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【ゴルフRと共通項多く】アウディSQ2に試乗 よくも悪くも強烈ではない フィジカル強し SUVの利点も

掲載 更新 4
【ゴルフRと共通項多く】アウディSQ2に試乗 よくも悪くも強烈ではない フィジカル強し SUVの利点も

VWゴルフRと共通項多いアウディSQ2

text:Hiromune Sano(佐野弘宗)

【画像】アウディQ2とSQ2 見た目の変化も穏やか 違いは?【比べる】 全134枚

photo:Satoshi Kamimura(神村 聖)

欧州では2018年秋のパリモーターショーで初公開されたSQ2だが、日本では少し遅れた昨2019年末に発売となった。

最大のキモとなるパワートレインは、300psの2.0L直列4気筒ターボ+7速湿式DCT+ハルデックスカップリングによる電子制御オンデマンド4WD……で、これは同じアウディでいうとS3(あるいは同じグループ内のVWゴルフRなど)と同等品と考えていい。

ご承知のように、アウディの市販スポーツモデルには性能レベルに応じて「S」と「RS」があり、SQ2は前者にあたる。

ただ、AUTOCAR英本国版ではSQ2の事前スクープ情報時点から、さらに高性能な「RSQ2」の存在が示唆されてきた。

それはRS3と同じ2.5L 5気筒ターボを積むと予測されているが、残念ながら、いまだに市販化はかなっていない。

Q2といえばアウディ最小SUVであり、ボディサイズとしてはBセグメントと定義できる小ささなのに、1つ上のCセグメントでも最強級といえるパワートレインを搭載できるのは、Q2の骨格設計がVWグループのMQBモジュールだからである。

MQBといえば、B~Dセグメントという非常に幅広い車格で骨格を共通化できるモジュール構造だ。

良くも悪くも、そこまで強烈ではない

Bセグメントのボディに300ps/40.8kg-mのエンジンをねじ込んで……というSQ2の成り立ちから想像すると「さぞかし、戦闘的で粗っぽいクルマでは?」と思われるかもしれない。

しかし、実際のSQ2の乗り心地は良くも悪くも、そこまで強烈なものではない。

もちろん、そのフットワークは絶対的には硬いのだが、実際の乗り心地はひと昔前の200ps級FFホットハッチあたりと大差ない。

ヒョコヒョコと細かい上下動が目立つのは事実だが、路面からの突きあげをマイルドに吸収してくれるので、この種の高性能スポーツコンパクトを欲しがる向きには、十二分に許容範囲だと思われる。

しかも、そのフットワークを支えるのが、アナログの固定減衰ダンパーであると考えると、なおさら感心するところではある。

300psと40.8kg-mという動力性能を存分に解放したときのSQ2は、弾けるように速い。最新の直噴ターボらしく低中速から強烈なパンチ力を披露すると同時に、6800rpmのリミット付近まで勢いが衰えないところは、本物のチューニングエンジンのオーラがある。

走行モードを切り替えるドライブセレクトで「ダイナミック」にするとアイドリング回転も上昇してズボボボと不穏な低音が、そして走り出せば、笑ってしまうような豪快サウンドに室内は満たされる。

これはご想像のとおり、スピーカー音による演出である。

基本フィジカル性能は高いが……

そうやって「らしく」走らせたときでも、SQ2はその動力性能を完全支配下に置く。

ドライではグリップを失うこともまずなく、適度にマイルドで安定した姿勢を徹頭徹尾キープして、ステアリング操作どおりに曲がっていく。

これは素直にたいしたものだが、考えてみれば、Q2はアウディ最小SUVであっても、その体格は1つ上のハッチバックと大差ないことも事実である。

その骨格設計に上級モデルの共通点が多いことは前記のとおりだし、たとえば1570kgという車重は同じパワートレインのS3/ゴルフRより重いくらいだ。

2.6mを切るホイールベースやSUVらしい大きめの地上高こそ、スポーツモデルとしては不利な要素だが、1.8mいう全幅は兄貴分のS3と較べても幅広く、SQ2だけがすべてのディメンションで劣るわけではない。

つまり、このクルマはベースのQ2の時点で、もともと基本フィジカル性能が高いのだ。

スポーツモデルとしての走りはほぼ文句なしのSQ2だが、乗り心地については完璧とはいえないかもしれない。

たしかに路面からの衝撃は適度に丸められていて、それ自体に不快感を抱くほどではない。また、荒れた舗装路でもホールディング性能は素晴らしく、クルマが跳ねることもないが、そのときも上屋はずっと細かく上下し続けている。

どんなクルマでも乗り心地がヒタッと落ち着く領域がどこかにあるものだが、SQ2の場合は、そうしたスイートスポットを日本の現実的な交通環境で味わうのがむずかしいようだ。

SQ2はS3に肉薄 SUVらしい利点も

日本におけるSQ2の本体価格は599万円。

今回の試乗個体は大径19インチホイールや「バング&オルフセン」のオーディオシステム、内装の間接照明、ナッパレザーの本革シートまでオプションをフルトッピング(?)しており、合計700万円を軽く超えていた。

しかし、実際に購入するなら、本体価格に先進安全装備、ナビ、バーチャルコクピット(=フルカラー液晶メーター)、電動テールゲートなどをセットにした48万円のオプションパックを追加した647万円が、1つの目安になると思われる。

それでもBセグメントSUVとしては安くないが、その絶対額がS3(従来型)の価格とほぼ同等だと考えると「こんなものかな」とギリギリで納得できるレベルではある。

SQ2と従来型S3ではハードウェアの共通点が多く、内外装の質感表現もまったく同じとはいわないが、SQ2はS3に肉薄している。

いっぽうで、SUVならではのパッケージによって、後席や荷室の使い勝手はSQ2のほうが優れている面もあるし、SQ2の全高は立体駐車場対応の1525mmなので、都市部での取り回しにも差はない。

それに加えて、今っぽい空気感……という意味では、今をときめくクロスオーバーSUVのSQ2のほうに、高い商品力を感じる向きも多かろう。

アウディSQ2のスペック

価格:599万円
全長:4220mm
全幅:1800mm
全高:1525mm
最高速度:-
0-100km/h加速:-
燃費:11.6km/L(WLTCモード)
CO2排出量:200g/km
車両重量:1570kg(パノラマサンルーフ装着時+20kg)
パワートレイン:直列4気筒1984ccターボ
使用燃料:ガソリン
最高出力:300ps/5300-6500rpm
最大トルク:40.8kg-m/2000-5200rpm
ギアボックス:7速デュアルクラッチ
乗車定員:5名

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みんなのコメント

4件
  • 国内発表は未だされていないが、A3はモデル末期ということもあり、新しさを望めばSQ2に軍配が上がりそう。
    ただし、内装はあくまでもQ2ベースなので、こちらはA3の方が充実してそうです。
    (A3=S3)
  • ベースとなるアウディQ2の発売は2016年で、もはや車齢4年。

    この競争と進歩著しい小型SUVマーケットで、しかもこの内容にしてこの価格、新車購入の対象としては、全くお話になりませんね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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