現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ガラッと変えたほうがいい? 変えないほうがいい?? どっちがいいんだフルモデルチェンジ論

ここから本文です

ガラッと変えたほうがいい? 変えないほうがいい?? どっちがいいんだフルモデルチェンジ論

掲載 14
ガラッと変えたほうがいい? 変えないほうがいい?? どっちがいいんだフルモデルチェンジ論

 クルマがモデルチェンジを果たす際、誰もが注目し期待するのが、デザインがどのように、どれだけ変わったか、だろう。

 しかしこれは本当に難しい問題だ。新たなモデルを生み出す側としては、前モデル(あるいはそれより先代)のイメージを損なわないよう継承しつつ、新しい部分も見せなければならない。

混ぜるな危険!! レギュラー指定にハイオクを、ハイオク指定にレギュラーを入れてはいけない事情

 結果、あまりの変わらなさに「大丈夫か??」なんて声が飛び出したりもすれば、三菱デリカD:5のようにマイナーチェンジながら大胆に変貌を遂げしかもウケがいい、なんてケースだってある。

 ここでは、そんなデザイン面での「いいモデルチェンジ・うーんなモデルチェンジ」について考えてみたい。

【画像ギャラリー】人気現行モデルから物議を醸した名車まで モデルチェンジの変遷を写真でみる

※本稿は2020年8月のものです
文/ベストカー編集部、写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』 2020年9月10日号

■「代わり映えがしない」は悪なのか

 せっかくフルモデルチェンジしたのに、「なんかあんまり変わり映えしないな~」って思っちゃうクルマがある。

 最近だとハスラー。よく見りゃサイドのリア回りやら違うんだけど、パッと見た印象がそっくり。もちろん、それが狙いってことはわかっちゃいるけど……。

スズキ ハスラー(旧)

スズキ ハスラー(新)…リアドアの後方、Cピラーが大きな違いで、さらに新型のホイールベースは35mm長い!

 N-BOXやタントもパッと見、ほとんど「間違い探し」ですよ、実際。

ホンダ N-BOX(旧)

ホンダ N-BOX(新)…フロントフェンダー上部のアーチ形状の違いと、ボンネットフードの開口ラインが新旧の識別点となる

 ディテールは違っているし、むしろ「見た目の印象を変えずに新しさを出す」のって、デザイナーとしてはものすごく大変で、腕の見せどころなんだろうけど、乗り換えようかと迷うユーザーにしてみれば、「うーん、新味がない!」って思っちゃう。

 そんなモデルチェンジを「キープコンセプト」なんていうけれど、ここでいうコンセプトはデザインコンセプトのこと。

 いっぽう、車両コンセプト自体は「キープコンセプト」ながら、ガラリとデザインを変化させてくるクルマもある。マーチなんかそのパターンの代表格だ。

日産マーチ(初代:1982~1992年)

日産マーチ(2代目:1992~2002年)

日産マーチ(3代目:2002~2010年)

日産マーチ(4代目:2010年~)…初代登場は1982年の日産マーチ。38年も経つのにまだ4代目という、各モデルのライフの長さも特徴的。1モデル10年程度というモデルチェンジサイクルのためか、時代に合わせて各世代、デザインはガラリと変わっている

 マーチ、1世代のライフが10年程度と長いこともあるんだろうけど、各世代、見た目の連続性を感じさせない。

 コンパクトハッチバックという基本コンセプトは維持しながら、毎度モデルチェンジのたびに先代のイメージを打ち消すかのようにガラリと雰囲気を変えてくるのはお見事だ。

■時代を反映するモデルチェンジも

 デザインがガラリと変わっても、例えばシビックのように、ポジションというか、クルマの基本コンセプトが時代とともに変化していったクルマは、そりゃデザインどころかサイズや車形自体が変わったんだから「別のクルマ」。

 インサイトなんて、3世代あるけど、それぞれ基本コンセプトが違うんだから、まったく違ったクルマになって当然ってこと。ありゃ、名前だけが同じで、モデルとしては別ものだ。

ホンダ インサイト(初代:1999年登場)…インサイトは3世代のモデルに使われているが、現実的には各世代、それぞれコンセプトがまったく異なっており、→

→しかも「モデルチェンジ」ではなく、各世代が違うモデルとして誕生し、「インサイト」という同じ名前が与えられているということ。世代ごとにいったん名前は途切れているし……(写真は2代目:2009年登場)→

