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多人数が優雅に集える空間──BMW X7 xDrive40d Excellence試乗記

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多人数が優雅に集える空間──BMW X7 xDrive40d Excellence試乗記

BMWの新しい「X7 xDrive40d Excellence」は、魅力的なフルサイズ・ラグジュアリーSUVだった! 『GQ JAPAN』ライフスタイルエディターのイナガキがリポートする。

BMW X7 xDrive40d Excellenceの特徴

偉大なる未来へのステップ──BMW X7 xDrive40d Excellence試乗記

1.最高峰のSAV2.エクステリア3.至高の空間4.贅沢な2列目シート5.3列目シートの実用性1.最高峰のSAV

昨今、クルマのプレミアムセグメントにおいて存在感を放っているのが、フルサイズ・ラグジュアリーSUVカテゴリーだ。

X7は、群雄割拠の上記カテゴリーにおいて、バイエルンのエンジン屋として知られるBMWが、自らの持てる技術と歴史を注ぎ込んで創り上げたフラッグシップである。

BMWが「SAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)」と呼ぶ本ジャンルの頂点に君臨するX7は、上質なセダンの快適性と、どこまでも走り続けられる走破性、そして多人数が優雅に集える空間のすべてを高い次元で融合させた。

試乗車はラインナップのなかでも、クリーンディーゼルエンジンを搭載したX7 xDrive40d Excellenceだ。

2.エクステリア

X7の前に立ったとき、誰もが圧倒的なボリューム感に息をのむに違いない。

フロントマスクは、BMWの新しいラグジュアリー・フェイスを体現しており、巨大なキドニーグリルと上下に分割された薄型のヘッドライトユニットが、唯一無二の威厳を放つ。BMWのSUVラインナップにおいて、X5が実用性とスポーツ性の絶妙なバランスを保つ中、X7は明らかに一線を画す独自のオーラをまとっている。

しかし、これほどの大質量でありながら、不思議と野蛮な威圧感や鈍重さを感じさせないのは、緻密に計算されたエクステリアデザインと、まとっているボディカラーの恩恵が大きい。

ボディカラーは、BMW Individualが提供するスペシャル・ペイントの「ライム・ロック・グレー」。本塗装だけで¥905,000(税込)! だが、実際にこのカラーが光を浴びた瞬間の表情を見れば、金額に納得せざるを得ないだろう。

深みのあるソリッド風のグレーでありながら、光の当たり方によって絶妙な陰影を生み出し、クルマのキャラクターラインを美しく引き締める効果を持っている。周囲の景色や光の移り変わりに溶け込みつつも、確固たる存在感を主張する色合いは、都市の洗練されたビル群の中であっても、あるいは静謐な森のワインディングロードであっても、あらゆるシーンにおいて調和を見せる。

リアクォーターからの眺めもまた、X7の堂々たるキャラクターを象徴している。水平基調のLEDコンビネーションランプと、それをつなぐクロームのストリップが、ワイド&ローな視覚的安定感を強調。ラグジュアリーセダンをそのままリフトアップしたかのような気品を感じさせる。

全長5170mm、全幅2000mm、全高1835mmは、日本の都市部において時に駐車場選びの洗礼を受けるサイズであることは間違いない。全幅2000mmは、狭いコインパーキングや古いパレット式の立体駐車場への進入を拒絶する。

しかし、規格外のサイズを競合他車と比較してみると、たとえばアメリカン・ラグジュアリーの雄であるキャデラック「エスカレード」に比べれば、全長・全幅ともにややコンパクトに抑えられているのも事実。

BMWの開発陣が、グローバル市場での存在感を確保しつつも、欧州やアジアのインフラに対して最低限の配慮を施した結果が、5170mmの絶妙な寸法のなかに落とし込まれているのだろう。

3.至高の空間

ドアを開け、高めのシートに身を委ねると、そこには外世界の喧騒から遮断された、至高の空間が広がっている。

ダッシュボードは、最新のBMWデザイン言語に則った「BMWカーブド・ディスプレイ」が存在感を放っている。メーターパネルとセンターディスプレイが一体となった大型スクリーンは、ドライバーを包み込むように緩やかな湾曲を描いており、未来的なコクピット感を演出する。

室内の各部を彩る素材には、贅の極みが尽くされている。試乗車には、BMW Individualフル・レザー・メリノの「アイボリー・ホワイト/アトラス・グレー」がセレクト、オプション価格は¥438,000(税込)に達する。触れた瞬間に吸い付くような滑らかさを感じさせる高級レザーは、シートのみならずダッシュボードの上部やドアトリムにまで贅沢にあしらわれており、明るいアイボリーと落ち着いたグレーのコントラストが、室内の広がり感をさらに強調している。さらに頭上を見上げれば、¥269,000(税込)のオプションである「アルカンタラ・ルーフライニング」がしっとりとした質感をたたえている。

