戦闘もできるジェット無人機MQ-28A
中谷 元防衛大臣と、オーストラリアのリチャード・マールス副首相兼国防大臣が2025年9月に防衛相会談を行い、2026年度オーストラリアで行われる予定のUAS(無人航空機システム)MQ-28A「ゴーストバット」の飛行試験に、航空自衛隊が研修の形で参加することで合意しました。
【もはや全部できる…】これが「“無人”空中給油」の様子です(写真)
MQ-28Aはオーストラリアとボーイング・オーストラリアが共同で開発を進めているジェットエンジンを動力とするUASです。もともとISR(情報収集・監視・偵察)を主用途として開発がスタートしましたが、その後、搭載するミサイルなどによる戦闘も用途に追加されています。
2025年5月に開催された防衛総合イベント「DSEI Japan」の会場でボーイングが行った説明会では、2026年度に行われる試験には、ミサイルの実射も含まれていることが明らかにされています。
その、ミサイルの実射を伴う飛行試験に航空自衛隊が参加するかは不明ですが、中谷防衛相とマールズ副首相兼国防相は有人戦闘機と協働するUAS「CCA」(Collaborative Combat Aircraft)の進展の認識でも一致を見ています。
日本はイギリス、イタリアと新戦闘機を共同開発するプログラム「GCAP」を進めています。GCAPで開発される新戦闘機はCCAとの協働を前提としています。新戦闘機と協働するCCAについては、防衛省が独自に研究開発を行っていますが、今後登場する戦闘機は、大きさや用途の異なる複数のCCAとの協働能力が求められます。
MQ-28Aは防衛省が研究開発を進めているCCAより大型ですから、航空自衛隊が国産CCAに加えて、MQ-28Aを導入する可能性もあります。またオーストラリアはGCAPで開発される新戦闘機の有力な輸出候補国であり、将来オーストラリア空軍の主力CCAとなるMQ-28Aについて、早い段階から情報収集をしておく必要もあるのでしょう。
でっかい無人機に可能性を託す「2つの任務」
このMQ-28Aの飛行試験へ航空自衛隊が参加する背景には、オーストラリア空軍とともに自国へ導入するCCAとしての適合性を探る目的もありますが、筆者(竹内 修:軍事ジャーナリスト)は、さらに大きな二つの目的があるのではないかと思います。
2025年9月13日付の読売新聞は、防衛省が中国のUASに対する航空自衛隊の緊急発進にUASを活用することを検討しており、2026年度予算の概算要求に関連経費として11億円を計上したと報じています。
読売新聞は海上自衛隊が2027年度から導入を開始するUAS、MQ-9B「シーガーディアン」を使用して3年間試験を行うと報じており、おそらく航空自衛隊はその試験結果を基にUASを緊急発進に使用するか否かを判断するでしょう。
MQ-9Bは優れた航続能力と情報収集能力を持つUASですが、プロペラ機のため巡航速度は200km/h台と低く、長時間の海洋監視などには適していますが、「緊急」発進には適しているとは言えません。
航空自衛隊もその点は承知しているでしょうから、本格的にUASを緊急発進任務に使用するとすれば、速度性能の高いジェット機型のUASを導入すると考えられます。
MQ-28Aは有人航空機との協働だけでなく、単独でも運用できます。航空自衛隊が緊急発進任務にUASを活用するのであれば、おそらくMQ-28Aは有力な候補になると考えられ、航空自衛隊の飛行試験への参加は、MQ-28Aがその用途に適しているのかを探る目的があると筆者は見ています。
もう一つの「無人化したい任務」とは?
もう一つの目的は、防衛省・航空自衛隊が将来の導入を検討している「無人化空中給油機」へのMQ-28Aの適合性を探ることだと考えます。防衛装備庁は2024年に「無人化空中給油機に関する将来装備検討のための検討役務」の一般競争入札を行っていました。
2025年10月の時点で開発計画が進行している空中給油可能なUASは、ボーイングがアメリカ海軍向けに開発しているMQ-25「スティングレイ」だけですが、このMQ-25はアメリカ海軍やヨーロッパ諸国の空軍で採用されている「プローブ・アンド・ドローグ」方式の空中給油方式を採用しています。したがって、そのままの形では「フライングブーム」方式の空中給油に対応している航空自衛隊のF-35A戦闘機やC-2輸送機への空中給油はできません。
オーストラリア空軍は2025年10月現在、プローブ・アンド・ドローグ方式のF/A-18F戦闘機24機と、F/A-18Fをベースに開発されたEA-18G電子攻撃機、フライングブーム方式のF-35A戦闘機を72機運用しており、F-35Aは2050年代まで使用される予定となっています。
今のところオーストラリア空軍には無人空中給油機の具体的な導入計画はないようですが、将来保有を検討することになれば、F-35Aに空中給油が可能なフライングブーム方式の給油システムを備えたUASになるでしょうし、その場合、プラットフォームとなるUASはMQ-28Aをベースとするものになると考えられます。
航空自衛隊のUASの緊急発進への活用も、無人空中給油機の導入も、実現するとしてもまだ先の話ですが、早い段階から有力な候補となり得るMQ-28Aの情報を収集しておくのは望ましいことだと思います。その意味において来年度に行われる飛行試験への航空自衛隊員の参加は、意義深いものだと言えるでしょう。
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みんなのコメント
しかし空中戦はいよいよ無人戦になるのかなぁ・・・。
また、一人前のファイターパイロットを育成するには、時間換算で億単位のコストもかかりますし、事故があれば簡単に失われるものでもあり、その補充にも新たな時間とコストが必要になり、場合によっては補充できない事も十分あり得ます。
1個飛行隊を編成するのに、12機から16機が必要になりますが、隊長と副隊長及びそれぞれのサポートで2名計4名ファイターパイロットがいて残りは全部無人機という運用が可能であれば、あとは課題は予算だけという事にもなります。