この記事をまとめると
■スズキのジムニーはデビューから8年経ったいまも大人気だ
「二宮金次郎」のように校庭にクルマの銅像を建てるなら「世界最小・最強」のクロカン4WD! 悪路無双の「ジムニー」しかない
■3つのグレード「XG」「XL」「XC」が設定されている
■一番廉価な「XG」が旧来のジムニーファンにとって狙い目のグレードといわれている
ジムニー買うならどのグレードにする?
日本独自の規格として圧倒的に支持を受けている軽自動車たち。新車販売されているクルマのおおよそ40%がこの軽自動車ということもあり、もはや国民車といっても過言ではないかもしれない。
そんな軽自動車という限られたカテゴリーのなかで唯一無二の存在であるのが、スズキのジムニーだ。なんちゃってではない、本格的なラダーフレーム構造をもつ世界最小のクロカン四駆であるこのクルマは、まさに小さな巨人とも呼べる存在だ。
このジムニーは、かつてあったホープ自動車という小さな自動車会社が考案した、ホープスターON型がベースとなっており、自社で開発する余力がなかったホープ自動車から、故 鈴木 修専務(当時)がこのクルマの製造ライセンス等を買収し、ジムニーとして再出発したエピソードは有名だ。当時はかなりの反対もあったようだが、いまのジムニー人気を見れば、当時猛反対した人たちもばつが悪いに違いない。
さて、こうして1970年に誕生した初代ジムニー(LJ10)は、いまのようにデイキャンプやBBQやらといったホビーユーザーのことは考えておらず、当時盛んであった林業や狩猟など、山岳エリアを代表とした不整地での仕事に従事する人たちへ向けた”働くクルマ”という立ち位置であった。
よって、初代から2代目のジムニーの中期モデル(JA11)までは、長いことワゴンではなくバンという扱いだった。バックドアには最大積載量もしっかり明記されている。2代目モデルで初めてコイルスプリング式のサスペンションを採用した、1995年登場のJA12からは5ナンバーの乗用モデルも設定された。
それ以降、3代目ジムニーである先代のJB23と現行型のJB64では、ワゴンタイプとして5ナンバーの乗用モデルのみが、我々一般人向けに展開される(郵便局向けに4ナンバーの特装車も限定販売という形で設定あり)。
そして、2018年に誕生した現行型のジムニーでは、3つのグレード「XG」「XL」「XC」が設定されており、オートエアコンやアルミホイール、LEDヘッドライトなどを最初から備える「XC」が、いわずもがな最上級グレードで1番人気だ。本革巻きステアリングやボディカラーの選択肢も多く、「これを買っておけば間違いない」といっていい。ただでさえ人気のジムニーであるから、リセールも当然いい。
次点で、「XL」というグレードが人気で、こちらと「XC」との大きな違いは、ホイールがアルミか鉄(スチール)かどうか。機能面では最上級モデルの「XC」とほぼ同じとなる。エンジンスターターも、いまでは当たり前のプッシュスタート式を採用する。
で、「XG」はというと、こちらは一番下のいわゆる”ドベ”グレード。よって一番安い。「こんなに差をつける必要ある!?」というほど装備が簡素だ。たとえば、ボディカラーに関しては「ブラック」「ホワイト」「シルバー」「グリーン」の4色からしか選べず、ホイールも鉄。ヘッドライトもいまどきのクルマでは珍しい昔ながらのハロゲン。
エンジンスタートは、これまた商用車感溢れるキーを差し込んでまわす昔ながらのタイプ。リヤシートもベンチのような非分割式だし、ステアリングもウレタン。「シートヒーター? 電動格納式ミラー? なに呪文みたいな単語喋ってんの?」といった具合で、とにかくなにもついていない。ひと言でいえばチョー安っぽいのである。
さらに、車内環境を左右する空調をコントロールするエアコンもなんと、ダイヤルをグリグリまわすマニュアル式! 「XL」も「XC」もオートエアコンなのにここまで差別しますか? といった具合なのだ。WEB CARTOP編集部の隣の島でジムニー系の雑誌を編集しているスタッフにも「まぁこんなの選ばないよね。何百台も取材してるけどほぼ見ないもん」とまでいわれてしまった。
やっぱりジムニーはシンプルであるべき!
