F1スペインGPではいわゆるフレキシブルウイングに対する規制が強化され、サーキットのレイアウト的にもレッドブル優位になる可能性が注目される中、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)に向けられた質問は主に、チームメイトのランド・ノリスに関するものだったことは注目に値する。
マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が鈴鹿とイモラで優勝した間の3連勝を含め、今季4勝を挙げているピアストリは、開幕戦でスピンを喫し9位に終わったロスを挽回し、ノリスを逆転してポイントリーダーに躍り出た。
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しかしその間もノリスは安定した結果を残し、モナコで開幕戦以来の優勝。ランキング首位のピアストリにわずか3ポイント差でスペインGPを迎えた。
昨年のマクラーレンはコンストラクターズタイトルを獲得したものの、パフォーマンスを引き上げてドライバーズタイトル争いにノリスが加わるのが遅れた上、ハンガリーGPではチームオーダーによって、イタリアGPではノリスとピアストリがバトルしたことによって、それぞれポイントを失った場面があった。
今季は開幕からマクラーレンのふたりがタイトル争いをリードしており、昨季とは状況が違う。しかしピアストリは、これは予期していた状況であり、そのための準備はしていたと語った。
「今年を迎えるにあたって、個人的な目標をチームの目標と両立させることは不可能だとわかっていた」
「そしてそれは、僕たちふたりが率直に話してきたことであり、チームも強く意識してきたことだ」
「昨年末の時点で、もし今年も同じような強いマシンで臨んだら、このような状況になるだろうと感じていた。そのことをオープンにし、ただそれについて話してきたのはとても良かったと思う」
「でも、スポーツマンシップに反するようなことや、チームや自分たちが悪く見えたりするようなことは決してしない。僕はそれがランドや僕の本質ではないと思う」
「もちろん、僕たちは毎週末互いを打ち負かし合いたいと思っているけど、修復不可能なダメージを与えるような一線を越えるつもりはない。これまで何度か言ってきたように、僕たちはチャンスをこの一度きりにしたくないからね」
「今季が終わっても僕たち両方、長くマクラーレンにいることになるし、毎年チャンピオン争いをしたい。1回だけチャンピオンを獲って、それでチームを崩壊させるのは賢明なことではないと、僕たち2人は理解していると思う」
かつてマクラーレンでは、2人の偉大なドライバーのコンビが自滅的な軋轢を生んだことがあった。アイルトン・セナとアラン・プロストは1988年と89年にそれぞれマクラーレンでドライバーズタイトルを獲得。しかしその頃には、仲介者を介してしか会話を交わさないほどふたりの関係が悪化していた。
トップチームのチームメイト同士が仲が悪かったり、コース上で衝突したりしたのは、これが最初でも最後でもない。2016年のスペインGPでメルセデスのルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグが同士討ちし、フェルスタッペンにレッドブル移籍初戦で、自身初勝利をもたらしたのも有名な話だ。
プロストが1986年のタイトルを手にしたときも、ウイリアムズ・ホンダのナイジェル・マンセルとネルソン・ピケがポイントを食い合っていなければ逆転での戴冠は不可能だっただろう。
マクラーレンは昨年、1998年以来となるコンストラクターズタイトルを獲得し、今年は2008年にルイス・ハミルトンが獲得して以来となるドライバーズタイトル獲得を狙っている。
この結果を危うくすることは避けたいだろうし、関係が悪化したままラインアップを継続するような状況に陥ることも避けたいだろう。
ノリスとマクラーレンの契約は2026年までだが、契約延長オプションもついている。一方でピアストリは2023年の時点で2026年末までの契約を交わしていたが、今年3月にさらなる契約延長に合意。具体的な契約期間は明らかになっていないが、2028年までチームに留まることになると見られる。
そのため、マクラーレンは他チームのライバルの脅威にさらされながら、チームメイトに対して明確なポイントリードを築かない限り、どちらかのドライバーを優遇するようなチームオーダーを課すことはないだろう。
「数字的に不可能になればおそらくそうなる(チームオーダーを出す)だろう」
「だけど、僕たちふたりは優勝したいし、チャンピオンシップを争って自分たちのポイントを稼ぎたいんだ」
「もちろん、その年の後半になって、本当に不可能になるか、それに近い状況になれば、そうなるかもしれない。もしかしたらそれも変わるかもしれないが、そうなるのは当分先だろう」
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