重要な新モデルがまもなくデビュー
ジャガー・ランドローバー(JLR)は、『レンジローバー・ヴェラール』の後継となる新型の電動SUVを間もなく発表する見込みだ。BMW iX3、メルセデス・ベンツGLC、ボルボEX60などに対抗するモデルで、内燃機関バージョンも後に続くことが確認されている。
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現在、開発の最終段階にあり、今後6か月以内にデビューすると見られている。2022年の『レンジローバー・スポーツ』以来となる完全新型モデルだ。
JLRは待望のフラッグシップモデルである『レンジローバー・エレクトリック』と『ジャガー・タイプ01』に注力しており、いずれも年末までに公開する予定だ。その後、レンジローバー・ヴェラールの後継や、新しいエントリーモデル『ディフェンダー・スポーツ』(仮称)など、より量販志向の電動モデルの導入に移行する。
これらのモデルは、新開発のEMAプラットフォームをベースとする。EMAは当初、EV専用として計画されていたが、その後、ハイブリッド・パワートレインにも対応することが確認された。
ハイブリッド・パワートレインに対応
JLRは先週、今後のジャガー車はすべてEVとなり、最上位のレンジローバーには内燃機関とEVが用意される一方、最初のEMA採用車については、「将来的にフルハイブリッドのパワートレインを提供することで柔軟性を確保する計画」であると述べた。
このハイブリッド・パワートレインは「JLRのパワートレインラインナップへの新たな追加」とされており、現在使用されている内燃機関とは異なるものであることが示唆されている。
レンジローバー・ヴェラールの後継モデルに続いて、「ディフェンダー・ファミリーからの新モデル」が登場する予定だ。これはディフェンダー・スポーツと見られており、こちらもハイブリッドおよびEVが用意される。
ジャガー・ランドローバーはこの動きについて、内燃機関ベースのパワートレインに対する世界的な需要が依然として存在することを認識したものであり、EMAをマルチフューエル・プラットフォームとして提供するという以前の計画に沿ったものだと述べた。
当初検討されていたように、小型モデルにレンジエクステンダーシステムを搭載するかどうかは、まだ不明である。
セダンのようなボディ形状へ変更
レンジローバー・ヴェラールの後継となる新型車は、JLRの元デザイン責任者ジェリー・マクガバン氏の指揮下でデザインされた最後のモデルの1つである。
欧州ではプロトタイプによるテスト走行が確認されており、従来の車高の高いツーボックス型のSUVシルエットから離れ、より滑らかで流線型のデザインを採用している。車高が低く、セダン(サルーン)のような雰囲気を醸し出し、サイドビューはポールスター4やDS No8に似ている。
ルーフラインはリアに向かって鋭く傾斜しており、リアにはセダン風の小さなデッキが突き出し、サイドに沿って伸びることでリアフェンダーに力強い印象を与えている。
テスト走行中のプロトタイプではリアデッキがカモフラージュされていたことから、ジャガー・タイプ01と同様に従来のリアウィンドウを廃止し、デジタルバックカメラを採用するものと推測される。この設計により、ガラスパネル用のヘッダーレールが不要になるため、後部座席のヘッドルームが確保される。
JLRは新型車のデザインについてまだコメントしていないが、この大胆なフォルムは他のモデルとの差別化に寄与するだろう。純粋な実用性やオフロード性能よりも、長距離走行における洗練性を重視した位置づけだ。
競争激しいセグメントでどう戦う?
欧州のこのセグメントでは、BMWのi3とiX3、メルセデス・ベンツのCクラスとGLC、アウディのA6とQ6 eトロンなど、多くのライバルが技術的に同一のセダンとSUVをラインナップしている。その中で、従来のボディタイプにとらわれないデザインは競争力向上につながる可能性がある。
ただし、ボディサイズは現行のレンジローバー・ヴェラールに近いものの、同じ名称を引き継ぐかどうかは現時点では未確定である。「ヴェラール」という名称は2018年から市販車に使用されているが、同社の戦略上、どのように位置づけられるのかはまだ定かではない。
この新型車はミドルサイズの電動SUV(EVおよびハイブリッド)であり、ディフェンダー・スポーツと並んで、中期的にJLRの主力製品となることが期待されている。
ライバルとなるBMW、メルセデス・ベンツ、ボルボは、それぞれ航続距離約800kmのロングレンジEVを展開し、300kWを大幅に上回る充電能力を備えている。一方、JLRはEMAプラットフォーム採用車の仕様をまだ公表していないが、急速充電に不可欠な800Vの高電圧システムが搭載される可能性が高い。
EMAはもともとEV専用に開発されていた経緯があるため、大容量バッテリーを収めることも可能になるかもしれない。参考までに、iX3とEX60は、いずれも最大110kWh超のバッテリーを搭載している。
バッテリーも英国国内で生産
EV用バッテリーは、タタ傘下のアグラタス社が40億ポンド(約8600億円)かけて英国サマセット州に建設中のバッテリー工場から供給される予定だ。同工場は来年稼働開始予定で、年間50万個の生産能力を目標としている。
『ディスカバリー・スポーツ』と『レンジローバー・イヴォーク』が生産されているヘイルウッド工場では、EV生産に対応するために5億ポンド(約1080億円)を投じた改修工事が進められている。レンジローバー・ヴェラールの後継モデルはここで生産される見込みだ。
しかし、JLRはすでに、ヘイルウッド工場ではEVに加え、内燃機関車やハイブリッド車も生産できる体制を維持すると表明している。したがって、EMAプラットフォームがハイブリッド車にも対応可能であるという今回の発表から、レンジローバー・ヴェラール後継のEV版およびハイブリッド版が同工場で生産されるものと予想されている。
なぜ今、ヴェラール後継が必要なのか
レンジローバー・ヴェラールの後継モデルは、昨年JLRのCEOに就任したPB・バラジ氏の指揮下で発売される初の完全新型モデルとなる。親会社タタの財務責任者を務めていたバラジ氏が舵取りを任された。
JLRは、米国市場における輸入関税の問題、中国市場での激しい競争、そして欧州における新たな「メイド・イン・ヨーロッパ」規則の導入など、数々の課題に直面している。
高価格帯のレンジローバーやディフェンダーよりも販売台数の伸びが期待できる新型車の投入は、こうした荒波を乗り切る上で極めて重要だろう。
世界的に高級EVへの需要が低迷していることを受け、アストン マーティン、ベントレー、ロータス、ポルシェといった多くの自動車メーカーが、ここ数年でラインナップの完全電動化計画を延期または縮小している。JLRも、ジャガーとレンジローバーのフラッグシップEVを計画より遅れて投入するが、これは市場が回復することを見越した判断であるとみられている。
しかし、高級車セグメントの中でも比較的下位の価格帯では、電動パワートレインの人気がはるかに高まっている。実際、BMWは急増する需要に対応するため、ハンガリーのiX3工場に第2シフトを追加している。iX3は発売から最初の2か月間で1万台強の販売を記録した。一方、ボルボもEX60への強い需要を受けて生産を拡大し、メルセデス・ベンツはGLCの生産開始から最初の3か月間で、これまでのどのEVよりも多くの受注を獲得した。
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