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今季はアウディvsホンダ・シビック・タイプRの様相へ。世界戦経験者ブティが初勝利/TCR欧州第2戦

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今季はアウディvsホンダ・シビック・タイプRの様相へ。世界戦経験者ブティが初勝利/TCR欧州第2戦

 ポルトガルのアルガルベ・サーキットに続き、ベルギーのスパ・フランコルシャンで開催されたTCRヨーロッパ・シリーズ第2戦は、その開幕戦に続き『アウディRS3 LMS2』vs『FL5型ホンダ・シビック・タイプR TCR』の対決構図の様相に。

 予選ではフェリペ・フェルナンデス(オート・クラブRC2バレス/FL5型ホンダ・シビック・タイプR TCR)がラップレコード更新でポールポジションを獲得すると、続くレース1では昨季FIA TCRワールドツアーに参戦していたマルコ・ブティ(MMモータースポーツ/FL5型ホンダ・シビック・タイプR TCR)が鮮烈なシリーズ初優勝。そしてレース2では、ヨーロッパ復帰組のテディ・クレーレ(チーム・クレーレ・スポーツ/アウディRS3 LMS2)が、開幕勝者ジミーに続く快勝を飾っている。

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 開幕のポルティマオでは昨季総合4位のルベン・ヴォルトを擁して戦ったALMモータースポーツは、この5月16~18日の週末に向けTCRスペイン優勝経験者のステン・ドリアン・ピリマギと、TCRバルティックに参戦するスヴェン・カルセを追加した3台体制に拡充。チームタイトルのディフェンディングチャンピオンとして、本腰を入れる態度を示した。

 これで総勢22台の争いとなった予選では、同じホンダ陣営のRC2レーシング・チームが勢いを見せ、フェルナンデスがエリック・ジェネ(モンラウ・モータースポーツ/クプラ・レオンVZ TCR)をわずか0.050秒差で抑えて最速タイムをマーク。2018年にジャン-カール・ベルネイが保持していたTCRラップレコードを更新してのポールポジションを射止めることに。

 一方、フェルナンデスと同じスペイン出身のジェネは、開幕戦で次戦降格のペナルティを受けており、フロントロウには予選Q1ですでにラップレコードを破っていたサンティアゴ・コンセプシオン(オート・クラブRC2バレス/FL5型ホンダ・シビック・タイプR TCR)が並ぶ結果となった。

「信じられない気持ちだ。どうしてこうなったのか分からない。このコースが大好きで、週末のために一生懸命練習してきた。でも、どうやってここまで来たのか……本当に分からないんだ」と、自身がこのリザルトにもっとも驚いていると強調したフェルナンデス。

「昨年はリバースポールからスタートしてふたつポジションを落としたから、明日は良い結果を残せたらいいなと思っている。チームメイトと並んでスタートするし、明日はどのように連携して素晴らしい結果を出すか。後ほど話し合いだね!」

 そのミーティングが威力を発揮したか、それとも逆効果だったか。ターン1のラ・ソースで僚友にポジションを奪われたポールシッターは、続くレ・コームでさらに後続に飲み込まれ、リードを奪われるどころか大きくポジションを失うことに。

 このオープニングラップで猛烈なスパートを披露したのが5番手発進だったブティのFL5シビックRで、まずはスタートの蹴り出しで同じホンダ陣営のヴォルトを仕留めると、すぐにケメル・ストレートを経てコンセプシオンに次ぐ2番手に浮上。ラップ終盤のバス・ストップ・シケインでインに飛び込み、シケインを首位で立ち上がってトップに躍り出る。

 そのまま集団から抜け出し始めたブティだったが、ヴォルトのトラブルによる停車や、開幕ウイナーのジェンソン・ブリックリー(モンラウ・モータースポーツ/クプラ・レオンVZ TCR)がタイヤトラブルに見舞われたことで、都合2度のセーフティカー(SC)にも行手を阻まれる。

 しかし、そのいずれも落ち着いた対応を見せポジションを維持した世界戦経験者は、ラスト1周のスプリントも制してトップチェッカー。その背後には、レース序盤でマシン後部への右後輪接触でボディワークが擦れ、一時は続行も危ぶまれたジュン・サン・パク(ソライト・インディゴ・レーシング/ヒョンデ・エラントラN TCR)とコンセプシオンの続く表彰台となった。

「まずは素晴らしいスタートが切れた。その後、オー・ルージュを終え2番手になり、サンティ(コンセプシオンの愛称)をオーバーテイクすることができたんだ」と、オープニングラップの猛チャージで勝利を奪ったブティ。

「レース1ではマシンの状態が非常に良かったし、タイヤにも負担をかけないよう努めた。木曜のクラッシュの後、チームは夜通し作業をしてマシンを修復し、素晴らしい仕事をしてくれた。おかげでレースでは自信を取り戻すことができたよ」

 しかし明けた日曜レース2ではブティに試練が訪れ、オープニングラップの終盤でパクのヒョンデと交錯すると、バトルの余波で幾度ものコースオフを喫しながら表彰台圏内にまで浮上していく。ただ、先を急ぐあまりに気持ちが急いたか。ラフな操作が祟り10周目の高速ブランシモンでトラックを外れ、タイヤバリアに激突。これで週末の連続表彰台の望みが絶たれてしまう。

 そんな前日勝者とは対照的に、落ち着いたレース運びを見せたのがクレーレ兄弟で、まずはリバースポール発進だったヴィクトル・アンダーソン(MA:GP/リンク&コー03 TCR)をテディが仕留めると、ホンダのクラッシュでジミーも2番手に浮上。そのままアンダーソンを従え、テディ&ジミーがワン・ツーフィニッシュを飾ってみせた。

「僕たちは真のチームメイトだからね。このような結果を出すために一緒に取り組んできたし、今回のレースではスタートが鍵だと分かっていたんだ」と、ランキングでも兄弟を4ポイント差で逆転したテディ。

「ターン1を過ぎてリードを獲得し、そこから集中力を高めた。2、3周走った頃にはとても良いポジションにつけ、マシンにもとても慣れていた。素晴らしい仕事をしてくれたチームに感謝したい」

「開幕2戦を終えてランキングトップに立つことができて本当にうれしいが、シーズンは長く、あらゆることが起こり得るとも理解している。自分自身に集中し、ベストを尽くさなければならないね」

 続くTCRヨーロッパの第3戦は、6月6~8日の週末にドイツ・ホッケンハイムで争われる。

[オートスポーツweb 2025年05月19日]

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