現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 1.5リッター直3もあれば1.5リッターV12なんてのもある! クルマのエンジンのシリンダー数と排気量の奥深い関係とは

ここから本文です

1.5リッター直3もあれば1.5リッターV12なんてのもある! クルマのエンジンのシリンダー数と排気量の奥深い関係とは

掲載 29
1.5リッター直3もあれば1.5リッターV12なんてのもある! クルマのエンジンのシリンダー数と排気量の奥深い関係とは

 この記事をまとめると

■自動車のエンジンは多気筒化すればそれだけ振動が少なくスムースにまわるといわれている

同じ排気量&気筒数なのになぜ? メーカーによってエンジン音が異なるワケ

■一般的には1気筒あたり500cc±αが最適とされるが軽自動車の主流は3気筒となっている

■技術の進化で多気筒化よりも軽量コンパクト化が現在の主流となっている

 シリンダー数が多いほど上質な回転フィールに

 自動車のエンジンとシリンダー数の関係を考えたことがあるだろうか? 一般的には、シリンダー数が増えるほど振動が少なく、上質で滑らかなまわり方になると言われている。

 では、1シリンダーあたりの適切な排気量というものはあるのだろうか? これも一般的には、1シリンダーあたり400~600cc(500ccを基準にプラスマスナス20%)が適切だと言われている。実際、この例に当てはめると、4気筒なら1600~2400cc、6気筒なら2400~3600cc、8気筒なら3200~4800cc、10気筒なら4000~6000cc、12気筒なら4800~7200ccが適正な範囲ということになる。

 現実的には、1000ccの4気筒エンジン(日産マーチなど)も存在したし、逆に3000ccの4気筒エンジン(ポルシェ968など)も実用化されていた。この例から逆算すると、マーチの場合は1シリンダーが250cc、ポルシェの場合は1シリンダーが750ccということになるが、いずれも市販車用エンジンとして安定した性能を発揮していた。

 同一排気量の場合、シリンダー数が多いとエンジン全体での摩擦損失が大きくなり、またエンジン自体も大型重量級になるというデメリットがある反面、滑らかな回転と高速回転が可能となることから高出力化に向くというメリットを持つ。一方、シリンダー数が少ないと、回転バランスの点で振動がでやすいというデメリットに対し、エンジン自体が軽量・コンパクトに仕上がるメリットを持っている。

 結論から言えば、いずれも一長一短なのだが、軽量コンパクトに仕上げて排出ガスの総量を減らそうという現代の流れにあっては、小排気量エンジンではシリンダー数を少なくする傾向にある。1000ccでは3気筒が標準的なシリンダー数となり、場合によっては1600ccクラスのエンジンでも3気筒+ターボによる高性能エンジンがリリースされる状況だ。

 ちなみに、660ccの軽自動車の主流は3気筒で、1シリンダーあたりの排気量は220ccとなる。4サイクル3気筒が回転バランスに優れることは、WEB CARTOPでも何度か触れてきたが、かつて存在した4気筒は完全に姿を消し、十分な軽量・コンパクト性を備えることで、2気筒より出力特性や回転バランスに優れる3気筒が主流となっている。

 時代は軽量・コンパクト・高効率化に向かっている

 小型車では、2リッターがひとつの境界線となり、この排気量で4気筒と6気筒が併存するかたちとなっているが、6気筒、とくに直列6気筒は、振動のない滑らかで上質な回り方が重視され、フォーマルセダンで使われる例が多い。

 また、かつてバブル期にはコンパクトクォリティを謳って三菱が、ランサー/ミラージュ・セダン用に開発した6A10型1597ccV6エンジンの存在が目を引いた。コンパクトセダンとして上質な回り方を意図した開発だったが、高回転域の特性を上手く活用し140馬力の出力を発生していた。1シリンダーあたりの排気量は266ccである。現在では、エンジンサイズ、重量の点から、この排気量の量産車エンジンとしては絶対にあり得ないシリンダーレイアウトで、当時も世界最小の6気筒と呼ばれていた。

 量産車エンジンではないが、世界最小の12気筒という言い方では、かつてホンダが1.5リッターF1時代に開発したRA271E型1495ccV12エンジンの存在が希有な例だ。1シリンダー当たりの排気量は125cc。4輪メーカーなら及びもつかぬ発想だが、2輪メーカーだったホンダにとって、125ccは使い慣れたサイズ。

 さすがに重厚長大なエンジンになったが、マルチシリンダー化による1シリンダーのダウンサイジングにより、平均ピストン速度を稼ぐことができ、当時のレベルで1万2000回転/220馬力を絞り出していたという。間違いなく世界最小の12気筒エンジンだった。

 効率のよい過給機の開発、過給制御技術の飛躍的な進歩により、マルチシリンダー化による高速回転化、そこから得られる高出力の思考は過去のものとなっている。むしろ、部品点数が多く、エンジンサイズが大型化することで、現在求められている自動車の性能とは相反する部分も備えている。時代は軽量コンパクト、高効率で進んでいる。

