なぜ免許不要に?その意図とは
近年、都市部を中心に利用が拡大している電動キックボード。その多くは、令和5年7月1日に施行された改正道路交通法によって新たに定義された「特定小型原動機付自転車」に該当します。
【画像】なぜ16歳以上は免許不要!? 流行の電動キックボードを写真で見る(16枚)
この特定小型原動機付自転車は、16歳以上であれば運転免許がなくても乗ることが認められており、その理由について多くの関心が寄せられています。
まず、この新しい区分がどのような基準によって設定されているのかを整理しておきましょう。
車体のサイズは長さ190センチメートル以下、幅60センチメートル以下とされており、使用される電動機は定格出力0.60キロワット以下に限られます。
加えて、時速20km/hを超えることができない設計であること、走行中に最高速度を変更できないこと、オートマチックトランスミッションを採用していること、そして緑色の最高速度表示灯が備えられていることが条件となります。
さらに、道路運送車両法上の保安基準に適合し、自動車損害賠償責任保険に加入していること、ナンバープレートを取り付けていることなどが求められます。
これらの条件をすべて満たして初めて、特定小型原動機付自転車として扱われるのです。
ではなぜ、このような車両に対して「免許不要」という規定が組み込まれたのでしょうか。
その答えの一端として考えられるものとしては、2021年3月の「有識者会議中間報告書(案)」の内容にあります。
この報告書では、「新たなモビリティのうち、最高速度が一定以下のものについては、その原動機の定格出力等ではなく、その最高速度に 着目して車両区分を定めることが適当であると考えられる」という文章が記載されています。
一般的な電動キックボードは、歩行者や自転車と同程度の速度しか出せないものも多いため、一般的な原動機付自転車や自転車と同様に扱うことが必ずしも適当ではないと結論づけられました。
そのため、電動キックボードのような新たなモビリティについては、新たに車両区分が設けられることとなったと考えられます。
免許の有無は電動キックボードの安全運転には関係ない?矛盾生じる実験結果
また、このような結論に至った要因のひとつとして、前出の有識者会議の報告書の中では、とある走行実験の結果があげられています。
2021年に埼玉県警察運転免許センターで電動キックボード走行実験が実施され、免許を持つ50名と免許を持たない50名、計100名が電動キックボードを実際に運転しました。
被験者は全員が初めて電動キックボードを扱う人々であり、年齢層も16歳から60歳以上まで幅広く設定されています。
実験では、指定場所不停止、信号無視、右側通行など複数の交通違反行動について採点がおこなわれました。
その結果、多くの違反においては免許の有無による大きな差が見られなかったと報告されています。
特に全体的な運転行動には大差がなく、違反の多寡はむしろ交通ルールの知識に起因するものであるとの結論が導かれました。
ただその一方で、詳細な採点データでは、免許の有無により違反回数に差が生じている項目も確認されています。
たとえば指定場所不停止では免許ありが347点、免許なしが1337点という大きな差があり、信号無視や右側通行でも同様に顕著な違いが見られました。
免許なしの運転者が交通ルールを理解していないために多くの違反を重ねたと分析されていますが、それでも最終的には「全体的には大きな差はない」と結論づけられたことに関しては、矛盾が生じているともいえます。
しかし、最終的には時速20キロメートル以下の特定小型車に対しては免許不要とされ、さらに時速6キロメートル以下の設定であれば歩道走行も可能という新ルールが導入されることとなりました。
では、実際の現状はどのようになっているのでしょうか。
警察庁が発表した令和5年7月から12月までの取り締まり件数によれば、特定小型原動機付自転車に関する検挙は7130件に上っており、違反の内訳では通行区分違反が全体の48%、信号無視が38%を占めています。
これらのデータから、制度の現実的な運用において多くの利用者がルールを正しく理解できていないことが推測されます。
特定小型車は、便利でエコな移動手段として期待されていますが、誰もが安全に利用するためには、ルールの徹底した理解と教育が必要不可欠です。
免許が不要であるからこそ、自主的に交通ルールを学ぶ姿勢が、事故やトラブルの防止につながります。
※ ※ ※
特定小型原動機付自転車の制度は、新しいモビリティの可能性を広げる画期的な試みといえる一方で、交通ルールの理解不足による違反や事故のリスクが懸念されています。
免許が不要であるからこそ、利用者一人ひとりの自覚と学びの姿勢が求められます。
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みんなのコメント
それなのに免許不要で乗れるというのは、「有識者」や法律を作る政治家達がこの業界と癒着してるからと疑われる。
ク ソ 利 権