現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 運転免許試験場はなぜ不便な場所に多い? 「行きづらい」声多数もあえて郊外に存在する理由とは

ここから本文です

運転免許試験場はなぜ不便な場所に多い? 「行きづらい」声多数もあえて郊外に存在する理由とは

掲載 更新 42
運転免許試験場はなぜ不便な場所に多い? 「行きづらい」声多数もあえて郊外に存在する理由とは

■免許センターが郊外に多いのは「土地」が関係

 運転免許を取得するためには、各都道府県の運転免許センターや運転免許試験場で試験を受ける必要があります。
 
 そんな運転免許センターおよび運転免許試験場は、なぜ行きづらい場所にあることが多いのでしょうか。

トヨタ「86」が4ドアに! 5名余裕のセダンになって登場!

 運転免許を取得するためには、住民票がある各都道府県の運転免許センター、もしくは運転免許試験場での検定に合格する必要があります。

 運転免許センターと運転免許試験場は、名前こそ異なるものの、役割はほぼ変わらず、主に免許の更新・取得・再交付手続きなどを受けるための施設です。

 よって、運転免許を持っている人であれば、一度はこれらの施設を利用したことがあることでしょう。

 そんな免許センターですが、全国各地のユーザーから共通して見られるのが「立地があまり良くない」という意見です。

 免許センターの立地については、SNSでも「公共交通機関でのアクセスが悪い…」「免許センターに行くために免許がほしいくらい」という声が挙げられています。

 では、免許センターは、なぜ都道府県の中心部ではなく、郊外へと設置されることが多いのでしょうか。

 群馬県前橋市・栃木県鹿沼市・福岡県福岡市の3つの県の免許センターおよび、警察署に聞いたところ、三者揃って「免許センターや試験場には土地が必要だから」という、当然といえば当然の回答が返ってきました。

 たしかに、免許センターに行くと自動車教習所のようなとても広い試験コースを見ることができます。

 一方で、試験用のコースといっても、免許センターのコースで実際に運転の試験を受けたことがある人はそれほど多くはないかもしれません。

 では、試験用のコースはどのような場合に活用されているのでしょうか。

 栃木県の運転免許センター担当者は、試験用コースを利用するユーザーについて以下のように話します。

「運転免許センターでは、学科の試験だけを受けるという人がほとんどです。

 しかし、なかには『一発免許』で運転免許を取得する人もおり、試験用のコースはそうした場合に活用されています」

 運転免許の取得には、実践的な運転技術である「技能」と、道路交通法などの運転にかかわる知識である「学科」のふたつについて基準を満たしていることが求められます。

 つまり、運転免許を取得するためには、免許センターおよび、試験場において、技能と学科のふたつの基準に合格する必要があります。

 ただし、自動車教習所のなかでも、道路交通法第99条に基づいて、公安委員会から指定を受けた「指定教習所」では、卒業と同時に技能の基準を満たしていることが認められるとされていることから、指定教習所を卒業すると、免許センターでの技能試験が免除されると定められています。

 そのため、実際に免許センターで技能試験をおこなう人はそれほど多くはありませんが、本来的にいえば運転免許は、免許センターでの学科および技能試験に合格することで得られるものであるため、各免許センターには試験場を併設する必要があります。

 したがって、免許センターには広大な土地が必要であり、結果として郊外に設置されることが多くなるといえます。

■超難関!? 一発免許を受けるのはどんな人?

 公安委員会指定の自動車教習所を卒業し、免許センターでの技能試験を免除することが一般的となっているなか、「一発免許」を取得する人はどのようなケースが考えられるのでしょうか。

 なかには「腕試し」で受ける人もいるようですが、教習所に通うことのできない、特定の事情がある人が一発免許を選択しているようです。

 例えば、多忙な芸能人など、教習所に定期的に通うことが困難な人などがそれに当たります。指定教習所では、原則として、初めて教習を受けた日から卒業まで9か月という有効期限が定められていますが、時間が取れず有効期限を過ぎてしまう場合があります。

 そのような人の場合、再度教習所に通うことも難しく、一方ですでにある程度の教習を経ていることから、一発免許を選択することがあるようです。
 
 また、費用面から一発免許を選択する人もいるようです。一般的な指定教習所では、AT限定免許で約30万円、MT免許で約32万円が教習費用の相場となっています。

 しかし、一発免許は、普通車の場合では、普通仮免許試験が5500円、普通免許試験が5400円、取得時講習が1万5400円となっており、かかる費用は合計で2万6300円であり、何度でもチャレンジすることができることから、理論上は10回程度のチャレンジで合格できれば、教習所に通うより安価で運転免許を取得できることになります。

 さらに、交通違反によって免許取り消し処分を受けてしまった人も、一発免許を選択する場合が多いといわれています。

 いずれにせよ、まったく運転スキルのない状態から試験に合格することはかなり難しく、実際には、普通二輪から大型二輪への限定解除、クルマのAT限定からの限定解除など、もともとバイクやクルマを運転するスキルがある人が、関連する免許の取得のためにチャレンジする例がほとんどのようです。

