエーションをお見せしよう。
まずは、エリバと同じハイマー社の「エリベッテ(Eribette)」。エリバから派生してより広い室内空間を確保したモデルだが、重量はエリバと同等に抑えられている。
こちらは珍しい折り畳み式で「パラディソ(Paradiso)」という名前。ご覧のとおり普段は平べったいカタチで……。
ルーフを持ち上げると四方に幕を張ったテントになるという仕掛け。今や世界的にもレアな物件だ。
フランスの「ラピード(Rapido)」というキャンピングメーカーの折りたたみキャラバン「ラピード・コンフォート」は、居住空間の広さが売り。サイドテントを設営すれば4人以上の就寝も可能だ。
最後に、キャンピングトレーラーではないけれど、アウトドアシーンで活躍すること間違いない「カーゴトレーラー」も。ヨーロッパでは小さい自家用車でこの手のトレーラーを牽引して、買い物でも仕事でもアウトドアでも、なんでも活用しているため、現地を走っていると見かけない日はまずないほど。
カーゴトレーラーも種類はさまざまだが、クラシックなもので日本で一番よく見かけるのは、ドイツのキャンピングカーの老舗「ウェストファリア」社の「エッセン」だ。これもクラシックカーに限らず、いろんなクルマに似合いそうである。
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