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子どもや高齢者のいる家族の「重要項目」! ミニバン&プチバンの後席の乗降性は「シート位置」が肝心だった

掲載 更新 5
子どもや高齢者のいる家族の「重要項目」! ミニバン&プチバンの後席の乗降性は「シート位置」が肝心だった

 重要なのはシートの位置とフロアからの高さだった?

 子育て世代や、高齢者のいる家族のクルマ選びでは、後席の乗り降りのしやすさが選択の重要なポイントとなる。そこでパッと思いつくのは、リヤスライドドアを備えたミニバンやプチバン、スーパーハイト系軽自動車だろう。しかし、乗り降りのしやすさを追求していくと、スライドドアの開口部やステップの高さだけではないポイントが見えてくる。

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 じつは、クルマの後席の乗降は、ステップの低さ、段差、ドア開口部の広さ(とくに高さ)、アシストグリップの有無もさることながら、シートの位置が重要なポイントとなりうる。つまり、リヤドアから車内に乗り込む際、シートの位置が、リヤドアの開口部に対して後ろ寄りだと(意図的なパッケージング)、座ったときのニースペースは広々するものの、車内に乗ってからの足運びが多くなり、とくに子供を抱いた親や高齢者だと乗り降りしにくいと感じてしまいがちだ。

 よって、ボックス型ミニバン、プチバン、スーパーハイト系軽自動車などの、後席スライド機構付きのクルマの場合、乗り込む際はシートスライドを前寄りにしておくと、前席のシートバックやヘッドレストに手をかけた状態で、自然に腰を下ろしたところに後席、着座ポイントがあることになり、座りやすくなる(とくにN-BOX)。結果、両側スライドドアの乗降性の良さを最大限に引き出せるというわけだ。それで膝まわり空間が狭いと感じれば、座ってからシートを後方にスライドすればいい。

 また、後席の着座、立ち上がりのしやすさは、フロアに対するシートの高さ(=ヒール段差)も大きくかかわってくる。フロアに対してシートの位置が低いと、そもそも膝を立てた体育座り的な着座姿勢になり、太ももがシートに密着せず、お尻だけで体重を支えることになる(着座疲労の原因!?)。加えて、フロアに対するシート位置が低めだと、乗車時は腰を下ろす移動量が大きくなり、余計に腹筋を使う。降車時はもっと大変で、どこかにつかまらないと立ち上がれないのだ。ローソファから手で支えずに立ち上がるのが、元気ハツラツな人でも意外に難しいことと同じ理屈である。

 そこで、後席の乗り降りのしやすさで言えば、フロアに対してシートが高めにセットされているクルマがいい(運転席と違ってシートハイト調整ができないため)。それならダイニングチェアのような椅子感覚で(ちょっと大げさだが)、誰もがより自然な姿勢で乗り降りしやすくなるからだ。

 ズバリ乗降性にすぐれたクルマとは

 では、実際に各車の後席のフロアに対するシートの高さ(=ヒール段差)を見ていこう(すべて筆者の実測)。

 軽自動車人気No.1のジャンル、両側スライドドアを備えた、基本的にリヤドアの開口部とフロアに段差がなく、フラットに続く掃き出しフロアを持つスーパーハイト系軽自動車のフロアに対するシートの高さ(=ヒール段差)は、日産ルークス380mm、スズキ・スペーシア360mm、ホンダN-BOX 340mm、ダイハツ・タント330mmの順になる。ルークスの380mmは、高い天井高を生かし、かなり高めで、座りやすく、立ち上がりやすい位置にあるということだ。

※画像はN-BOX

 ちなみにスライドドア開口部の高さでは、スペーシア1250mm、N-BOX1240mm、ルークス1235mm、タント1200mmの順になる。同時に重要な、スライドドア部分のフロア地上高は、スペーシア345mm、ルークス360mm、N BOX360mm、タント360mmで、そう大きな違いはない。どれも足運びしやすい高さにフロアがある。

※画像はタント

 Mクラスボックス型ミニバンの2列目席のフロアに対するシートの高さ(=ヒール段差)は、トヨタ・ヴォクシー&ノア370mm、ホンダ・ステップワゴン360mm、日産セレナ340mm。この3台では、比較的ヴォクシー&ノアとステップワゴンが乗り降りしやすい(とくに立ち上がりやすい)と感じられるはずだ。

※画像はステップワゴン

 また、スライドドア開口部の高さは、日産セレナ1305mm、ヴォクシー&ノア1260mm、ステップワゴン1260mmと、セレナがリード(訳アリだが)。ステップ=フロアの地上高は、掃き出しフロアのヴォクシー&ノアが360~400mm(前後位置による)、ステップワゴン385mm。しかし、セレナは1段目のステップが390mm、フロアはそこから70mm高い450mmの位置にある2ステップフロアになる(スライドドアの高さがたっぷりあるのはそのため?)。

※画像はセレナ

 総合的には、やはりヴォクシー&ノアとステップワゴンに乗り降りのしやすさがありそうだ。

 では、プチバンと呼ばれる5ナンバーサイズのコンパクトハイトワゴンのスズキ・ソリオとトヨタ・ルーミー&ダイハツ・トールはどうだろう。後席のフロアに対するシートの高さは、ルーミーとトールが335mm、ソリオは355mmとなる。スライドドア開口部の高さはルーミーとトールが1190mm、ソリオが1220mm。ステップ=フロアの地上高はルーミーとトールが366mm、ソリオが365mmと大きく違わない。

※画像はソリオ

 とすれば、後席のフロアに対するシートの高さがポイントで、20mm高くセットされたソリオの座りやすさ、立ち上がりやすさに注目すべきだろう。

 これまで、スライドドア開口部やステップの高さが乗り降りのしやすさの指標のひとつとなってきたが、実際の乗車、降車では、後席のシートの位置、フロアからの高さもまた、とくに子供を抱いた親や高齢者の座りやすさ、立ち上がりやすさに直結するということだ。なお、シート自体のかけ心地については、リビングのソファ選び同様に好みがあるし、体重、身長によっても着座感が異なるため、ここではあえて省いている。

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みんなのコメント

5件
  • スライドドアと入口の取っ手な
  • 商用車か棺桶しかないじゃないかw

    健康的な家族のファミリーカーはいつの時代もセダン!フロアもシート座面も低くて乗降性がよくバランスがとれてるだろ!
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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