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日産フェアディZ(昭和44/1969年11月発売・S30型)【昭和の名車・完全版ダイジェスト054】

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日産フェアディZ(昭和44/1969年11月発売・S30型)【昭和の名車・完全版ダイジェスト054】

この連載では、昭和30年~55年(1955年~1980年)までに発売され、名車と呼ばれるクルマたちを詳細に紹介しよう。その第54回目は、日本を代表するスポーツカー日産フェアレディZの初代の登場だ。(現在販売中のMOOK「昭和の名車・完全版Volume.1」より)

世界を振り向かせた国産&量産スポーツカーの金字塔
フルオープンの2シーター・スポーツとして人気の高かったフェアレディ2000(SR311)がフルモデルチェンジされ、それまでとはまったく異なるクローズドボディのファストバック・スタイルをまとって、フェアレディ Z(S30)として登場したのは昭和44(1969)年10月(発表)のことであった。

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ソレックスのツインキャブを装着し「硬派のスポーツ」としてファンの多かったオープンスポーツカー、 SR311の「早すぎた退場」を惜しむ声も少なくなかったが、「生産の85%は輸出された」と言われるフェアレディが、その主要な輸出先、北米市場の好みを取り入れることで「クローズドボディのフェアレディが誕生した」と言われれば、それは時代の流れだったということだろう。

フェアレディZの国内市販用モデルはZとZ-L、 Z432の3モデルでスタートしているが、このうちZとZ-Lには直列6気筒SOHCの1998cc、ツインキャブで130psのL20型エンジンが搭載されていた。このL20型ツインキャブはセドリックでもおなじみのエンジンであった。

一方、最速モデルのZ432は直列6気筒DOHC24バルブ、1989ccのS20型を搭載。最高出力160ps/7000rpm、最大トルク18.0kgm/5600rpm(ハイオク仕様)を発生した。

S20型は昭和44(1969)年2月に登場して注目を集めたスカイライン2000GT-Rでデビューしたエンジンで、日本GPなどレースで活躍したレーシング・プロト、R380のGR8型のノウハウを詰め込んで生産型としたエンジンと言われていた。「432」というネーミングは、このS20型の「4バルブ・3キャブレター・2カムシャフト」からの命名であった。

サスペンションは前後ともストラットの4輪独立懸架で、ハードな走りに備え、硬めのセッティングとなっていた。ブレーキはフロントにガーリング型ディスク、リアはLT式ドラムを採用。ギアボックスはベーシックモデルのZは4速MTだったが、上級グレードのZ-Lと432にはGT-Rと同じポルシェタイプの5速MTを採用した。

最高速は210km/h、0→400m加速は15.8秒と「シリーズ最速モデル」の名に恥じなかった。ちなみにL20型ツインキャブ、130psを搭載したZの最高速は185km/h、5速MTのZ-Lは195km/hである。

Z432は昭和45(1970)年1月からレースに参戦、4月のレース・ド・ニッポン6時間レースや昭和46 (1971)年4月の富士300kmなどで優勝を飾っている。とくにレース・ド・ニッポンでは同じS20型エンジンを搭載したスカイラインGT-Rと対決して勝利をあげている。

これらのレース出場用として、ラジオやヒーターも外して内装を簡素化、FRP製のボンネットフードやリアスポイラー、アクリル製のリア/サイドウインドウなどを採用することでZ432から80kg車重を軽減し、ガソリンタンクを100L(スペアタイヤは収まらないのでラゲッジフロアに配置)としたレーシング仕様のZ432Rも追加発売されている。

もっとも、レースシーンではトラブルも少なくなかったと言われ、排気量が多い240Zのほうがトルクフルかつ扱いやすさもあって、昭和46年後半あたりからレースの主役は240Zにとって代わられている。そして昭和48(1973)年9月、「排出ガス規制対策」を理由に、Z432の生産は打ち切られた。累計生産台数は約4年間で419台とごく少数であった。

日本はもとより海外でも大ヒットを飛ばした初代Zは、昭和45(1970)年10月にレギュラーガソリン仕様と3速AT車(Z-L)を仲間に加えている。さらに翌年10月には海外仕様と同じL24型SOHCエンジンを積む240Zシリーズを国内市場にも投入。この240Zについてはこの後紹介しよう。´

日産フェアレディZ-L(S30型)諸元
●全長×全幅×全高:4115×1630×1285mm
●ホイールベース:2305mm
●車両重量:995kg
●エンジン型式・種類:L20型・直6DOHC
●排気量:1998cc
●最高出力:130ps/6000rpm
●最大トルク:17.5kgm/4400rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:6.45H-14 4PR
●新車価格:108万円

日産フェアレディZ432(S30型)諸元
●全長×全幅×全高:4115×1630×1290mm
●ホイールベース:2305mm
●車両重量:1040kg
●エンジン型式・種類:S20型・直6DOHC
●排気量:1989cc
●最高出力:160ps/7000rpm
●最大トルク:18.0kgm/5600rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:6.95H-14 4PR
●新車価格:185万円

[ アルバム : 日産フェアレディZ(S30型) はオリジナルサイトでご覧ください ]

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みんなのコメント

3件
  • motorider
    先週の日曜日。旧車のイベントに参加する為に自走で会場に向う旧車軍団の先頭にシルバーのSR311とすれ違った。youtubeやTVとかでは見た事はあるが、自走している実車は初めて。発売から50年経っているのが信じられないコンディションに感激しました! 他にも白とシルバーの箱スカ、鉄仮面、初代のMR2等。クルマは走ってこそ価値があります。
  • エガちゃんねらー
    ククク
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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