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オールスターキャストが名車に乗って大暴れするドタバタコメディ!! 映画『キャノンボール』を観る!!

掲載 更新 5
オールスターキャストが名車に乗って大暴れするドタバタコメディ!! 映画『キャノンボール』を観る!!

 スーパーカーブームの後期にランボルギーニやフェラーリが登場し、多くのハリウッドスターに加えて大人気のジャッキー・チェンが出演して大ヒットした映画『キャノンボール』。

 登場したカウンタックLP400Sが歴史的な車両として登録されるなど話題の作品をご紹介しよう!

日本で初めてミキサー車を開発したのは、スカイラインの父・桜井眞一郎である!って本当?

文/渡辺麻紀
写真/ツイン、Aston Martin、Lamborghini
(C) 2010 Fortune Star Media Limited. All Rights Reserved.

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■豪華キャストのコメディーシリーズが得た自動車界の栄誉

ワシントンD.C.のナショナルモールに佇むランボルギーニ カウンタックLP400S。映画のオープニングから颯爽と登場し、まさに『つかみはOK』という存在感を見せつけた

 先日、車ファンにとっては何とも楽しいニュースが届いた。

 2009年に設立された米国の「ナショナル・ヒストリック・ヴィークル・レジスター(National Historic Vehicle Register)」に、『キャノンボール』に登場した車、ランボルギーニカウンタックLP400S(#112112)が登録されることになったのだ。これで正式に米国の自動車文化遺産として認められたことになる。

 『キャノンボール』が製作されたのは1981年。今年で40周年を迎えたことも手伝って、この栄誉が贈られたという。

 『キャノンボール』は、香港の映画製作会社、ゴールデンハーベストと、米国の大手スタジオ、20世紀FOXの合作によるカーアクション・コメディ映画。日本では1981年のお正月映画として公開され大ヒットした人気作だ。

ランボルギーニカウンタックを使うのも贅沢だが、ドタバタコメディにそうそうたるスターたちを起用するのもまた贅沢。キャストの中には文字通り星になったスターも (C) 2010 Fortune Star Media Limited. All Rights Reserved.

 オールスターキャストが大きなウリのひとつになっていて、バート・レイノルズを筆頭に、当時、ジェームズ・ボンドを演じていたロジャー・ムーア、『チャーリーズ・エンジェル』で大ブレイクしたファラー・フォーセット。

 懐かしいところでは人気シンガーのサミー・デイビスJr.とディーン・マーティン、香港からはジャッキー・チェンとマイケル・ホイが出演。

 ジャッキーはなぜか日本人という設定で、彼の本格的ハリウッドデビュー作になっている。

 彼らが、それぞれの車を駆って、東海岸から西海岸の5000kmを横断する非公認のカーレース、“キャノンボール”に参加し、大騒動を巻き起こすのだ。

■アメリカの映画はアクションもおふざけもケタ違い!

このカウンタック、なんと12本出しマフラーを装備。12本すべてがマフラーとしての機能を果たしているのかは疑問だが、この壮大さとバカバカしさは映画の内容を体現しているといえる

 映画の冒頭、レイ・スティーブンスが歌う有名なテーマソングとともに登場するのが今回、殿堂入りを果たした黒のカウンタック。

 この車に乗った美女が「SPEED LIMIT 55mph(およそ88km/h)」と書かれた交通標識に赤のスプレーで×印をつけて走り去ると、そのあとをパトカーがサイレンを鳴らしながら追跡するというエピソードで幕を開けるのだが、このふたつの車のカーチェイスが何といってもかっこいい。

 カウンタックが、アッという間にパトカーと差をつけ走り去ってしまうからだ。このカウンタックを筆頭に、キャノンボール・レースにはクセ者ドライバーとそのキャラに合わせた車が登場する。

 主人公のバート・レイノルズ扮するJJチームが選んだのは、スピードを出しても交通法規を守らなくても許されるだろう救急車。こちらはダッジトレーズマンの救急車仕様になっている。

 金持ちの道楽息子役のロジャー・ムーアが乗るのは、当然というかやっぱりというかアストンマーティンDB5。これはショーン・コネリーが『ゴールドフィンガー』(64)で運転していた車と同じ。

 助手席にセクシーな美女を座らせ、シャンパンを飲みつつ、ライバルが近づくとスモークを焚いたりして、まさにボンドカーのノリ。音楽もお馴染みの『007』のテーマ曲という念の入りようだ。

 ロジャー・ムーア時代のボンド映画ではアストンマーティンは一度も使われたことがないのに、このセルフパロディ映画では大盤振る舞いというのが面白い。

道楽息子役のロジャー・ムーアが乗るアストンマーティンDB5。この車が『007』シリーズに登場した際はショーン・コネリーが運転していたのだが、そんなことはお構いなし

 デイビスJr.と、いつも酔っぱらっている赤ら顔のマーティンのコンビは神父に化けて真っ赤なファラ―リ308GTSをドライブ。神父とフェラーリというミスマッチは、あちこちで騒動を引き起こす。

