FIAのモハメド・ベン・スレイエム会長は、レッドブルの角田裕毅に対するインターネット上での誹謗中傷行為が声明を発表し、スポーツが持つ情熱や興奮を憎悪に捻じ曲げるべきではないと語った。
事の発端はエミリア・ロマーニャGP初日のフリー走行1回目。今回がアルピーヌでのデビュー戦となったアルゼンチン出身ドライバーのフランコ・コラピントが、コース上で角田の走行を妨害したことで、角田は手を上げて怒りを示した。
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これを受けてソーシャルメディア上では、“中指”を立てたとも誤解できるジェスチャーをした角田に対して心無い言葉が向けられた。
「そのことは耳にしています。正直なところ、僕だけに限った話ではないと思います。彼らは誰に対しても矛先を向けています。ジャック(ドゥーハン/コラピントの前任ドライバー)は何も悪くないのに、彼らは責める。不必要なことですよ」
エミリア・ロマーニャGP予選後、角田は自身に向けられた誹謗中傷に対してそう語った。そしてドライバーを応援するエネルギーをより良い形に昇華させるべきだと強調した上で、状況が改善しない場合にはF1が対処するべきだと見解を示した。
「トラフィックに遭遇すればイライラするのは当たり前です。僕には発言する権利があると思います。間違ったことを言ったわけでもありません。ただ、自分のフラストレーションを表現しただけです。それだけなんです」
「彼らが自国のドライバーを応援していることは知っていますが、発言においては越えてはいけない一線が常にあると思います。これは僕だけじゃなくて、ドゥーハンのためにも言っているんです」
「エネルギーに溢れていることは良いことですが、それをコントロールする必要があります。彼らも正しい形、より良い形でそのエネルギーを使うことができるはずです」
「もしこれが続き、どんどん悪化していくのであれば、ある時点でF1側が何か発信するべきです」
コラピントの見解
コラピントは新天地でのF1公式セッション初走行で不慣れなところがあったと弁解しつつも、角田の怒りは理解できると語った。
「僕がブロックしてしまった後、ユウキが僕に手でジェスチャーをしていたとかいうのを聞いた。だけど正直に言って、彼は正しい。僕は彼を妨害してしまったんだ」とコラピントは言う。
「初日は何人かのドライバーをブロックしてしまったけど、僕はマシンに乗って、チームに加わって1日目だった。ちょっとした行き違いがあるモノだし、少し難しかった」
「とはいえ僕は彼をブロックしてしまった。彼は多分怒っていたと思う。でも怒るのは当然だ」
情熱的なコラピントファンの行動はこれまでも問題視されてきた。
今年のシーズン開幕6戦を走ったジャック・ドゥーハンには、当時リザーブを務めたコラピントにシートを明け渡すよう非難のコメントが集中し、コラピントのマネジメントを担当するバレット・スポーツ・マネジメントのディレクターであるジェイミー・キャンベル・ウォルターが、アルゼンチンのファンに対して誹謗中傷を止めるようXで忠告した。
またジャック・ドゥーハンの父でロードレース世界選手権500ccクラス5連覇を成し遂げたミック・ドゥーハンを騙るフェイクアカウントが、エミリア・ロマーニャGP予選でクラッシュを喫したコラピントを嘲笑するポストを投稿。ジャック・ドゥーハンが「アルゼンチンの複数の報道機関が捏造された画像を虚偽で報じたため、僕の家族に対するネット上での誹謗中傷を引き起こした」と批判を展開するということも発生した。
こうした一件を受けてコラピントは、自身をサポートするアルゼンチンの情熱的なファンに対して、他のドライバーやチームなどに敬意を払うよう諌めた。
「彼らのことは分かっている。非常に情熱的なんだ。そして彼らは他人には常に厳しい」とコラピントは言う。
「彼らは(他の人に)敬意を払う必要があると思う」
FIA会長「スポーツの情熱と感情を誹謗中傷や憎悪に捻じ曲げるべきではない」
F1やモータースポーツ界でのネット上の誹謗中傷は今に始まったことではない。悲しいことに、枚挙に暇がない。
レッドブルのマックス・フェルスタッペンと当時メルセデスのルイス・ハミルトン(現在はフェラーリ所属)による激しいタイトル争いが勃発した2021年シーズンには、その行方を大きく左右した最終戦アブダビGPでのクラッシュの当事者、ニコラス・ラティフィ(ウイリアムズ)に殺害予告や誹謗中傷が集まり、一時は警護スタッフを配備する必要に迫られるということもあった。
FIAのベン・スレイエム会長はエミリア・ロマーニャGPの一件を受けて、ネット上での誹謗中傷撲滅のために努力を続けるという声明を発表した。
「モータースポーツは競争、情熱、そしてコミットメントの上に成り立っている」とベン・スレイエム会長は自身のソーシャルメディアに記した。
「我々がこのスポーツに感じている情熱と興奮は、我々を団結させるべきモノだ。決して誹謗中傷や憎悪に捻じ曲げるべきではない」
「私は角田裕毅とフランコ・コラピントを全面的に支持し、モータースポーツ界で深刻化しているネット上での誹謗中傷に対して声を上げてくれたことに感謝している」
「誰も脅迫や憎悪、差別を受けるべきではない。我々のコミュニティには、誹謗中傷や悪意が存在する場所はない」
「ネット上での誹謗中傷に対する団結キャンペーンを通じて、我々は断固とした行動を起こし、意識を高め、支援を提供し、変化を促している」
「我々はスポーツに参加する全ての人の幸福を守ることを約束し、共に全ての人にとってより安全かつ、より尊重される環境を築くことに全力を尽くす」
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みんなのコメント
そんなことやってるからイギリスにボロ負けしてフォークランドを獲られるんだよ、って言ってやれw