2025年2月に横浜で開催された日本最大の旧車の祭典「ノスタルジック2days」。その会場にて、マツダが部品復刻に取り組むネオクラスポーツカーたちに加え、FD向けに開発中の復刻部品などを展示。マツダの取り組みの狙いを取材した。
※本稿は2025年3月のものです
文:大音安弘/写真:大音安弘、マツダ ほか
初出:『ベストカー』2025年4月10日号
マツダの取り組みに涙!! 旧車RX-7の維持はそう簡単じゃないの! マツダ好きのために復刻パーツを作る「クラシックマツダ」の想い
【画像ギャラリー】マツダは旧車ユーザーも置き去りにしない!! クラシックマツダの顧客が笑顔になる取り組み(20枚)
話題となった“あの”FD3Sを会場に展示
80歳の誕生日に免許を返納した長崎の女性がマツダに譲渡したFDは、1999年式タイプRB Sパッケージ。良好な状態のドノーマル車とあって多くの来場者から注目された
日本最大の旧車モーターショーである「ノスタルジック2days」でもネオクラの展示が増え、その人気と需要の高さを実感させた。
NAロードスターのレストアサービスや復刻部品を手掛けてきたクラシックマツダでは、部品復刻に取り組む人気のマツダネオクラスポーツカーたちに加え、FD向けに開発中の復刻部品などを展示。その会場で、取り組みの現状と今後について担当の伏見亮さんに話を伺った。
現在までに復刻された部品は、NAで約190点、RX-7(FCとFD合わせて)約90点になる。復刻部品の情報は、マツダ公式サイトに掲載されているが、それに加えて、もともと供給が継続されている多くの補修部品がある。NAレストアも、旧車としては恵まれた部品供給体制が支えているのだ。
しかし、部品供給は時間との戦いの面もある。復刻部品でさえ、いつかは供給が止まる。その一例がNA用復刻ソフトトップだ。すでに終売となり、現在は流用可能なNB用が補修部品として活躍している。
もちろん、部品の復刻のために、クラシックマツダの奮闘は続くが、時間の流れとともに、材料や製造上の問題から古い部品を作ることが難しくなっている。また再生産が可能であっても、高価になりすぎ、断念するケースもあるそうだ。
だからこそユーザーは、将来のメンテナンスを考慮した部品の計画的な確保が重要な時期に来ている。
今後の復刻部品も、走る、曲がる、止まるに関わるものが優先されるため、交換頻度の少ない内装部品の復刻は期待できない。特に樹脂部品は、高価な金型が寿命を迎えると、廃盤になることが多い。その点は意識しておきたい。
FDが直面する厳しい現実
FDで入手不可となるABSユニット。電装部品の問題は、ネオクラ車共通の悩みといえる
レストアサービスの新たな動きとして、RX-7(FD)の対応検討が話題となったが、こちらも厳しい現実に直面している。
なんと重要パーツであるシーケンシャルツインターボユニットに加え、ABSユニットやブレーキマスターバック、サスペンションアームなどが入手不可という。
先行したNAが恵まれていたのは、スタート時点でも供給部品が多かったことに加え、自動車業界が今ほど変革期の影響を受けていなかったというタイミング、そして、NA自身がシンプルな構造とされていたことによる。
FDはまさに対極にあり、重要部品の復刻も極めて困難だ。そのため、NAのようなレストアができず、プロジェクトを進めることできないのだ。
ただユーザーに打つ手がないわけではない。純正を基準とするメーカーとは異なり、DIYやショップで、アフターパーツを活用した修理やレストアを行うことはできるからだ。
これはロードスターも同様だが、より部品事情が厳しくなる今後の愛車の維持では、純正品だけでなく、信頼できる市販部品の活用が肝。
クラシックマツダとしても、ディーラーや専門ショップと協力関係を活用した愛車に乗り続けるための提案やサポートの環境作りが大切と考えている。その動きのひとつとして、今後、活用できる市販部品の情報の提供なども検討している。
部品の復刻とともに話題となる価格だが、安価の提供が難しいだけでなく、年々上昇傾向にある。ただメーカー側も供給を続けるには、収益がなければ、事業継続が難しいことへの理解が必要だ。そもそもニーズが限定されるため、特別儲かるものでもない。買い占めは厳禁だが、我々が買い支えることも大切なのだ。
クラシックマツダは、顧客を笑顔にするために始まった活動だ。その想いを胸に、少しでも長く愛車に乗り続けていけるように、レストアと部品復刻に取り組み続けていくとしている。
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みんなのコメント
部外者が買い占めて高値で転売とかマジ迷惑だ
生産終了して相当な期間を経てからの部品単体での再生産
これでの値段の差異が判らない子って知能に問題あるんだろうねぇ
価格の数値だけ見て「高い!」って喚く中年のおばちゃんみたいな品性でもある