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若者の「昭和レトロブーム」に車はなぜ乗っかれない? トレンドに即対応できない訳

■1万台限定だった名車「Be-1」はなぜ復活しない?

 デジタルが当然の令和の時代に、デジカメやスマホのカメラではなくフィルムカメラや「写ルンです」を使ったり、音楽ファイルではなくレコードやカセットテープを愛用したりという「昭和レトロブーム」が一部で続いています。

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 大きな話題となった「バブリーダンス」に代表されるように、当時を知らない若い世代が中心となっているのも面白い現象といえるでしょう。では、それを踏まえて若者向けに昭和レトロブームを反映させたクルマは作れないものでしょうか。

 20型のトヨタ「ソアラ」や、爆発的に売れた80型のトヨタ「マークII」、中古車市場で高い人気を誇る日産「レパード」、名作といわれるR32型の日産「スカイライン」などの雰囲気を持った新車を作れば、話題になることは間違いなさそうです。

 最近は木村拓哉さんがマクドナルドのCMで乗っていた古い日産「テラノ」も一部で注目されました。

 レトロカーのブームは、かつて日本でも起きたことがあります。バブル経済真っ盛りの1987年に、日産が「Be-1」というレトロデザインのコンパクトカーを発売すると大きな話題に。

 メカニズムは当時の「マーチ」をベースに、専用ボディをはじめ内外装のデザインを独自としたモデルです。限定1万台に対して、購入申し込みが殺到する社会現象になりました。

 その後「パオ」や「フィガロ」とシリーズが続き、いずれも人気が沸騰。それらは「パイクカー」と呼ばれました。

 前例があるのなら、それと同じように自動車メーカーはレトロカーを作れないのか。そう思えますが、話は簡単ではありません。クルマを取り巻く環境の変化からハードルが高くなってしまったのです。

 まず前提として、クルマの開発にかかる手間やコストは従来に対して増しています。

 パイクカーが市販された30年ほど前のクルマはアナログで 、いまほど安全装備も充実していませんでした。

 しかし、いまのクルマは衝突被害軽減ブレーキをはじめとする先進安全技術や電子制御が大きく入り、それらを車種ごとに開発するのに大きな手間とコストがかかります。

 車体も衝突安全や歩行者保護を考え、30年間に比べると複雑な構造となりました。それは、車種ごとに綿密な設計を必要とすることを意味します。

 かつてのパイクカーは、例えば「マーチ」をベースにボディを換えて開発しましたが、いまは同様の手法をとったとしても開発にかかる手間が大きく増えてしまったのです。

 たとえベース車両があっても、かつてのように短時間でクルマを作り上げることはできません。だから一過性のブームをすぐにクルマ作りに反映させるのは難しいのです。

 もうひとつは、マーケットの問題です。かつてのBe-1などは、いまよりもクルマがシンプルだったゆえに開発費を抑えられたので、1万台程の販売計画でも市販化が可能でした。

 しかし、いまは以前に比べて開発コストが高くなったので、少量生産の商品企画は難しくなっています。かつてのように1万台から5万台程度の販売では、市販化は難しいといわざるを得ません。

 もし昭和レトロを反映したクルマを開発して発売したとして、十数万台の販売が見込めるでしょうか。少量販売を前提とすると、車両価格を高く設定しなければ成り立たないでしょう。

 すると、ますます買う人は少なくなるという負のスパイラルにはまってしまいます。

■日産新型「フェアレディZ」のデザインは何をオマージュしている?

 また、パイクカーが高い人気を得たバブル期は、遊び心のあるクルマを選んでもらえる風潮がありました。実用性を気にせず、雰囲気でクルマ選びをする人がたくさんいたのです。

 しかしいまは、堅実な定番商品を選ぶ傾向が高まっています。そうなると、デザインを重視したクルマはますます難しくなるでしょう。

 そのうえ、クルマを購入する層と、レトロブームに乗っている層が重なっているかも大切。いまの昭和レトロブームの主体が若者だとすれば、彼らや彼女らがクルマを買う層といえるかどうかもポイントになってきます。

 そう考えると、一過性の昭和レトロブームに乗ってクルマを作り販売するのは難しいといわざるを得ないでしょう。

 しかし世界を見回すと、“古き良き時代”のノスタルジーを重視したデザインを基本としているジャンルがあります。アメリカンマッスルカーです。

 フォード「マスタング」やシボレー「カマロ」、そしてダッジ「チャレンジャー」など、2000年代に入ってから登場したアメリカンマッスルカーは、1960年代から70年代の雰囲気を持ったデザインで人気を博しています。

 その背景にあるのは、購入層との親和性の高さでしょう。

 アメリカンマッスルカーを選ぶのは、かつて子供の頃に憧れた、もしくは昔の雰囲気に魅力を感じる人たち。一過性のブームではなく、毎年コンスタントに年間約5万台以上を販売しているヒット商品となっています。

 だからノスタルジックなクルマ作りが成立するのです。

 ところで、先日発表された次期型の日産「フェアレディZ」のデザインは、フロントがS30型と呼ばれる初代モデル、リアは1989年にデビューしたZ32型のオマージュといいます。

 つまり、かつての雰囲気を反映させた意匠であり、それは一過性のブームを反映しているのではなくスポーツカーの「懐古主義」の流れに乗ったものといえるかもしれません。

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