2月3日、TRICK STAR RACING(トリックスターレーシング)は、『Team Kawasaki Webike Trickstar』としてFIM世界耐久選手権(EWC)にフル参戦することを発表した。ライダーはランディ・ド・プニエ、渡辺一樹、クリストフ・ポンソンが起用される。
TRICK STAR RACINGは、ラナ エンタテインメントとタッグを組み、エヴァンゲリオンレーシングとして2010年から鈴鹿8耐に参戦していた。EWCでは、2016/2017シーズンに『エヴァRT Webike TRICKSTAR』としてフル参戦した経験があり、第1戦ボルドール24時間では3位表彰台を獲得している。
ヨシムラスズキ離脱の渡辺一樹がカワサキ復帰。2023年はトリックスターからEWCにフル参戦
翌2017/2018シーズンは、体制が不充分であることを理由にヨーロッパラウンドには参戦せず、最終戦鈴鹿8耐には出場することとなり、近年は鈴鹿8耐の常連チームとして注目されている。
そんなTRICK STAR RACINGは、新チームとなる『Team Kawasaki Webike Trickstar』を立ち上げ、2023年からEWCに出場する。
新チーム誕生の経緯としては、10年以上EWCにカワサキのトップチームとして参戦し、2019年にはチャンピオンに輝いたTeam Webike SRC Kawasaki Franceのジル・スタフレア監督が2022年限りでの引退を表明。チーム活動中止に伴い、同チームをサポートしてきたTRICKSTAR代表の鶴田竜二氏が、その後を受け継いだ形だ。
Team Kawasaki Webike Trickstarは、鶴田竜二氏が代表兼監督を務め、Team SRCのテクニカルマネージャーだったトーマス・ブディンを中心に日本からサブマネージャーとして中山圭介氏がクルーを束ねる。
マシンはライムグリーンのカラーリングを施したカワサキNinja ZX-10RR、ゼッケンナンバーはTeam SRCが長年使用した『11』、EWCクラスを戦い、ブリヂストンタイヤを使用する。ライダーは上記の通り、渡辺、フランス人ライダーのド・プニエとポンソンといった実力、経験ともに豊富な3名だ。
チームは「初年度から勝利とタイトル獲得を目指して参戦する」としている。
■鶴田竜二(代表兼監督)
「これまでKawasakiブランドを背負い世界耐久選手権に参戦してきたTeam SRC監督ジル・スタフラ氏が2022年をもって引退する事となり、新たに2023年から私がそのチームを引き継ぐ事になりました。それに伴い新たにフランスに株式会社リバークレインと株式会社モトハウスが共同でチームを立ち上げ私、鶴田竜二が代表兼監督としてチームをまとめ今後のEWC世界耐久選手権シリーズにタイトル獲得を使命とし長期的にフル参戦して行く事となりました」
「振り返る事、昨年中旬にジル監督の突然の引退表明を聞き私はとても驚き、次の瞬間にこれまで一緒に戦ってきたチームはどうなってしまうのか? なんとかカワサキの強いEWCチームを存続させる為、ジル監督はじめチームスタッフ、ディスカバリーチャンネル役員フランソワ・リベイロ氏やKawasaki France様をはじめKawasaki Europe様、株式会社カワサキモータースジャパン様のご支援とご協力を受け、これまで私達をサポートしてくれたWebike代表の信濃孝喜氏と一緒に今回のプロジェクトをスタートさせる事になりました」
「ライダーにはランディ・ド・プニエをはじめとした経験豊富な選手を起用しマシンはKawasaki Ninja ZX-10RRを用い、新生チームですが初年度からタイトルを目指して戦って参ります。私達Team Kawasaki Webike Trickstarはタイトルを目指すのは勿論の事、この機会を与えて頂いた事に感謝すると共にEWCをはじめモータースポーツをより盛り上げていけるよう取り組んで参ります」
「TRICKSTARレーシングが2013年EWC世界耐久ロードレース選手権ル・マン24時間耐久レースに世界一を目指し挑みはじめてから10年が経ちました。これまで栄光と挫折を繰り返す日々を送ってきましたが、振り返れば失敗の方が明らかに多かったと思います。ただその失敗を繰り返し、立ち上がる事で我々は強くなり成長してきていると感じています」