→初代は2ドアハッチバックの燃費追求スペシャルモデル、2代目はプリウス対抗の5ドアHB、そして2018年に登場した現行型は4ドアサルーンとなった(写真は3代目:2018年登場)

 そんななか、基本コンセプトを比較的キープしながらも、デザインのイメージをうまいこと変化させているのが最近のトヨタ車に多い。

 クラウンやカムリ、ハリアーなどは見た瞬間「おッ、新型!」と思える変化を見せている。

トヨタ カムリ(旧)

トヨタ カムリ(新)…新型は圧倒的にスタイリッシュだ!

トヨタ ハリアー(旧)

トヨタ ハリアー(新)…新型はグリルが薄くなった

 クラウンは印象的なグリルを採用するフロントマスクこそ先代を受け継いでいるが、ラウンドしたルーフの低さや、6ライトのサイドビューなど、これまでのクラウンとの違いをアピールしている。

トヨタ クラウン(旧)

トヨタ クラウン(新)…顔は似ているけどCピラーのラインが違う!

■対照的だったフィットとヤリスのモデルチェンジ

 4代目となるフィットはこれまで3代、約20年にわたりキープコンセプトのモデルチェンジをしてきたが、今年登場した4代目は見た目の雰囲気をガラリと変えた。

ホンダ フィット(初代:2001~2007年)

ホンダ フィット(2代目:2007~2013年)

ホンダ フィット(3代目:2013~2020年)

ホンダ フィット(4代目:2020年~)…初代デビューは2001年で、最近登場した現行型が4代目。センタータンクのフラットフロアでダイブダウンするリアシートというユーティリティを追求する基本コンセプトは一貫しているが、デザインは変化した

 一見して新型フィットとわかるエクステリアだが、「ユーティリティを追求したコンパクトカー」という車両コンセプトは初代以来不変である。

 一方ヤリスは、先代までのヴィッツ、さらにそれ以前はスターレットだった名称を一新するとともに、ニッポンのコンパクトカーに欠かせないユーティリティ性をあえて捨ててスポーティ性に割り切った。

トヨタ ヴィッツ

トヨタ ヤリス…意外と似ている!?

 つまり車両コンセプトを一新し、名前も変えたんだけど、なーんか、パッと見た雰囲気が前型ヴィッツに似ているんだよね。

 いや、ヴィッツとヤリスは全然違うんだよ。それはわかっているんだけど、一瞬「あれ、今のヤリス? ん? ヴィッツだった?」ってなる。

 フィットは一発で新旧見分けられるもん。

 どっちがいいって話じゃないけど、やっぱり新型に乗るんだったら「おっ、新型もう乗ってる!」って注目されたいってのが本音だな。

■変えようがない?? MINIシリーズの不変性

 これまた見分けが難しいMINI。もっともクラシックMINIをオマージュした造形こそが現代のMINIなのだから、変えようがないというのが実際のところ。フロントグリルなど、デザインの洗練度は先代のほうが高いかな。

MINI(旧)

MINI(新)

■ポルシェ911は変わらないことが魅力!?

 930型や964型時代には「違い」がわかりやすかったポルシェ911だが、ここ最近の997→991→992型になると、ちょっと見分けが難しくなってきた。ま、この形こそが「ポルシェ911」なんだけどね!

ポルシェ 997

ポルシェ 991

ポルシェ 992

■カローラはある意味原点回帰のフルモデルチェンジ

 全幅が1700mm以上に拡幅され3ナンバーとなったり、ラウンドしたルーフラインなど大きくイメチェンしたカローラ。でも、ある意味、カローラの基本コンセプトって「若者に向けた走りのいいクルマ」だったはず。原点回帰かもしれない。

