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【試乗】ロールスロイス カリナンは究極の贅を尽くした自他ともに認める世界一上品なSUV

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【試乗】ロールスロイス カリナンは究極の贅を尽くした自他ともに認める世界一上品なSUV

2000万円を超えるような「スーパーSUV」が続々登場。その中でも圧倒的な存在感を持つのが、ロールスロイス初のSUV「カリナン」だ。その「極上のおもてなし」を味わってみた。(Motor Magazine 2019年12月号より)

ネーミングは世界最大のダイヤモンド原石由来
単にSUVのみならず、世界に現存するあらゆるカテゴリーの乗用車を集めても、おそらく「頂点」に立つに違いないであろう存在と思える1台が、ここに紹介する『カリナン』だ。これまでに世界で発見されたダイヤモンドの中で、最大の原石にあやかった名前が与えられたという。

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「究極の贅沢空間の中で、どこへでも快適に難なく移動ができる全天候型のハイボディードビークル」と開発のコンセプトがそう紹介されるカリナンは、客観的に言ってしまえばまずは誰の目からも、「ロールスロイスのSUVそのもの」と、納得のいく佇まいの持ち主であることがわかる。

5340×2000×1835mmという圧巻のボディサイズとともに、「威風堂々」と表現をする以外にないロールスロイスならではの迫力あるフロントマスクが、初のカテゴリーに参入するモデルでありながらも見事にこのブランド独自の世界観を演じていることは、称賛に値するポイントだ。

このところ多くのSUVが、すでに数多あるライバルの中に埋没したくないという思いからか、時に奇をてらったデザインを用いてまで自身の存在感をアピールしようとする中で、実は意外にもシンプルな造形でまとめられているのもこのモデルの特徴。

そしてそれがまた、このブランドならではの他を圧倒する上品な雰囲気に繋がっていることも見逃せない。カリナンは外観の見た目からして「世界一上品なSUV」でもあるのだ。

そんな世界観は、もち ろんインテリアでも見事に再現されている。高さが強調された左右対称デザインのダッシュボード内にレイアウトされた小さなスイッチ類などを含め、すべてのアイテムに吟味をされた上質な素材が用いられていることは明らか。リアシートで寛いでみれば、足元にわずかに姿を見せるフロントシートのレールにまで入念なメッキ処理が施されていることには、思わず感嘆の息が漏れそうになる。

思い通りの滑らかな加速に圧倒的な静粛性を確保
ダッシュボード端の庇部分に隠されるようにレイアウトされたスイッチを押してドアを閉じ、6.75Lとあえて細かく排気量がアピールされたツインターボ付きのV12ユニットへと命を吹き込んだ後、ステアリングコラム右側から伸びる華奢なレバーでDレンジを選択していよいよスタートする。

ゆったり粛々と走り始めるのは想定内。だが、そこからアクセルペダルを少々深く踏み込んだ場面でも、加速感が「驚くほどに強力」というわけではないのは、贅を尽くした数々の装備群の採用もあって2.8トンに届こうとする重量の成せる業か。

それでも思いどおりの滑らかな加速を見せてくれ、圧倒的な動力性能を持つのは言うまでもない。一方で、こちらは「期待どおり」と感心させられたのはその「圧倒的な静粛性」で、少なくとも街乗りシーンでは、「ほとんど無音」と言っても過言ではないほどの水準にあるのだ。

そうした驚嘆すべき静粛性の高さとともに、前述の重量を味方につけてのあらゆる路面上をどっしりと、そしてヒタヒタと進んで行くテイストは、やはりこのブランドの作品ならではで、他ブランドのモデルでは味わった経験のない独特の浮遊感覚に繋がっている。

これまでのロールスロイス車には なかったアップライトなドライビングポジションをとって、先端に「スピリット・オブ・エクスタシー」が鎮座する広大なフロントフードを目前に、ほかのどんなSUVよりも高いアイポイントから「下界」を見下ろしつつアクセルペダルを踏み込んだ時、前述したコンセプトである「究極の贅沢空間の中で、どこへでも快適に難なく移動ができる全天候型のハイボディードビークル」というフレーズを、改めて実感させられるカリナンなのである。(文:河村康彦)

試乗記一覧

■ロールスロイス カリナン 主要諸元
●全長×全幅×全高=5340×2000×1835mm
●ホイールベース=3295mm
●車両重量=2770kg
●エンジン= V12DOHCツインターボ
●排気量=6749cc
●最高出力=420ps/5000rpm
●最大トルク=850Nm/1600rpm
●駆動方式=4WD
●トランスミッション=8速AT
●車両価格(税込)=3920万円

[ アルバム : ロールスロイス カリナン はオリジナルサイトでご覧ください ]

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