……しかし待ってほしい。ジムニーはいつからそんな快適重視なクルマになったのだろうか? 冒頭で述べたように、このクルマはそもそも働くクルマであり、プロフェッショナルが使うタフなクルマなのだ。本来、「今日は海にでも行ってキャンプでもしようか」なんてウキウキしている人を想定して作ったクルマではないのだ。
しかも現行型のJB64というジムニーは、見るからに2代目ジムニーをオマージュした形だし、歴代ジムニーで1番四角いボディでもある。となれば、現行型ジムニーもまた、原点回帰ということで、働くクルマの魂を呼び覚ますべきだと思うわけだ。
よって筆者であれば、このJB64を買うなら、オススメはズバリ1番下のグレードである「XG」一択! いちいち数字を見て何度とか設定するオートエアコンより、ツマミを握って適当なところへガチっとダイヤルをまわすマニュアルエアコンを装備し、エンジンスタートも鍵をいちいちまわすアナログ感あふれる仕様のほうが、確実にこのクルマのキャラクターにあっていると思う。なお、先代モデルのJB23でも、エアコンは20年間ずっとマニュアルのままだった。オートエアコンは今回のJB64から採用された新参者だ。
「XG」が標準で装備している鉄ホイールは超頑丈で、プロのレーシングチームもあえて使っているといわれているので、ホイールもアルミではなく鉄のほうがむしろクロカン四駆っぽい。めちゃめちゃ重たいのだが、働くクルマであるなら、むしろこのほうがジムニーらしい。ヘッドライトもハロゲンなので、雪道で雪が溶ける点も見逃せない(上位モデルはヘッドライトウォッシャーで雪解け対策をしている)。
とはいえ現実問題、「ジムニー1台しか所有できない」という環境の人にとって、リセールだの快適性だの、まぁぶっちゃけかなり大事な部分であるし、「ジムニーユーザーの何割が悪路とか行くんですか?」といえば、ほぼ行かないというのが現実なので、最上級の「XC」を選んでおけば、前述したように正解なのだが、本来のジムニーらしさを味わいたいなら、あえて一番安い「XG」を選ぶべきだと、筆者は思うわけだ。装備は一番劣るが、基本的なメカニズムは共通なので、スペック上は差がない。
なので、結論からいえば、筆者的には「XG」の5速MT、ボディはシルバーという構成が、おそらく1番シンプルで「The 働くクルマ」な、本来のジムニーらしい雰囲気を感じることができるのではないだろうか。あくまで超個人的な感想であるが……。なお、この「1番安いグレードが1番ジムニーらしい」という考え方、ネット上で探すと意外と多く、そういった思想の人も一定数いる様子。
と、力説してるのだが、残念なことに筆者の財力ではこれすらも買えないという悲しい現実がある。中古車ウォッチングは毎日しているが、恐るべし現行型ジムニー、まだまだ高値を維持している(最安値の物件でも2018年型10万kmオーバーで130万円前後~)。
価格に関しては、「XC」が216万400円、「XL」が204万6000円、「XG」が191万8400円と、ギリギリ200万円を切る価格だ。5速MTも4速ATも価格は同じで、価格差は「XC」と約25万円となる。
ただし、オートエアコンのあと付けはどうやってもほぼ不可能だし、プッシュスタートや電動格納ドアミラー、リヤの分割式シートなど、「XG」を買ってからあとでどうこう出来るレベルではない。ぶっちゃけ利便性第一なら、ギョーカイの端くれ目線で見ても、XL以上がいいに決まっている。「価格が安い」ってだけで飛び付くのは、やめたほうがいいだろう。
「シンプルで1番ジムニーらしいからこれ!」という、思想の偏った選び方がハマった人だけにしてほしい。もし本稿を読んで「XGにしたけど後悔した!」となっても、クレームは受け付けないので悪しからず。
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みんなのコメント
ワイルドな雰囲気に伝統の鉄チンは現行でもよく似合うし、なによりハロゲンライトは融雪の面で有利。