「今後もEWCに参戦する事で成長しもっともっと強くなり勝ち続けたいと願っております。こうしたチャレンジの場を与えて頂いたEWC、カワサキ、Webikeをはじめ各スポンサー様、各ご関係者様にこの場を借りて心より感謝をお伝え申し上げます。私達の今後の取り組みを通してヨーロッパや日本、アジア、そして今後世界中に耐久ロードレースの素晴らしさが伝わり、発展していく事を切に願っております」
■ランディ・ド・プニエ
「まず最初に今年もカワサキで戦えることをとても誇りに思いますし、このような機会を与えて頂いたことを心から嬉しく思っています。自分はMotoGP、EWCとカワサキマシンを長く駆ってきているので、昨年末でSRCがEWCチームを解散というニュースを聞いた時には大きなショックを受けましたが、そのプロジェクトが鶴田氏により引き継がれ、このように素晴らしいチームとして生まれ変わり、新たなチャレンジの場を頂けたことに本当に感謝しています」
「年齢的にももしかしたらこのチームでのチャレンジが自分のキャリアにおいて最後のチャレンジになるかもしれないので、各レースでの優勝、そしてEWC世界チャンピオン獲得への思いは人一倍だと自負しています。新生チームでありながら、前監督が残した軌跡をしっかりと引き継ぎ、同じ方向性、同じ目標を継続しながら新たな物を取り入れ、さらに今まで同様にカワサキヨーロッパ、カワサキ本社から直接のサポートを受けてチャンピオンシップを戦えることは勝つための要素として非常に大切な部分であり、我々チームはその必要な要素を全て持つことができたとても戦闘力の高いチームだと思っています。開幕戦までまだ少し時間はありますが、今からル・マン24時間レースが楽しみでなりません」
■渡辺一樹
「新生チームKawasaki Webike Trickstarに加入することが決まりシーズンに向けてとてもワクワクした気持ちでいます。2023シーズンこのチームのレギュラーライダーとして、高い実力と経験を持った仲間たちとともに、新たなチャレンジに挑戦します。鶴田竜二監督と共に新たなチーム。そしてその新たな挑戦を共に戦うライダーとして選んでくれたことを光栄に思います」
「久しぶりに乗る『Kawasaki Ninja ZX-10RR』でTeam SRCが長年使用した『11』のゼッケンナンバーで勝利を目指し、チームには、MotoGPの経験を持つランディ・ド・プニエを筆頭に、クリストフ・ポンソンなど実力と経験に優れた2人と戦います」
「自分のこれまでの経験を活かし世界タイトルを獲る強いチームとして一緒に成長し、見てくださる観客の皆さんと感動を共有し楽しんでもらえるレースをしたいと思います。応援よろしくお願いいたします」
■クリストフ・ポンソン
「まずEWC選手権でオフィシャルバイクを駆ってチャンピオンシップを戦えるというこの素晴らしいチャンスを与えて下さった鶴田監督とカワサキに心から感謝しています。自分はフランス人なのでフランスのモータースポーツとして歴史があり人気も高い24時間耐久レースの映像を幼少期からずっと観てきて憧れを抱いていたため、そこに自分自身が参戦できることはまさに大きな夢が叶った思いで、本当に嬉しく思っています」
「カワサキとチームのために自身のベストを尽くして良い結果を得るために最大限尽力するつもりですし、レースが今から楽しみで仕方ありません」
「世界耐久戦には初チャレンジとなり、学ぶことも多いと思いますが、ランディ、渡辺選手という経験を積んだふたりのチームメイトから事前テストでできるだけ多くのアドバイスを享受し、決勝でベストなパフォーマンスを出すことができるようしっかりと準備をしていくつもりです」
「今回チームメイトとして一緒に戦えるランディは自分にとってフランス人MotoGPライダーとして幼少期のヒーローでもあり、現在は良き友人として共にトレーニングしたりライディングに関するアドバイスを受けたりしているので、彼と同じチームで戦えることは感慨深く特別な思いでもあります。この感謝の気持ちを、チーム加入へのご協力を頂いた全ての皆様に結果でお返しすることができるよう全力で挑んでいきます」
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