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今だからこそ“最近のイイクルマ”を思い起こす──心に残っているクルマ達 2019-2020 Vol.6

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今だからこそ“最近のイイクルマ”を思い起こす──心に残っているクルマ達 2019-2020 Vol.6

クルマ趣味は我慢の今だからこそ、思い切り楽しめる時に備えておきたいもの。そこで、アフターコロナに改めて味わいたい、この1年で印象に残ったクルマ達を紹介。ひと時、ともに楽しい妄想の世界に浸っていただければと思う。

スコットランドの片田舎にある、また走りたいサーキット

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取り敢えず国内では落ち着きを見せているこのパンデミック。しかしながら以前のように自由気ままに旅を楽しめるようになるには、まだまだ時間がかかりそうだ。国内はもちろん海外となると、一体いつになったら再び渡航できるようになるのか、まだ見えてこない。

そんなわけで、諸々収束したら改めて乗りたいクルマをアレコレ考えてきたのだが、多くの場合その記憶とセットで思い出されたのが、それを走らせた道、周囲のロケーションのことだった。そんなわけで今回は、改めて走りたい場所について記していきたい。

今すぐ好きなところに走りに行けるとしたら、どこを選ぶ? 今、即決で答えるならば、目的地はイギリスのスコットランドにあるノックヒル サーキット(Knockhill Racing Circuit)となる。鈴鹿でもニュルブルクリンクでもなく、片田舎にある小さなサーキットを、昨夏に初めて走って、一発で気に入ってしまったのだ。

www.rockyphotography.de激しいアップダウンと狭いコース幅

訪れた目的は、ポルシェ718ケイマンGT4の初めてのテストドライブ。前日まで別の試乗のためにドイツに居た私は、フランクフルト発の飛行機でエジンバラ空港へ。ここからクルマでM90を北上し、約30分も走ればサーキットの入り口に到着する。チケットのもぎりのおじちゃん、おばちゃんが居そうな、とてものどかな雰囲気のコース。途中の緩いコーナーが連続する丘陵地帯では、牛がのんびりと草を食んでいたっけ。

午前中に到着した時の天気は雨。とは言え、この国に来て天気に文句を言っても仕方がない。幸い、走行している別の国の組の走りを見ているうちに雨は上がり、午後の自分たちの走行の時にはレコードラインはほぼ乾いた状態で走ることができた。

ちなみにサーキットも初訪問なら、最新の718ケイマンGT4ともここが正真正銘の初対面。しかし走行はいきなりインストラクターの後を、全開でフォローするかたちで始まった。我々モータージャーナリストの参加する海外メーカーのテストドライブイベントは、いつも大抵そんな感じだ。

このコース、とにかくアップダウンの凄さに圧倒される。最終コーナーを立ち上がりメインストレートに入ると急な上りになるが、スタートライン辺りからはそれが急な下りに。そのまま右、左と切り返す高速S字を過ぎて、更に行くと今度はコーナーの先がまったく見えない丘をひとつ超えるような上り、そして下りが待ち受けているといった具合。けれど、今どきの綿密に設計されたサーキットでは味わえないスリリングな刺激が堪らない。

実際、サーキット外の景色を見ても、おそらくは自然の地形をそのまま活かしているのだろう。人為的ではないだけに先読みがしづらいし、年代モノの、しかも田舎のサーキットだけにコース幅だって非常に狭い。単純に走るだけならいいが、実はここではレースだって開催されている。元F1ドライバーの中野信治氏は武者修行時代にここでレースをし、コースレコードも持っていたと聞いた。一体、この狭いコースのどこに競り合い、抜き合うスペースが有るというのだろう?!

r-photography.info最高のクルマの実力を引き出してくれる

レースではなくテストドライブをする限り、718ケイマンGT4は最高だった。先代に当たるケイマンGT4は、911GT3から流用されたフロントに対して、ストラットサスペンションのリアの抑えが弱く感じられたが、718ケイマンGT4では新設計のディフューザーにより獲得したダウンフォースのおかげで、リアがぴたっと接地し続ける。アップダウンやうねりが連続するこのコースを苦にすることなく、新開発の自然吸気4リッターフラット6を全開で歌わせ、攻め続けることができたのだ。

r-photography.infoポルシェが、敢えてスコットランドの田舎(失礼! )で試乗会を開催したのは、この接地性の高さ、進化ぶりを味わってほしかったからだろう。サーキットに素晴らしい印象を抱いたのは、そこで走らせたクルマが良かったからであるのも間違いない。ノックヒルサーキットは、きっとダメなクルマを簡単にあぶり出してしまうはずだ。最高のクルマと、それを引き出す舞台、あるいは最高の舞台と、それを輝かせるクルマ……とにかく、素晴らしいコンビネーションが強い印象を残したというわけだ。

何もないスコットランドの田舎の、このサーキット。また機会が巡ってきたら、必ずや再訪したい。もちろん、それに相応しいスポーツカーで……。

文・島下泰久 写真・ポルシェジャパン 編集・iconic

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