こんな記事も読まれています

ENEOSなど3社、EVのバッテリー交換ステーションを京都に開設 最短5分で交換
ENEOSなど3社、EVのバッテリー交換ステーションを京都に開設 最短5分で交換
日刊自動車新聞
ルノーはベストセラーモデルに新風を吹き込む 新型「クリオ」の全情報とドライビングインプレッション!
ルノーはベストセラーモデルに新風を吹き込む 新型「クリオ」の全情報とドライビングインプレッション!
AutoBild Japan
伊豆縦貫道「最南端区間」開通で「25分短縮」も!? 全通まで大詰め 河津~下田の「危険な山道」解消から1年「驚きの効果」とは
伊豆縦貫道「最南端区間」開通で「25分短縮」も!? 全通まで大詰め 河津~下田の「危険な山道」解消から1年「驚きの効果」とは
くるまのニュース
フォルクスワーゲン・グループ 自動運転、自律走行分野でモービルアイとの協力関係強化により、高レベルな機能へ加速
フォルクスワーゲン・グループ 自動運転、自律走行分野でモービルアイとの協力関係強化により、高レベルな機能へ加速
Auto Prove
2月の新車販売ランキングで軽はN-BOXだが登録車はカローラシリーズが1位! まだまだ「潜在顧客」の多いカローラが2024年は勢いを増す予感
2月の新車販売ランキングで軽はN-BOXだが登録車はカローラシリーズが1位! まだまだ「潜在顧客」の多いカローラが2024年は勢いを増す予感
WEB CARTOP
トヨタ新型「ランクル“ミニ”」はどんなモデルに!? コンパクト×カクカクの「本格SUV」登場へ! 待望の「新ランクルシリーズ」とは
トヨタ新型「ランクル“ミニ”」はどんなモデルに!? コンパクト×カクカクの「本格SUV」登場へ! 待望の「新ランクルシリーズ」とは
くるまのニュース
ヤマハ「NIKEN GT」 2024年4月21日をもって受注を終了
ヤマハ「NIKEN GT」 2024年4月21日をもって受注を終了
バイクのニュース
ドライブ中の突然の曇り問題にサヨナラ! DIYでウインドウ曇り防止 ~Weeklyメンテナンス~
ドライブ中の突然の曇り問題にサヨナラ! DIYでウインドウ曇り防止 ~Weeklyメンテナンス~
レスポンス
アウディ A4/A4アバント/A4 オールロードクワトロ【1分で読める輸入車解説/2024年現行モデル】
アウディ A4/A4アバント/A4 オールロードクワトロ【1分で読める輸入車解説/2024年現行モデル】
Webモーターマガジン
SHOEI「グラムスター アバイディング」登場! 普遍のアメリカンスポーツをイメージしたグラフィックモデル
SHOEI「グラムスター アバイディング」登場! 普遍のアメリカンスポーツをイメージしたグラフィックモデル
WEBヤングマシン
全米最大の自動車取り扱いボルティモア港で貨物船が橋脚に衝突!! 前代未聞「橋の崩落事故」で日本の自動車メーカーへの影響は!?
全米最大の自動車取り扱いボルティモア港で貨物船が橋脚に衝突!! 前代未聞「橋の崩落事故」で日本の自動車メーカーへの影響は!?
ベストカーWeb
大波乱の軽乗用車市場、3カ月連続の前年割れ!(SUV除く軽自動車販売TOP15・2024年2月)
大波乱の軽乗用車市場、3カ月連続の前年割れ!(SUV除く軽自動車販売TOP15・2024年2月)
カー・アンド・ドライバー
日産が新型「小さな高級車」世界初公開! 全長4.3m級で「クラス超え上質内装」採用! “高級スニーカー”な「新型キックス」 特徴は?
日産が新型「小さな高級車」世界初公開! 全長4.3m級で「クラス超え上質内装」採用! “高級スニーカー”な「新型キックス」 特徴は?
くるまのニュース
ポルシェ新型「パナメーラターボEハイブリッド」受注開始 最高時速315km 680馬力のスーパーセダン 気になる価格とは
ポルシェ新型「パナメーラターボEハイブリッド」受注開始 最高時速315km 680馬力のスーパーセダン 気になる価格とは
VAGUE
トヨタ新型「“3列”SUV」発表! 全長4.7mボディ×ディーゼル×ラダーフレーム採用! ちょっとエコな「フォーチュナー“48V”」南アで670万円から
トヨタ新型「“3列”SUV」発表! 全長4.7mボディ×ディーゼル×ラダーフレーム採用! ちょっとエコな「フォーチュナー“48V”」南アで670万円から
くるまのニュース
アウディのコンパクトモデル「A3」が大幅アップデート、デザインやインテリア、デジタル機能を刷新
アウディのコンパクトモデル「A3」が大幅アップデート、デザインやインテリア、デジタル機能を刷新
@DIME
ヤマハ「MT-125 ABS」【1分で読める 国内メーカーのバイク紹介 2024年現行モデル】
ヤマハ「MT-125 ABS」【1分で読める 国内メーカーのバイク紹介 2024年現行モデル】
webオートバイ
うおおお欲しい! 高級感がマシマシ! 新型キックスの日本仕様はどうなんのよ!?
うおおお欲しい! 高級感がマシマシ! 新型キックスの日本仕様はどうなんのよ!?
ベストカーWeb

みんなのコメント

29件
  • 4気筒250㏄の市販バイクって、スゴイんだなぁ
  • エンジンの魅力は高回転まで回した時の素性
    音、振動、パワー
    モーターと違い頑張ってるぞー感がドライバーを刺激する
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

536.2563.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

79.9155.0万円

中古車を検索
CCの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

536.2563.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

79.9155.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村