話題のBYD、新たなフラッグシップSUVの真価に触れてみる
2023年11月、中国の広州モーターショーでワールドプレミアに供されたBYDのクーペSUV「シーライオン(SEALION)7」が、2025年4月15日に、日本国内でも正式リリースされました。「Hello, e-Life!:『eモビリティを、みんなのものに』をさらに加速!」というBYDの新スローガンを体現した電動クロスオーバーSUVは、日本の道路でいかなる走りを体感させてくれるのか? 試乗会においてドライブした2台のシーライオン7について、レポートをお届けします。
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日本におけるBYDのフラッグシップ!シーライオン7とは?
BYD乗用車の日本導入モデルとしては4モデル目、同社いうところの「海洋シリーズ」では3モデル目となるシーライオン7は、コンパクト・クロスーバー「ATTO 3」の上級モデルであり、アッパーミドル級サルーン「シール」のクロスオーバー版。シールとは「e-プラットフォーム3.0」を共有し、「CTB(セルtoボディ)」の車体構造など、そのほかの基本設計も共通するものが多いという。
いっぽうパワートレインは、改良型の「8-in-1モーター」を搭載。リア側の永久磁石同期モーターはシール用プラス20Nmに相当する380Nmの最大トルクを発生するとともに、最高出力230kW(312ps)マークする。さらにAWDモデルは、フロントにも最高出力160kW(217ps)、最大トルク310Nmのかご形三相誘導モーターを搭載し、前輪を駆動。総出力は530psに到達する。
その結果、0-100km/h発進加速タイムはRWDで6.7秒、AWDでは4.5秒という、高性能BEVらしい俊足を得ることになった。
また、BYDが身上とする「ブレードバッテリー」バッテリー容積は82.5kWhで、1回の満充電で走行できる最大距離はRWDで590km、AWDで540kmという、クラストップレベルの航続距離も達成しているとのことである。
サスペンションはフロントがダブルウィッシュボーン式で、リアもマルチリンク式の4輪独立。フロントブレーキはドリルドベンチレーテッドディスク、リアにもベンチレーテッドディスクが用意される。
堂々たるボディサイズ
シーライオン7のボディサイズは、ホイールベース2930mm、全長4830mm×全幅1925mm×全高1620mmという堂々たるもの。たとえば同じBEVでいえば日産「アリア」の全長4595mm×全幅1850mm×全高1665mmよりもかなり大きく、HEV/PHEVまで比較対象とするなら、トヨタ「クラウン・スポーツ」のホイールベース2770mm、全長4720mm×全幅1880mm×全高×1570mmさえも大幅に上回る。
したがって、母国である中国をはじめとする多くの市場で、比較的高級なクロスオーバーSUVとして販売されるせいか、あるいは日本市場におけるフルオプション志向をリサーチした結果なのか、あらゆる点で最新の設備が組み込まれている。
たとえば「インテリジェント・コックピット・システム」と銘打たれたディスプレイはデジタルメーターのほか「Apple CarPlay」と「Android Auto」に対応し、縦横に回転させることでシーンにあわせて情報を見やすく表示できる15.6インチの改良型インフォテインメントシステムを採用。
また「天神之眼(Gos’s Eye)」を謳う安全運転支援システムには、同一車線内走行支援「ナビゲーションパイロット」や死角をサポートする「ブラインドスポットインフォメーション」「自動緊急ブレーキシステム」など、最新スペックのものが標準装備されているとのことである。
日本市場における販売価格はRWDが495万円、AWDが572万円(ともに消費税込み)という、このクラスのSUVとしては戦略的な価格設定がなされていることも、注目に値する。
アルファ ロメオらしいクーペ的な意匠の理由とは
現時点では自動車メディアやライフスタイル系メディアよりも、経済誌などで見かける機会の多いBYD。でも同時に、今や世界でもっとも話題を集めている自動車ブランドの一つであることに疑う余地はあるまい。
そんなBYDが送り出した「シーライオン7」は、ひと目見た瞬間から、なかなかの存在感を披露していた。BYDデザインセンターの長としてデザインワークを指揮したヴォルフガング・エッガー氏については、近年では「元アウディ」と表記されることが多いが、アルファ ロメオ好きな筆者にとっては、「元アルファ ロメオ・チェントロスティーレ」のほうが耳になじみのある経歴。このシーライオン7でも、フロントフードからキャビンに抜けるクーペ的な意匠に「アルファっぽい」エモーショナルな流麗さが感じられ、あくまで個人的嗜好ながら、なかなか好ましいスタイリングと感じられた。
今回のテストドライブは、短時間にRWDとAWDの2台を乗り比べるというもの。まずはRWDのキャビンに腰を降ろすと、ナッパレザー張りのシートをはじめとするインテリアの質感が、前述の新型クラウンにも匹敵する高級感を有していることに気がつく。
とりあえず走らせるだけなら、BEVからICE搭載車に至るまで、昨今のクルマにあるていど乗り慣れたかたなら、とくにコックピットドリルの必要もなく運転できそうということで、早々に西湘バイパスへと走り出すことにした。
合流車線でスロットルを踏み込むと、車両重量2230kgというヘビー級ウェイトをほとんど感じさせない、気持ちの良い加速を披露する。そのかたわら、フロント3面のウインドウを防音・熱線吸収ガラス製としたとアピールされているとおり、窓を閉めれば外界の雑音は大幅にシャットダウン。EVでは気になるロードノイズも抑えられていることもあって、底意地の悪い予測を大きく覆す、快適で上質な空間が実現されていた。
そのかたわら、路面の荒れたところでは同じSUVでもスポーツ系モデルを思わせるようなごつごつとした当たりを感じるものの、すぐに収束するのはボディ剛性の高さとダンパーのセットアップが巧妙であることの証ともいえよう。
課題もあるけど、お値段以上のコストパフォーマンスは確定?
そのあとAWDに乗り換え、それまでのRWDの記憶を残したままスロットルを踏み込むと、後頭部でヘッドレストを逆頭突きさせられるように強烈な加速感に襲われる。たしかに速さという一点においてはAWDが明らかに優れていると認めざるをえまい。
ただ、身体に染みついてきた内燃機関自動車の二次曲線的加速感とはまったく異なる、無音・無振動のまま直線的に猛然と加速する走りに、自立神経を逆なでされてしまいそうな高性能BEVが好きになれない筆者にとっては、RWDのナチュラルで品の良い加速フィールが、ずっと好ましいものと感じられてしまう。
ともあれ、AWD版のトルクデリバリーの調律がいささか乱暴であることや、ゴツゴツ感がついて回る足さばき。あるいはレーンキープアシストが気まぐれで、しかも効くときには強力過ぎることなど、細かい点ではいくつか改善を期待したい項目もあるものの、今回のテストドライブのように、総走行距離にして数百kmていどの新車状態で乗るぶんには、申し分のないクロスオーバーSUVであることは間違いあるまい。
あとは長年の「愛車」として使用したのち、たとえばバッテリーや車体、内外装の経年劣化、そして何よりサービス体制の継続性など、一定の年月を経ないと分からない項目については、これから数年の時を経て明らかになることだろう。
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みんなのコメント
『中国EV産業のヤバい実態、BYDの巨額「隠れ債務」問題がいよいよ危ない?「第2の恒大」となれば経済は再起不能か』という記事がYAHOO!に載っていた。
中国製だとか燃えるとか、さまざまディスる人いますが
乗ってみたらわかりますよ。
まあ乗らないでごちゃごちゃ言う人は相手にしないが一番。
それはただの因縁なのか、恐怖なのか知りませんが人間が小さくて悲しくならないか?