この記事をまとめると
■三菱からパジェロが7年ぶりに復活した
世界初公開された新型三菱パジェロは2.4Lディーゼル+8速AT! 実車に触れて確認した詳細情報のすべて
■3代目・4代目のパジェロはビルドインラダーフレームを採用していた
■初代と2代目が採用していたラダーフレーム構造を今回再び採用した
パジェロ失敗の要因はボディの構造にあった?
2019年に登場した特別仕様車、「ファイナルエディション」を最後に37年の歴史に幕を閉じた三菱パジェロ。パリ・ダカールラリーでの活躍や、1990年代初頭あたりからスタートしたRVブームを牽引するなど、日本のSUV史を語る上で欠かせないクロスカントリー4WD(以下:クロカン四駆)の雄だ。
そんなパジェロであるが、こういった本格的なクロカン四駆らしいエピソードを支えたのは、初代・2代目パジェロに採用されていた、ランドクルーザーやジムニー、またはトラックやバスでもお馴染みとなる、質実剛健なラダーフレームがあったからこそだ。今の時代でも四駆が出るたびに「ラダーフレームだったら云々……」みたいな意見が出るほど、四駆=ラダーフレームの組み合わせは鉄板だ。
しかし、1999年に登場した3代目パジェロが出てから様子が変わった。真のクロカン四駆ファンたちから「ちょっと待て」な事案が発生したのだ。それは、今までのクロカン四駆におけるアイコン的存在であるラダーフレームを、なんと捨ててしまったことだ! そう、3代目パジェロから「ビルトインラダーフレーム」を採用してしまったのだ。
「え、ラダーフレームって単語ついてるじゃん」と、この文字だけ見るとそう思うかもしれない。しかしこの「ビルトインラダーフレーム」は、名前こそ頑丈そうだが、扱いは一般的な乗用車と同じモノコックボディに近い性質をもつ。構造としては、ラダーフレームをモノコックボディで包むような構造で、文字どおり”ビルトイン”されているのが特徴だ。ではなぜこのようなことをするのか。それは、軽量化とオンロードにおける路面追従性やハンドリング性の大幅な向上が見込まれるからだ。3代目パジェロにたとえると、この構造を取り入れることにより、車重が100kgも軽量化できたという。
これはジムニーでもランドクルーザーでもいえることなのだが、実際これらのクルマで悪路走行を楽しんでいる人は、日本においてはほんの数%ともいわれている。ほとんどのユーザーはオンロードでしか使っていない。そしてこの3代目パジェロが登場した時代はもうとっくにRVブームが終了し、ミニバンブームの波がやってきている段階だ。
このような時代に、わざわざ頑丈とはいえ時代遅れなラダーフレームを、量産車で取り入れたところで宣伝効果的には微妙なところ。それよりも、「先代よりも軽くなって燃費も乗り心地も大幅向上!」と謳ったほうが確実にユーザーへのウケはいい。パジェロが乗用SUVになるのは必然であったわけだ。
しかし、これが大きな分岐点になったのも事実。パジェロは結局このキャラ変も少なからず災いして、2006年に登場し、2019年まで販売されていた4代目で、その歴史に幕を閉じることになった。やはり、人はオーバースペックに憧れを抱くもので、どうしてもラダーフレーム神話からは離れられなかったようだ。
ジムニーやランドクルーザーが、時代がどうなっても頑なにラダーフレームを採用し、伝統を絶やさずに育てている結果が、現在の圧倒的な人気に繋がっているといっても過言ではないはずだ。また、ウインチなどを使う際も、補強などをしないとビルトインラダーフレームではボディが歪んだり千切れてしまう可能性があり、取り付けは要加工となる。一方でジムニーやランドクルーザーはそのままフレームに付けられることが多い。マニアックだが、こういったメリットもラダーフレームにはある。
往年のファンも振り向く奇跡の原点回帰
また、ビルトインラダーフレームはモノコックと一体となっているので、事故などで変形した際はラダーフレームのように上物を変えて直すなどができない。日本ならまだしも、これが発展途上国などで発生すると直すのも難航し、致命的なことになる。
とはいえ、ほとんどの道路が舗装されている日本において、どれほどの人がラダーフレームの恩恵を受けているのか不明だが、ワールドワイドで見れば、こういった点もパジェロがライバル車に引けを取る要因になったのもまた事実だろう。
しかし、なにもビルトインラダーフレームがダメなモノということはまったくなく、パジェロシリーズの末っ子であるパジェロミニも、ジムニーに対してビルトインラダーフレームを採用し、軽自動車随一の悪路走破性を誇った。また、ジムニー、パジェロミニと比較されがちな軽クロカン、ダイハツのテリオスキッドもまた、ビルトインラダーフレームを採用していたほど。クロカン四駆には少なからず受け入れられていた構造ではある。
ちなみに、トヨタ・ラッシュやダイハツ・ビーゴもビルトインラダーフレームを採用しており、こちらはむしろ「シティ派コンパクトSUVなのにビルトインラダーフレームなのか!」と、当時の関係者は驚いていたという。
と、3代目と4代目で一部のガチ四駆ファンが落胆したビルトインラダーフレームという構造を、5代目パジェロではついにやめた。というよりも原点回帰というべきだろうか。世界中の悪路やアジアクロスカントリーラリーなどで徹底的に鍛えた、トライトンのラダーフレームをベースにショートホイールベースとした専用フレームを採用し、クロカン四駆の名に相応しいパジェロが帰ってきた。「そんなことか」と思うかもしれないが事実、ラダーフレームの採用は発表時に大きな反響を得ていた。
それ以外にも、初代と2代目に採用されていた、車両の角度や傾き、方位がわかる3連メーターの採用や、向きや形は違えど、ダッシュボードにはこれまた初代と2代目に採用されていたアシストグリップがダッシュボードに復活している。トランスファーに関しては電気式のロータリー式スイッチとなっていたが、これもあえてギヤを物理的に切り替えるトランスファーレバーだったりしたら、激アツな展開だったようにも思う(この近未来感溢れるオシャレな内装には似合わないと思うが……)。
生産終了、そして復活までの7年間の沈黙を経て、「パジェロとはなんなのか」を徹底的に見つめ直し、凱旋した5代目の新型パジェロ。パリ・ダカールラリー、そしてRVブームをリアルタイムで経験した世代には確実に刺さる要素が満載となっている。まさにクロカン四駆の雄、復活である。
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みんなのコメント
1997年以降、メーカーによる改造範囲の広いT3車両でのプロトタイプクラスへのエントリーができなくなり、改造範囲の狭いT2車両でのエントリーを余儀なくされました。
T2車両は市販車と同一のボディ・サスペンション形式が求められます。97年はショートボディのフレームとボディを結合、リアは市販車と同じリジッドアクスルで参戦。98年はラダーフレームながら四輪独立懸架化したホモロゲーションモデル、パジェロエボリューションをベースに参戦。
1983年からのダカールでの長い知見も総合し、軽量・低重心で強固なモノコックと四輪独立懸架が総合優勝に不可欠と判断。ホイールベースとサスペンションストロークの更なる延長によって3代目が誕生しました。
ディフェンダーも全く同じでラダーフレームとリジッドサスやめたけどカッコいいからバカ売れしているじゃないか。
メカニズムがどうこう以前にカッコ悪くちゃ話にならんのだよ。