センターコンソールに目を移すと、BMW Individualピアノ・フィニッシュ・ブラック・トリムの美しい漆黒の輝きの中に、クリスタルカットが施されたシフトセレクターやiDriveコントローラーが鎮座。夜間になれば、アンビエントライトの光がクリスタルを透過し、妖艶で美しい空間を作り出す。

助手席前方のダッシュボードには、大文字で「X7」のグラフィックが刻まれたイルミネーション・バーが仕込まれており、X7が特別な存在であることを乗るたびに意識させてくれる。

これほどのデジタル化が進みながらも、スイッチの押し心地やレザーのステッチ、ウッドの質感といった、人間の触覚に響くクラフトマンシップが高い次元で維持されている。

4.贅沢な2列目シート

試乗車には、¥100,000のオプションである「2列目コンフォート・シート」を選択した6人乗り仕様となっていた。

2列目には独立したセパレートタイプのキャプテンシートが2座配置されており、贅沢な空間が確保されている。

2列目シートは、左右それぞれに独立した手動式のアームレストが備わるほか、シートの前後スライドやリクライニングなどを電動で緻密にコントロール可能。左右のシート間には適度なスペースが残されており、ここから3列目シートへとアクセスするウォークスルーも可能となっている。

さらに、ドアウィンドウに備わる電動サンシェードや、2列目乗員のために専用設計された5ゾーン・オートマチック・エアコンディショナーのコントロールパネル、そして実用的なカップホルダーやUSBポートなど、VIPを心地よくもてなすための装備には一切の抜かりがない。

この空間の開放感をさらに決定づけているのが、¥154,000(税込)のオプションとして装着されている「スカイ・ラウンジ・パノラマ・ガラス・サンルーフ」。本装備は、フロントから2列目の頭上までを広大に覆うガラスルーフだけでなく、驚くべきことに3列目シートの真上にも独立した固定式のガラスルーフを設けている。これにより、一般的には閉塞感を感じやすいミニバンやSUVの後部座席であっても、常に外の光を感じられる明るく広々とした車内環境が実現した。

ただしライバルモデル、たとえばレンジローバーのロングホイールベース仕様などと比較すると、シート自体のサイズやリクライニングの角度、あるいはマッサージ機能のバリエーションといった面において、VIPに対する「おもてなし」の観点では、わずかにコンサバティブな印象を受けるかもしれない。

5.3列目シートの実用性

SUVにおける3列目シートの存在は、多くの場合、エマージェンシー(緊急用)の域を出ないことが多い。しかし、ホイールベースが3105mmに達するX7は、「大人がしっかりと座れる空間」にすることに力を注いでいる。

2列目シートの肩口にあるスイッチを操作すると、シートが電動で前上方へと静かに滑り出し、3列目への乗降スペースが自動的に作り出される。

身長170cmの筆者が実際に3列目シートに腰を進めてみると、驚くほど実用的な空間が残されていることに気づく。

膝前のスペースには適度なクリアランスがあり、座面の位置も低すぎないため、体育座りのような窮屈な姿勢を強いられることはない。さらに前述した3列目専用のガラスルーフのおかげで、頭上の閉塞感は完全に払拭。3列目乗員のためにも専用のエアコン吹き出し口や温度調整スイッチ、そしてドリンクホルダーがしっかりと用意されている点は、フラッグシップとしての良心を感じさせる。中距離程度の移動であれば、大人が3列目に座って旅をしても不満が出ないだろう。

しかし、3列目シートをすべて使用して「フル乗車」の状態にした際、ラゲッジルームの荷物積載容量は劇的に減少する。全長5170mmは十分に巨大だが、3列の座席すべてに余裕を持たせた結果、最後尾に残されたスペースは、日常の買い物袋や数個の小ぶりのバッグを置くのが精一杯の広さになってしまう。もし6人がフルに乗車して、全員分のスーツケースを載せて2泊3日の旅行に出かけようとすれば、荷物を収める場所はない。この点は、全長が5.3mを超えるエスカレードなどのフルサイズアメリカンSUVが持つ、荷室容量には明確に見劣りする部分である。

フル乗車での長距離移動を想定する場合、ルーフボックスなどの外部ストレージの追加を検討せざるを得ないというのは、X7のパッケージングにおける弱点かもしれない。

X7におけるフル乗車は、基本的には空港への送迎や、近距離のレストランへの移動といった「短距離の贅沢」として割り切るのが賢明だろう。

▲次のページ:「偉大なる未来へのステップ」

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文:GQ JAPAN 稲垣邦康(GQ)
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