■ゴジラが出たぞー! 迫力満点な「GT-R SUV」の正体とは
日産「GT-R(R35)」をベースとしたクロスオーバーSUVがオランダで爆誕しました。
パワーアップした心臓部と、迷彩柄のボディが際立つオンリーワンのモデルは、一体何者なのでしょうか。
【画像】「ゴジラ2.0」ってなんだ!? カッコよすぎる「GT-R SUV」爆誕!(61枚)
「Classic YOUNGTIMERS CONSULTANCY」というオランダの企業が、日産を代表するスポーツカーのGT-Rをオフロード仕様にカスタムして販売を始めました。
これまでベントレー「コンチネンタルGT」やランボルギーニ「ガヤルド」もオフロード化されており、同社によると「スーパーカーのオフロードカスタム」は3度目の試みのようです。
そして、完成したのは「GT-R オフロード ゴジラ2.0」というクルマです。
GT-Rの祖先に当たる「スカイラインGT-R」は「羊の皮を被った狼」とも呼ばれていましたが、2007年に登場した現行GT-R(R35型)は海外を中心に「ゴジラ」というあだ名が付けられています。
なぜこのようなあだ名が付けられたのかというと、「車重が重いこと」や「無骨なデザインであること」、ほかにも「価格に対して大きなポテンシャルを秘めているから」ともいわれています。そしてもちろん日本の映画界が生み出した怪獣映画の「ゴジラ」と同じく、日産が生み出した名車の「GT-R」という共に「日本製」であることがポイントです。
ゴジラ2.0の車体には厳つい迷彩柄のラッピングが施されており、他車を寄せ付けない圧倒的な存在感を醸し出しています。
車両を詳しく見てみると、オフロードフィールドを走破できるようにサスペンションが交換されています。その結果、最低地上高は純正より120mmリフトアップされた230mmとなっています。
また、ホイールやタイヤもひと回り大きくしているため、それに伴いホイールアーチとマッドガードも変更。加えて、はみ出た部分を覆うためオーバーフェンダーも装着されました。
オーバーフェンダーに覆われた大きなタイヤと、リフトアップされた車体に引き立てられ、ノーマルGT-Rとはシルエットが変わり、車体全体もひと回り大きく見えます。
そして、SUVであることを主張するためには、やはりスペアタイヤの装備が欠かせません。
もちろんゴジラ2.0にもしっかりスペアタイヤを装備。スポーツカーベースの車体であるため、一見すると搭載スペースが見つからないようにも見えますが、ゴジラ2.0ではルーフの上にしっかり固定されています。
このほかにも、ルーフに大型のLEDライトバー、フロントバンパーにLEDのオフロードライトが装備されているため、視界が悪い環境でも問題なく進めます。
搭載される3.8リッターV型6気筒エンジンは、ノーマル状態の485馬力(2009年当時)から600馬力以上にチューンアップされており、日産のワークスチームNISMOが手掛けたGT-R NISMOのパワーも凌ぐ勢いです。
0-100km/h加速は2.5秒、最高速度は330km/hと、もはやレーシングカー並の圧倒的パフォーマンスを発揮します。
■GT-RをSUV化するのは邪道!?
今回のゴジラ2.0のように、スポーツカーをSUV化するという大胆な試みに、違和感を覚える人も多いかもしれません。
しかし近年、SUVに乗用車の快適性を融合した「クロスオーバーSUV」が人気であることや、トヨタの「ヤリスクロス」などコンパクトカーのSUV化が目立ち始めていることから、SUVカテゴリーの方向性自体が一昔前から大きく変わってきているのも事実です。
また、GT-Rのプラットフォームはフロントミッドシップにエンジンを搭載し、リアミッドシップにトランスミッションを配置する「トランスアクスル方式」が採用されています。
日産は、GT-Rで採用されているプラットフォーム「プレミアム・ミッドシップ・パッケージ」について、現在GT-R専用に使われてはいるものの、将来的にセダンやSUVなど、さまざまなボディタイプや動力源で採用できる多様性を秘めているとも説明しています。
さらに、「前後の重量バランスが優れていること」や「4WDであること」はオフロードでも活用できる要素でもあるため、やはりGT-Rはオフロードにも向いている車両であるとも考えられます。
ちなみにゴジラ2.0の価格は9万5000ユーロで、日本円に換算すると約1178万円と、現行モデル「GT-R ピュアエディション」の新車価格の1082万8400円と比べると、90万円以上高い設定となっています。
ただ、これまでのGT-Rの常識からは想像できなかった本格的なオフロード走行が可能なスーパースポーツカーであることを考えると、決して高すぎる値段設定ではないといえるかもしれません。
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