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AsLMSへのハイパーカー導入に向け、メーカーが慎重な支援を表明。3社が早期の実現性を語る

掲載 更新 1
AsLMSへのハイパーカー導入に向け、メーカーが慎重な支援を表明。3社が早期の実現性を語る

 ポルシェとBMW、さらにフェラーリの代表者は、AsLMSアジアン・ル・マン・シリーズが2026/2027シーズンにプライベートチーム向けのハイパーカークラスを追加する計画に対し、慎重な姿勢ながら支持を表明した。

 ACOフランス西部自動車クラブは6月のル・マンで、カスタマーチーム向けLMH(ル・マン・ハイパーカー)規定車とLMDhカー運用し、プロ・アマ編成で少なくとも一人のブロンズドライバーを擁するチームが、来年のシリーズに参加可能となることを発表した。

ハイパーカー導入予定のアジアン・ル・マンにJDCミラーが熱視線。IMSAで増車の野望も

 この動きはWEC世界耐久選手権のトップクラスでプライベートチームのエントリーが減少したことに起因するものであり、その背景にはハイパーカークラスにおけるワークスチームの増加という大きな要因がある。

 現在、WECではポルシェとフェラーリのみがカスタマーマシンを投入しており、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のGTPクラスでは、ポルシェが唯一のカスタマーチームを擁するメーカーという状況だ。

 ポルシェ・モータースポーツのトーマス・ローデンバッハは、AsLMSがハイパーカークラスを新設する動きを歓迎すると述べたが、2026/2027シーズンにポルシェ963がグリッドに並ぶかどうかを語るにはまだ早すぎると付け加えた。

 一方、IMSAでカスタマーチームとして963を運用するJDCミラー・モータースポーツは、すでに前向きな検討を開始している。

「様子を見なければならない。結局、これはカスタマー・レーシングであり、プライベーターの判断次第だ」とローデンバッハはSportscar365に語った。

「ACOとはつねに連絡を取っており、支援する用意があることを伝えた。。ただし、これは相当な財政的負担をともなうものであり、潜在的な顧客と詳細を詰めていく必要がある」

「しかし、ドアは開かれていると言えるだろう。誰かがそのドアを通るかどうかを見極める必要がある」

「また、これによってカスタマーカーを提供するメーカーが増えるかもしれない。現在、カスタマー向けのマシンがあるのは、我々とフェラーリだけだ。それに、フェラーリの提携もAFコルセのみとなっている。これからは少し幅広い選択肢が生まれるかもしれないね」


■「GT3マシンのようにはいかない」人員の兼ね合いがカギに

 BMWはLMDhカーであるMハイブリッドV8をプライベーターに供給する計画を進めているが、まだ開始していない。同社のモータースポーツ責任者であるアンドレアス・ルースは、近い将来にプライベートチームが彼らのプロトタイプを手にできる可能性を示唆した。

 AsLMSにおけるカスタマーチームへの供給の可能性について問われたルースは、このニュースを歓迎しつつも、2026/2027シーズンはBMWがこのようなプログラムを開始するには早すぎる可能性があると指摘した。

「この決定は嬉しく思う。素晴らしいことだ」

「顧客が我々にアプローチした場合、それが可能かどうかを確認する必要がある。GT3マシンを走らせるのとは異なり、プロトタイプを走らせるには、はるかに多くの労力が必要でありメーカーの技術支援なしで走らせることはできない」

「そして、2026/2027シーズンにBMWがこれを行えるかどうかは疑問だ。我々は開発と準備を積み重ねる必要がある。とくにメーカー側では、冬のオフシーズンの期間というのは、WECやIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の準備において、きわめて重要で決定的な時期だからだ」

「デイトナに向けた公式テスト、デイトナ24時間、そしてセブリング12時間にWECカタールなど、次々とイベントが控えている時期だ。時間的な制約から、困難をともなう可能性がある」

 この意見にはフェラーリも似た見解を示しており、広報担当者はSportscar365の質問に対して、フェラーリのカスタマーチームが参加するかどうかは、通常より早いシーズン終了に依存する可能性が高いと述べた。

 現在、AsLMSは12月にセパンで始まり、2月に開催されるドバイとアブダビの中東ラウンドで終了するスケジュールだが、主催者によれば2026/2027シーズンは東南アジアが中心のカレンダーになる可能性があるという。

「もちろん、我々にとって非常に興味深いものになるだろう。ただし、シーズン終了が1月ではなく12月であることが確実でなければならない」とフェラーリの広報担当者は語った。

「ハイパーカーを運営するには通常のGT3チームとは異なる人材が必要で、これが障壁になる可能性がある。なぜかと言えば、冬の間にWECのシーズン開幕に向けたテストや準備を行う期間が必要だからだ」

 Sportscar365はによると、フェラーリがAsLMSのハイパーカークラスに参戦する場合、AFコルセが顧客に代わってマシンを運用する可能性が高いという。

[オートスポーツweb 2025年07月02日]

文:AUTOSPORT web
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みんなのコメント

1件
  • toz********
    Bop無しでやってほしい。スーパーGTでbop無しレースやってくれないかな。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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