トヨタ カローラ

【画像ギャラリー】人気現行モデルから物議を醸した名車まで モデルチェンジの変遷を写真でみる

こんな記事も読まれています

【新車価格情報】軽自動車 デビュー&改良情報(ダイジェスト)※2024年4月20日時点
【新車価格情報】軽自動車 デビュー&改良情報(ダイジェスト)※2024年4月20日時点
カー・アンド・ドライバー
GW渋滞、九州道のピークは5月3日に最大30km! 東九州道と長崎道も混雑か【ゴールデンウィーク渋滞予測2024】
GW渋滞、九州道のピークは5月3日に最大30km! 東九州道と長崎道も混雑か【ゴールデンウィーク渋滞予測2024】
くるくら
運転免許証「12桁の数字」どんな意味? 個人情報はドコまで分かる?最後の“1桁“に隠れているコトとは
運転免許証「12桁の数字」どんな意味? 個人情報はドコまで分かる?最後の“1桁“に隠れているコトとは
くるまのニュース
バイクのタイヤ交換した! 交換したタイヤのベストな保管方法とは
バイクのタイヤ交換した! 交換したタイヤのベストな保管方法とは
バイクのニュース
レンジローバー最初のEV、プロトタイプの写真を公開
レンジローバー最初のEV、プロトタイプの写真を公開
レスポンス
東京ディズニーの新ホテル、1泊34万円超の豪華客室も[新聞ウォッチ]
東京ディズニーの新ホテル、1泊34万円超の豪華客室も[新聞ウォッチ]
レスポンス
遂に試乗!原点回帰のランクル新型「250シリーズ」。「300」、「70(ナナマル)」、先代もイッキ乗り!!
遂に試乗!原点回帰のランクル新型「250シリーズ」。「300」、「70(ナナマル)」、先代もイッキ乗り!!
月刊自家用車WEB
フェラーリが大型スポンサー契約締結! 米テクノロジー大手とのタッグでチーム名も『スクーデリア・フェラーリ HP』に
フェラーリが大型スポンサー契約締結! 米テクノロジー大手とのタッグでチーム名も『スクーデリア・フェラーリ HP』に
motorsport.com 日本版
あの「ハチハチ」を再現!! ホンダ「NSR250R」が1/12スケール完成品モデルで新登場
あの「ハチハチ」を再現!! ホンダ「NSR250R」が1/12スケール完成品モデルで新登場
バイクのニュース
渋滞40kmも!? 関越道「イライラGW渋滞」今年はいつが酷いのか 「穴場の時間帯」知ればストレス全然違う!? 鬼門の「高坂SA」の状況は
渋滞40kmも!? 関越道「イライラGW渋滞」今年はいつが酷いのか 「穴場の時間帯」知ればストレス全然違う!? 鬼門の「高坂SA」の状況は
くるまのニュース
アストンマーティン『DBX』に改良新型、内装一新…707馬力仕様に一本化
アストンマーティン『DBX』に改良新型、内装一新…707馬力仕様に一本化
レスポンス
スバル、レガシィセダンの生産を2025年春に終了 セダンはWRXのみのラインアップへ
スバル、レガシィセダンの生産を2025年春に終了 セダンはWRXのみのラインアップへ
日刊自動車新聞
三菱ふそう、キャリアカー仕様のeキャンター新型など展示予定…ジャパントラックショー2024
三菱ふそう、キャリアカー仕様のeキャンター新型など展示予定…ジャパントラックショー2024
レスポンス
フェイスリフトされた新型「アウディ A3」をテスト&徹底チェック!第4世代A3の性能と評価は?
フェイスリフトされた新型「アウディ A3」をテスト&徹底チェック!第4世代A3の性能と評価は?
AutoBild Japan
いすゞとUDトラックス、ジャパントラックショー2024に共同で出展へ
いすゞとUDトラックス、ジャパントラックショー2024に共同で出展へ
レスポンス
新型ヴェゼルがビッグマイナー! 新グレードも!
新型ヴェゼルがビッグマイナー! 新グレードも!
グーネット
やっぱりダイハツ不正の影響は大きい! 2023年度の新車販売台数ランキング「盤石のクルマ」と「急落したクルマ」
やっぱりダイハツ不正の影響は大きい! 2023年度の新車販売台数ランキング「盤石のクルマ」と「急落したクルマ」
WEB CARTOP
レッドブルF1、注目集まる2025年ドライバーラインアップ決定は”シーズン終盤”に「我々は今のペアで満足」
レッドブルF1、注目集まる2025年ドライバーラインアップ決定は”シーズン終盤”に「我々は今のペアで満足」
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

14件
  • 売れてる車のデザインを変えてしまうと不安、デザインを変えないと新鮮味が無く乗り換え需要が心配、ホンダは悩む所だろうな。
  • フィットは韓国人デザイナー
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村