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【2億4300万円の限定12台】ベントレー・バカラル・コンセプトへ試乗

マリナー部門の可能性を示す12台

text:Mike Duff(マイク・ダフ)

【画像】バカラル コンチネンタルGTほか 全100枚

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)


雨の英国グッドウッド・サーキット。マジウイック・コーナーへバカラルはボディを進める。路面は明らかなウエットだ。

グッドウッドの第1コーナーといえば、ドライバーの腕が試される高速セクション。でも今回乗っているのは、量産前の貴重で高価な1台。意地を張るのはやめておこう。

2013年、似たようなコンディションでレーシングドライバーだったケニー・ブラックは、フォードGT40をドライブ。見事なカウンターステアを披露した。

流石にケニー・ブラックでも、ベントレー・バカラルでそんな真似はしないだろう。何しろ、バカラルのデジタル・スピードメーターは、273km/hを常にさしっぱなしなのだ。コーナーのエイペックス付近でも。

もちろん、実際の速度ではない。2億5000万円近くするプロトタイプのメーターが表示するのは、デモ用の画面。実際より、かなり興奮するような走行状況を再現している。

まばゆい黄金色のバカラル・コンセプトは、サーキット走行ではなく、モーターショーのブースを彩るために作られたクルマ。ベントレーのコーチビルドを引き受ける、マリナー部門の可能性を示す台数限定のロードスターだ。

完成モデルの動的性能を、披露するためのクルマではない。ダッシュボード中央にあるアナログのメーターも動いていない。針は12時の位置を指したまま。

ベースとなるのはコンチネンタルGTC

筆者はクルマに乗ると、まずエアコンの温度を調整する。そんな何気ない仕草も無効。ロータリー・コントローラーもつながっていない。

サイドウインドウは降りたまま。シートベルトも、まだ事故からは守ってはくれない。少なくとも、ワイパーはちゃんと動くようだ。

中身まで完成したバカラルではないから、ベントレーの主張を確認することも難しい。実際にはベントレー史上、最速のオープン・モデルになるという。

スピードは確認できなくても、ベントレーが描く、未来の超高級な世界を観察することはできる。かつての、コーチビルド時代復興を表すモデルだ。

ラディカルといいたくなるデザインのボディだが、その内側に潜むのはコンチネンタルGTコンバーチブル。基本構造とW12気筒エンジン、駆動系統を共有する。

見てのとおり、ボディパネルはすべてがオリジナル。カーボンファイバーとアルミニウムが用いられている。ベースモデルのボディを活かすのではなく、少量のオーダーメイド・ボディに掛かるコストを受け入れた、特別なモデルだ。

12台のバカラルは、180万ポンド(2億4300万円)もの価格にも関わらず、公式発表の前にはオーナーが決まっていた。特に苦労することもなく。コンチネンタルGTCより、10倍以上も高いのに。

淀んだ空模様でも、バカラルのルックスは壮観だ。ベントレーで内装やカラーのデザインを率いる、マリア・モルダーに話を聞いた。

液体のようにも見える妖艶なボディ

彼女によれば、バルセロナにあるデザインスタジオの屋外で、通常は塗装の仕上がりを最終確認するという。陽気な気候でも、しっかり機能することを確かめるのだろう。ベントレーの本社がある、英国のクルーは少し薄暗いから。

モーターショー用に仕上げられたイエローフレイムのボディは、霧雨の中でも妖艶。メタリックエフェクトを発揮する、籾殻から作られた灰が含まれているのだという。近づいてみると、液体のようにも見える。

このバカラルには屋根がないから、雨には参った。素晴らしいキルティング加工が施されたシートは、片側だけで14万8000ものステッチが入っている。ウール製のクロスも、雨に濡れてしまっている。

ダッシュボードのウッドは、5000年前の泥炭層から掘り出された木材らしい。水には慣れているかもしれない。

モルダーによれば、すべての内装素材は、フォルクスワーゲン・グループの厳しい耐候性と耐久性の基準に適合しているという。「シャワーに絶えられないクルマを、お客様には売れません」

コンチネンタルGTCでは、極めてソフトなアニリン・レザーを用意しない理由でもある。

しかしバカラルなら、カラーやトリムなど、かなり自由に素材を選べる。モルダーは、オンラインで選定されるバカラルの仕様書に目を通している。「一部のオーナーは、われわれが想定した以上に、多彩な選択を最終的に希望されています」

W12気筒エンジンを搭載する高速クルーザー

耐久性で劣る素材への変更は可能だが、変質の可能性へ同意する書面にサインが求められる。安全性や基本性能に影響を与える変更はできない。

オーナーの中には、ウッドリムのステアリングを希望する人もいるという。だがステアリング・ボスに搭載される電子機器の膨大な量を考えると、エンジニアは実現に苦労しているとも話す。

グッドウッドでの試乗時間は限られていた。スピードは上げられなくても、ベントレー・バカラルの壮大な魅力に強く惹かれずにはいられない。

0-97km/h加速3.5秒、最高速度321km/hという数字は一旦忘れておこう。12名のオーナーのうち、その性能を実際に何度も試すのは、何人いるのだろう。最高速の半分も超えれば、車内はかなりの風が吹き荒れそうだ。

たくましい中回転域を叶える、6.0LのW12気筒エンジンを搭載するバカラル。高速クルーザーとして走らせた方が、幸福度は高い。もちろん、周囲より速いペースで。

659psを発揮するエンジンは、ハードなドライブも造作ない。デュアルクラッチATは、この市場では最も変速がクイックで滑らか。

コンチネンタルGTCと基礎を共有するから、シャープな動的性能を実現するテクノロジーも搭載される。エアサスペンションや、電圧48Vで稼働するアクティブ・アンチロールシステムも。

コーチビルド市場に対する重要なスタート

それでもバカラルは、間違いなくより低い速度域で評価されるクルマだと思う。より多くの人が、美しいボディを眺められる。

現代のコーチビルド・ベントレーとして、初めてのモデルでもある。バカラルが最初で最後とは、ならないようだ。

コーチビルドのマリナー部門を率いる、ティム・ハンニッグによれば、意図的に注意深いスタートを切ったという。「確実な成功を得るために、製造台数はかなり保守的に設定しています。長期的にその状態は続くでしょう。持続可能な取り組みとするために」

マリナー部門は、ベントレーのラグジュアリーに対する将来的なビジョンを拡張するうえで、非常に重要な役割を果たす。同時に、収益性にも大きな影響を与える。

通常モデルの特別エディションだけでなく、より特注度合いの高いオプションや、ブロワー・コンティニュエイションといった、復刻モデルまで可能性は広い。しかし、バカラルのようなモデルは、少量生産であっても、強い注目を集めることは間違いない。

「生産台数を増やすと、興奮は減ってしまいます。例えば、150台にすることはないでしょうね」。ハンニッグが話す。

この次の展開は、もちろん教えてくれなかった。「アイデアは沢山あります。1つだけを生み出し、それで終わりとするつもりはありません。バカラルは忘れられていたコーチビルド市場に対する、重要なスタートとなるでしょう」

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