スキーのジャンプ台を登るアウディ100クワトロ
4WDの輸入車を日本に知らしめたのがアウディのクワトロであることは間違いないだろう。1980年代には『アウディ100クワトロ』(3代目)がスキーのジャンプ台を登り切るというテレビCMが放映され、2005年にはクワトロ誕生25周年を記念して、『A6クワトロ』を用いたリバイバルCMも放映された。
また、輸入車はミリタリースペックのオフロード4WDや高級SUVも充実している。メルセデス・ベンツGクラス(ゲレンデヴァーゲン)、ランドローバー・ディフェンダーやレンジローバー、今は販売していないがハマーなど、誕生の経緯からしてストーリーがある、キャラの立ったものが目白押しだ。
さらには、スーパーカーや超高性能スポーツカーが多いのも、輸入4WD車の特徴だ。そのパイオニアとなったのがポルシェ911、そしてランボルギーニ・ディアブロだろう。ランボルギーニはそれに先駆け、今で言うSUVのLM002も開発。カウンタックのV12を積んだオフローダーで、現在のウルスに代表されるスーパーSUVの源流とも言えるクルマだ。二輪では制御しきれないハイパワーを四輪に配分するやり方は、いまや常識となっている。
今回選んだ5台の輸入4WD車に、いわゆるクロカンやSUVはなかった。もちろん、そういったジャンルにも印象深い名車は少なくないのだが、それらは主に悪路走破性を重視した大型車で、4WDシステムのレイアウトや方向性が似てしまうからだろう。
そこで、パッケージングやメカニズムにバラエティのある、スポーツ路線の5台をセレクト。各車種の概要を説明するとともに、乗り味などの感想を含めて紹介する。
アウディRS4(B7系/2006~2008年)
アウディのRSモデルといえば、B4系80をポルシェがチューニングした『RS2』が伝説のように語られている。そして2891台の希少車であるRS2の精神を受け継ぐのが、当時のクワトロ社(GmbH)が手がけたB5系の初代『RS4』で、この2台はワゴンボディのアバントのみだったが、1世代あけたB7系の2代目RS4は、セダンとカブリオレも設定された。
エンジンは、RS2の2.2L直5、初代RS4の2.7L V6に代わり、初代R8と同じ4.2L V8を搭載し、ゼロ発進では4.8秒で100km/hに達する。トランスミッションは6速MTで、センターデフはトルセンを用い、基本となる前後駆動力配分は40:60だが、最大でフロントは65%、リアは85%まで増量できる。
一般路での安定性、機敏性に優れ、ステアリング操作をしたあとはよく出来たFR車のように曲がれる。ウインタータイヤを装着し、雪上や氷上路も走ったが、印象が変わらない。いままで乗った輸入4WD車のなかで、もっとも安心して走れたクルマかもしれない。
ランボルギーニ・ガヤルド(前期型/2003~2008年)
12気筒フラッグシップより若干コンパクトな、いわゆるベビー・ランボが、1988年に生産を終えたジャルパ以来の復活を遂げたのは2003年のこと。それが『ガヤルド』だ。
ただしパワートレインのレイアウトは、かつてのようなV8&MRではなく、後にきょうだい車のアウディR8も採用する5.0L V10で、四輪駆動だった。自然吸気ながら500ps/510Nmを発生し、6速の3ペダルMTとeギアと呼ばれるセミATを設定。2005年には520psへ増強され、スパイダーも加わった。
R8もそうだったが、カミソリのような切れ味のあるクルマで、舗装路でも、ウインタータイヤを装着しての雪上でも、スリルのあるドライビングができた。もちろん4WDならではのトラクションの高さも感じることができ、雨の日の高速道路でも平穏な移動が可能だ。なお後期型では、2009年に限定車、2010年にはカタログモデルとして後輪駆動車も用意された。
メルセデスAMG A45S 4マチック+(2018年~)
かつてターボ+ハイテク4WDのCセグメントといえば日本車の十八番だったが、今やそのカテゴリーの頂点に君臨するのはAMGだ。F1のテクノロジーも応用された2.0L直4ターボは、最大過給圧2.1barで421ps/500Nmを発生し、世界最強の2.0L直4を自認する。
4WDシステムは、前後駆動力配分を100:0~50:50の範囲で連続可変制御し、後輪の左右配分も可変式。FFベースの退屈なハンドリングかと思いきや、AMGダイナミックセレクトのモードをスポーツやスポーツプラスに切り替えて走らせれば「アクセルでコーナーを曲がる」感覚が味わえる。
兄貴分のC63 AMGよりもファンなハンドリングは、まさに羊の皮を被った狼と言える存在である。
フォルクスワーゲン・ゴルフR32(5代目/2006~2009年)
2004年に登場した5代目ゴルフ(V)は、先代比60mm伸びたホイールベースによる居住性向上と、DSGと呼ばれるデュアルクラッチ(DCT)の採用がトピック。動力性能はGTIが200psに達し、かなり刺激的な走りを見せたが、その上を行くのがR32だ。
R=レーシングの頭文字に続く32が、排気量が3.2Lであることを示すのは初代同様(ちなみに初代R32は最初のDSG搭載車)。GTIより130kgほど重いが、ダウンサイジングターボ化を免れ250ps/320Nmを発生するVR6こと狭角V6の性能と、多板クラッチ式4WDが発揮する優れたトラクションの恩恵で、0-100km/h加速は0.9秒も速い6秒フラットをマークする。
日本市場へはMT/左ハンドルの3ドアと、DCT/右ハンドルの5ドアが導入された。5代目ゴルフは、FF車ではドライビングミスで一旦大きめのアンダーステアを出してしまうと、たとえそれがGTIであっても元の軌跡に戻すのが難しい。ところが、R32は簡単に復帰させることができる。そのハンドリングは、『ベスト・オブ・ゴルフV』と思っていい。
ポルシェ911ターボ(992型/2020年~)
2018年に登場した、992型こと8代目911。先代991型の後期から、モデルレンジのベーシックラインであるカレラ系もターボ化されたので、車名のターボはエンジンのスタイルではなく、GTと並び高性能機種を示す記号となっている。ややこしい話だが、そう考えると、EVのタイカンに与えられたターボというグレード名の違和感が、多少は和らぐのではないだろうか。
さて、肝心の992型911ターボだが、エンジンはカレラ系の3.0Lをベースにした3.8Lで、8速DCTと油圧多板クラッチ式4WDを搭載。580ps/750Nmを発生し、パワーウエイトレシオは実に2.8kg/psだ。0-100km/hは2.8秒、最高速度は320km/hだという。
さぞや四輪駆動を生かした磐石の走りをすることだろうと想像して乗ったが、いい意味で4WDであることを感じさせない。街乗りでもサーキットでも、それが速さや愉しさにつながっているのである。
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みんなのコメント
大型SUVのレクサスRXでさえ横置きFFの6AT生活四駆
俺のドイツ系ハイパースポーツクーペでさえ縦置きフルタイム四駆なのに、俺のクーペより走破性も走行性能も低いって、取り柄のない偽ブランド品だよな
恥ずかしくて仕方ないぜ🤣
ちなみにエアサスだから車高も爆上がりできて雪積もっててもへっちゃらなんだぜ?
スタックしてるRXなんて楽々引っ張って走れるぜ🤣