2025年秋に開催されたジャパンモビリティショー2025でトヨタが世界初公開した「CENTURY Concept Model」。センチュリーを独立した最高峰ブランドとして展開する方針を掲げるなか、新たなセンチュリーを示すモデルとして披露されたコンセプトモデルです。
世界初公開から約10か月。鮮やかな緋色(ひいろ)のボディをまとった2ドアクーペをめぐる状況はどう動いているのでしょうか。公式発表とこれまでの具体的な動きを振り返りながら、市販化の可能性と、センチュリーがクーペを提示した意味を考えます。
【画像ギャラリー】“次の100年を造る” トヨタがジャパンモビリティショー2025に出展した「CENTURY Concept Model」(15枚)
文:立花義人、エムスリープロダクション/写真:TOYOTA、エムスリープロダクション
センチュリーが2ドアクーペに!? その正体はまだ謎だらけ
トヨタの最高級車である「センチュリー」。1967年の初代登場以来、重厚な4ドアセダンを基本とし、政界の要人や大企業の経営者・役員を送迎するショーファーカーとしても使用されるなど、日本を代表する高級車です。
そのセンチュリーに大きな変化が訪れたのが2023年。従来のセダンとは大きく異なるSUVタイプの新世代センチュリーが登場し、世間を驚かせました。
そして2025年、ジャパンモビリティショーで登場したのが、さらに意表を突く2ドアクーペのコンセプトモデルです。鮮やかな緋色のボディと大胆なプロポーションは、従来のセンチュリー像をさらに大きく押し広げました。同ショーのプレスブリーフィングで豊田章男会長は、センチュリーをトヨタの一車種にとどまらない存在とし、日本の心と「ジャパン・プライド」を世界へ発信するブランドに育てていく考えを示しました。
ただ、壇上で披露された「CENTURY Concept Model」(以下、センチュリークーペ)に関しては、「ドライバーズカーとショーファーカーの融合」「One of One(唯一無二)」という世界観が示されたものの、主要諸元やパワートレイン、価格、発売時期については明らかにされていません。
会場の実車から「左側スライドドア/右側ヒンジドア」という左右非対称のドア構造や、オットマン付きリクライニング助手席、異型ステアリングなどが確認できましたが、あくまで実車を観察してわかったものであり、トヨタはこれらの詳細を公式なスペックとして公表していません。名称についても「CENTURY Concept Model」とされているのみで、固有のモデル名は明らかにされていません。
クーペは沈黙のまま……それでもブランドの「土台づくり」は進んだ
センチュリーブランドを取り巻く環境には、この10か月でいくつかの動きがありました。
2025年12月1日には、センチュリー(セダン)の一部改良モデルを発売。最新の予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」への機能拡充や、コネクティッドナビ対応の「ディスプレイオーディオPlus」を標準装備するなど、基幹モデルとしての熟成が図られました。
さらに大きな動きが、2026年6月11日に東京・北青山にブランド発信基地「CENTURY STUDIO GALLERY」が開設されたことです。青山通り沿いに設けられた専用ギャラリーには、初代センチュリーとともにセンチュリークーペが展示されています。ブランドの世界観を直接体感できる空間となっており、市販化の行方を考えるうえで見逃せない動きといえます。
このほか、全国の販売店スタッフから選抜された専任資格者「センチュリーマイスター」による接客体制の整備など、センチュリークーペの詳細はいまだ明らかになっていないものの、その周囲では、トヨタがセンチュリーをひとつの最高峰ブランドとして育てるための環境づくりは進んでいるといえます。
市販化への期待は十分!! 次の展開で見えてくるもの
市販化を期待する上で考えたいのが、トヨタがセダン、SUVに続く新たな提案として「クーペ」を提示したことです。
もともとセンチュリーといえばショーファーカーの代表格でしたが、近年は豊田章男会長(モリゾウ氏)の専用車としてワンオフ製作された「センチュリーGRMN(セダン)」や、現行のセンチュリー(SUVタイプ)をベースとしたGRMN仕様を披露するなど、オーナー自らがステアリングを握るセンチュリーも提示されています。
世界の高級車ブランドに目を向けると、ロールス・ロイスやベントレーは、格式高いサルーンやSUVに加え、スペクターやコンチネンタルGTといった、オーナー自らがステアリングを握る2ドアモデルを展開しています。センチュリーが世界のラグジュアリーブランドと並ぶ存在を目指すのであれば、パーソナルクーペを用意する意味は十分にあるでしょう。
2026年8月時点で、このコンセプトモデルの市販化や発売時期は公式発表されていませんが、世界初公開からまだ約10か月です。センチュリーブランドそのものが新たな展開を始めたばかりであることを考えれば、現時点で市販化の答えを求めるのも早いでしょう。センチュリーが最高峰ブランドとして歩みを進めるなか、このクーペが次にどのような展開を見せるのか。まずはその行方を見守りたいところです。
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みんなのコメント
なんでこんなデザインなの?
ただ、中途半端なモノは出せないのでいろいろ試行錯誤してるのでは?