 そしてドライバーのジャッキーと、メカニックのマイケル・ホイの日本人設定チームが駆るのはスバル1600スウィングバック4WD(輸出名)ことレオーネだ。当時北米では珍しい乗用車の4WDで、ドア部分に「4WD」と大きくペイントされている。

 日本であることを意識してなのか、車内にはコンピュータやビデオデッキが搭載されていて、さしずめハイテクカーのつもり。そのビデオデッキで、疲れ果てたジャッキーがポルノ映画の『グリーンドア』を観るジョークもあるが、彼のファン的に見どころは後半に見せるアクション。

 バイク暴走族のヘルズエンジェルらしき一団と、ジャッキーにしてはささやかなアクションを見せている。その暴走族のリーダーを演じているのは、ニューシネマの傑作と言われる『イージーライダー』(69)で、さすらいのバイカーを演じていたピーター・フォンダというのも、ちょっとしたサプライズだ。

 また、何でも札びらで解決しようとするアラブの王族チームの車は、お金持ちらしくロールス・ロイスのシルバーシャドウ。セクシー作戦で警官を惑わす女性チームはオープニングのランボルギーニ・カウンタックを走らせる。

 そのほかにもシボレー・マリブ、ポンティアック・ファイヤーバード・トランザム等が登場している。

■ユルさも味わい! スクリーンの向こうに古き良きアメリカが

若かりし頃のジャッキー・チェンも出演。日本人という設定なのだが、役名は俳優名と同じ『ジャッキー・チェン』となっている。細かいことは気にしてはいけない (C) 2010 Fortune Star Media Limited. All Rights Reserved.

 映画はいま観ると驚くほどユルいのがご愛敬なのだが、米国では1981年公開作で6番目のヒット作となり、日本でも21憶円の収益を上げてシリーズ化。のちに『キャノンボール2』(84)、『キャノンボール3 新しき挑戦者たち』(89)まで作られた。

 『2』は『1』同様に、レイノルズやジャッキーが出演し、監督もハル・ニーダムで製作には香港のゴールデンハーベストが加わっているが、『3』も一応、シリーズに入っているとはいうものの、原題は前2作の『Cannonball run』から『Speed Zone』となり、監督も出演者も製作も別人で主題歌も違う。

 それでも正統的なシリーズ扱いされているわけは、オープニングがカウンタックとパトカーのチェイスシーンになっているから。

 ちなみにこのカウンタック、『2』は白のLP500Sで、『3』では赤の5000QVと替わっていて、しかも『3』のランボルギーニは、川面の三段跳びまでやってのける! これは公開当時、大きな話題になった。

 『1』『2』のエンドクレジットはNG集になっていて、キャストたちがいかに楽しんでこの映画を作ったかが伝わって来る。NG集は『プロジェクトA』(83)から始まったジャッキー・チェン映画の十八番だが、もしかしたら本作の影響で始めたのかもしれない。

 もうひとつ、ジャッキー・ネタで言うと、ジャッキーとのコラボレーションで知られる三菱自動車が登場するのは『キャノンボール2』。このときジャッキーが乗っているのは三菱スタリオンだった。ということは、ジャッキーにとってもこのシリーズは、重要な意味をもっていたということになりそうだ。

●解説●

 実際にある非公認のカーレース、Cannonball Baker Sea-To-Sea Memorial Trophy Dashをモチーフにして作られた作品。アイデアは、実際にこのレースに参加した経験がある監督のハル・ニーダムと、脚本を担当したブロック・イェーツによるもの。

 レイノルズ扮するカーマニアの男とその相棒を中心に車好きの連中が、警察や安全推進委員会なる組織の嫌味な男の追従を交わしながらコネチカットからカリフォルニアに着くまでを描いている。

 監督のハル・ニーダムはスタントマン出身の監督で、レイノルズのスタントマンとしても活躍。ニーダムの初監督作は『トランザム700』(77)というカーアクション・コメディで、レイノルズが主演してこちらもヒット。

 『トランザム7000VS激突パトカー軍団』(80)が作られ、別の監督とレイノルズのゲスト出演のみで『トランザム7000PART3』も作られた。このふたり、ヒットシリーズがふたつもあるゴールデンコンビだったりするのだ。ニーダムは13年に82歳、レイノルズは18年に同じく82歳で亡くなった。

 なお、『キャノンボール』にはリブートのウワサがあり、18年に『2』の製作をしたワーナーがリブート権を手に入れたと報道されている。同社は『ワイルドスピード』のようなシリーズにするつもりらしいと言われていたが、最近は進捗を聞かなくなった。ちょっと気になります!

*   *   *

ブルーレイ
・商品名:キャノンボール
・税込み価格:3,122円

DVD
・商品名:キャノンボール デジタル・リマスター版
・税込み価格:1,572円
・発売元: ツイン
(C) 2010 Fortune Star Media Limited. All Rights Reserved.

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みんなのコメント

5件
  • ラムバンっぽいのを人力で持ち上げてその間にタイヤ交換してるシーンを衝撃的で覚えてる。
  • 今となっては、亡きファラ・フォーセットの胸が一番の見どころ……
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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