※ ※ ※

 一発免許は、教習所に通うことができない事情がある人にとってはメリットがある一方で、ネット上では「一発免許の合格は難しい」という声も多く見られます。

 特定の事情がある人をのぞいて、指定教習所に通って運転免許を取得することが無難であることは間違いないでしょう。

関連タグ

こんな記事も読まれています

マツダ全幅1.9mの「オフロードSUV」 デザインが良い! 並行輸入で約1000万円!? 「CX-50」欲しい?
マツダ全幅1.9mの「オフロードSUV」 デザインが良い! 並行輸入で約1000万円!? 「CX-50」欲しい?
くるまのニュース
日産歴代最強のSRターボ [SR20VET]搭載車は初代エクストレイルGTだった……なぜS15シルビアや初代シルフィに積まれなかった?
日産歴代最強のSRターボ [SR20VET]搭載車は初代エクストレイルGTだった……なぜS15シルビアや初代シルフィに積まれなかった?
ベストカーWeb
新店舗「レンタル819府中」が4/19オープン!
新店舗「レンタル819府中」が4/19オープン!
バイクブロス
開発テーマは原点回帰──トヨタ ランドクルーザー 250が発売|TOYOTA
開発テーマは原点回帰──トヨタ ランドクルーザー 250が発売|TOYOTA
OPENERS
自動車業界に相次ぐ不祥事……日産が約30億円不当減額!! 公取委が下請法違反で勧告
自動車業界に相次ぐ不祥事……日産が約30億円不当減額!! 公取委が下請法違反で勧告
ベストカーWeb
隣のレーンなら空きがあるのに周回できない! EVを充電したあと休憩できない! 「SA・PA」頼むから改善してくれませんポイント5つ
隣のレーンなら空きがあるのに周回できない! EVを充電したあと休憩できない! 「SA・PA」頼むから改善してくれませんポイント5つ
WEB CARTOP
5年ぶりF1中国GPが復活! FP1はストロール最速。角田裕毅12番手……スプリント開催もコース炎上の珍トラブルも発生
5年ぶりF1中国GPが復活! FP1はストロール最速。角田裕毅12番手……スプリント開催もコース炎上の珍トラブルも発生
motorsport.com 日本版
トヨタ新型「ランクル250」正式発売! 15年ぶりに全面刷新! 従来プラドから何が変わった? 角目・丸目設定で520万円から
トヨタ新型「ランクル250」正式発売! 15年ぶりに全面刷新! 従来プラドから何が変わった? 角目・丸目設定で520万円から
くるまのニュース
バイク未来総研によるリセールプライスランキングで「カワサキ・ELIMINATOR」が初の首位を獲得!
バイク未来総研によるリセールプライスランキングで「カワサキ・ELIMINATOR」が初の首位を獲得!
バイクブロス
レクサス、新型GXの国内導入の概要を発表。100台限定のローンチモデル「GX550 ”OVERTRAIL+”」の抽選注文受付を開始
レクサス、新型GXの国内導入の概要を発表。100台限定のローンチモデル「GX550 ”OVERTRAIL+”」の抽選注文受付を開始
月刊自家用車WEB
ランス・ストロールがトップ。ピアストリ、フェルスタッペン続く。角田裕毅は12番手|F1中国FP1速報
ランス・ストロールがトップ。ピアストリ、フェルスタッペン続く。角田裕毅は12番手|F1中国FP1速報
motorsport.com 日本版
ヘッドライトが自動で点灯! 「オートライト機能」は、夕暮れ時の事故を防ぐ“切り札”になれるでしょうか?
ヘッドライトが自動で点灯! 「オートライト機能」は、夕暮れ時の事故を防ぐ“切り札”になれるでしょうか?
Merkmal
新型レクサスGX、1000万円超で発売開始!──GQ新着カー
新型レクサスGX、1000万円超で発売開始!──GQ新着カー
GQ JAPAN
レクサス「GX550」を2024年秋より通常販売。これに先立ち、6月上旬より「GX550 オーバートレイル+」を抽選で100台限定販売
レクサス「GX550」を2024年秋より通常販売。これに先立ち、6月上旬より「GX550 オーバートレイル+」を抽選で100台限定販売
Webモーターマガジン
レクサス、ランクル250と兄弟車のGXを発表。初回は100台を販売
レクサス、ランクル250と兄弟車のGXを発表。初回は100台を販売
driver@web
ホンダ新型「SUV」世界初公開! 未来感スゴい新型「P7」登場! 24年末以降に中国で発売へ
ホンダ新型「SUV」世界初公開! 未来感スゴい新型「P7」登場! 24年末以降に中国で発売へ
くるまのニュース
初心者向け安全運転スクール! スズキが「U30スズキセイフティスクール」の開催日程を発表
初心者向け安全運転スクール! スズキが「U30スズキセイフティスクール」の開催日程を発表
バイクのニュース
カローラクロス対抗馬完成!? 欧州で新型キャシュカイ堂々発進 日本導入はマジであるのか
カローラクロス対抗馬完成!? 欧州で新型キャシュカイ堂々発進 日本導入はマジであるのか
ベストカーWeb

みんなのコメント

42件
  • 話のすり替えがすごい。
  • 地域によって遠い近いは有るでしょうね。埼玉だと鴻巣って所に有るらしいですし、愛知県だと赤池って所に有るし、兵庫県だと明石市に有って、俺の家からすると電車で片道1時間半は掛かる。試験費用だけで無く交通費も入れると例え原付でも一万円が飛んで行く。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村