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「幅は1.7メートルだ。貴様は通れるか?」 最狭の険道「神奈川県道515号」、やっぱり絶対に通れなかった

「幅は1.7メートルだ。貴様は通れるか?」 最狭の険道「神奈川県道515号」、やっぱり絶対に通れなかった

 「酷道(こくどう)」をご存じでしょうか。道幅が狭かったり、路面が舗装されていなかったり、そもそも通行止めだったり……。一般的な国道(国が政令で指定した道路)というイメージからはかけ離れた国道のことを愛情と敬意を込めて示す言葉です。それと同様に、そんな状態の県道(都道府県が管理する道路)にも愛称があります。「険道(けんどう)」と呼ばれます。

 前回、「幅2メートル」の門番がいた、とても狭い“険道”「神奈川県道518号」を紹介しました。まるで「運転に自信がないヤツは立ち去れぃ」……と言われているかのように過酷な道でした。

【画像54枚】最狭の県道「神奈川県道515号」全ての画像を見る

 しかし、実はもっとすごい道があります。今回は険道ファンの筆者が「神奈川県の中で最も過酷な県道」と思っている「幅1.7メートル(!)」の険道「神奈川県道515号三井相模湖線(以下、県道515号)」を紹介します。

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●お断り

筆者は険道を歩き慣れており、また、用心のために3人で晴天時の日中に取材しました。険道の通行には十分な注意が必要です。また、地元の方の生活道路でもあります。決して無茶な行動はしないようにしてください

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●完全に「別個の道路」と化した険道「神奈川県道515号」

 県道515号は、全線が神奈川県相模原市にあります。緑区三井(みい)の県道513号と同区千木良(ちぎら)の国道20号を結ぶ、全長7.5キロの県道です。

 起点の県道513号側から、津久井湖の北側を回って名手(なで)集落を目指します。問題なのはその先です。

 途中の名手~赤馬(あこうま)集落間の約1.2キロは完全通行止めの廃道と化しています。県道515号は三井~名手、赤馬~千木良の2区間に分断されています。今回は通行止め区間を除き、法的に問題ない範囲で安全を常に確かめながら、この道を歩いて辿っていきます。

 起点は県道513号との接続地点。信号のない交差点です。

 印象は「細い脇道」。県道515号を示す標識はありません。

 しかし道幅制限標識の「すごい数字」に目を奪われました。

 入口に立っていた規制標識は何と「最大幅1.7メートル」。筆者が知る限りでは関東最狭値の標識です。幅1.7メートルまでだなんて、おい、うそ、だろ。

 前回「ヤベーくらいに狭い険道!!」と紹介した「神奈川県道518号」の規制値は「幅2メートル」でした。あの衝撃をさらに上回る狭さ! 幅1.7メートルだなんて、軽自動車か二輪車くらいしか通れないだろ……(参考:軽自動車は幅1.48メートル以下、5ナンバー枠の小型乗用車は幅1.7メートル以下。3ナンバーの普通乗用車はその幅を上回ることが多い)。

●その先には一体何が!? 現れる超狭ゲート! そして本当に「極狭」の山道

 では進入していきましょう。歩く速度でも徐々に道が狭~くなっていくのが分かります。これ、クルマだったら怖いだろうなぁぁ。

 途中の民家には自家用車が停まっていました。車庫入れの難易度はかなり高そうです。

 しかしこのくらいの幅ならばまだ序の口です。入口から約700メートル、カーブを越えると……一気に見える景色が変わります。ここが地獄の一丁目(?)……。ここから名手集落まで何があろうと前進するしかない道になります。

 それにしても「最大幅1.7m」規制とは……! 道幅の頼りなさと反比例するように、物々しい内容の標識や可動式ゲートもズズン、ドバンとたくさん出現するようになります。

 県道515号は2019年10月に上陸した台風19号で被害を受け、2019年12月上旬まで通行止めになっていました。2020年1月現在は無事復旧。しかし横の道路情報板には「通行止め」標識が表示されたままでした。

 「連続雨量100mm以上 時間雨量20mm以上 その他異常時には全面通行止になります 神奈川県」と書かれた標識もありました。時間雨量20ミリとは、気象庁「雨の強さと降り方」によると、運転中に「ワイパーを速くしても見づらい」くらいの雨量です。つまり、比較的すぐに通行止めになることが伺えます。

 駐車禁止の標識の下には「この場所は、車両の引き返しの場所です」と書かれています。

 そして現れたのが屈強な「幅1.7メートルの門番」! デデン! 以前紹介した県道518号の門番は幅2メートルでした。今回のは……2つの「幅1.7m規制標識」が目玉のようで不思議と愛嬌を感じてしまいますが、もっとやばいボスキャラクラス。県道518号が雑魚クラスに思えてきます(決してそんなことはない)。

 「そんな大げさに言ってるけど通れるでしょー。オレ運転には自信があるし」なんて軽い気持ちで行くと本当に危ないです。まー、幅1.48メートルの軽自動車ならば通り抜けるくらいはできるでしょう。でも、ですよ。前進するだけならばまだしも「すれ違い」が発生したらどうなると思います? 場合によっては、「1.7メートル幅で片側が崖の道を100メートルほどバックで戻らなければならない」可能性があるのです。考えただけで「ひっ」となります。

 この道は名手集落に住む人々の大切な生活道路。約100メートルおきに退避スペースがあるのが救いです。しかし、それにしても決して大きな余裕はありません。

 退避スペースには「退避所につき駐車絶対禁止」と書かれた標識があります。「絶対」。行政が設置したとは思えないほどに強い口調の注意です。同時に次の退避所までの距離もわざわざ明示されています。他の道では見ることのない「ていねい」さ。それがこの県道515号の「最強、いや最狭(さいきょう)っぷり」を物語っていると言えます。

●擦り傷だらけのガードレールが激狭っぷりをさらに物語る でも津久井湖を臨む景色は超きれい……

 県道515号は津久井湖の湖畔を高度を上げていくように通る道です。ところどころに眺めがいい場所があります。もっとも、クルマだとそんな余裕はないでしょうが……。

 何せ、約100メートルおきにある退避スペース以外はクルマの幅とほぼ同じ完全1車線。カーブはもちろん、曲がりながら登ったり下ったり。まるでジェットコースターのようです。

 最狭箇所のガードレールにはドライバーの焦りと苦労、そして無念と後悔を示す擦り跡が無数にありました。

●ついに通行止め……「ゴッツイ遮断機」で遮断された

 復旧したカーブを抜けると急に視界が開けます。名手集落が近づいてきました。

 視界が開けてすぐに、名手側の最狭ゲートがあります。名手側の道路情報板に「県道515号」と書かれていました。約2キロの道のりを歩いてきて、初めて「県道515号を示すもの」を見つけました。

 名手側ゲートの近くにも「幅1.7メートル規制」の標識が無数にあります。なぜか何度も「後ろから」ぶつかったような跡があり、内側にひしゃげていました。

 これは三井側から来た人が激狭エリアをようやく抜けたものの、気が抜けて標識にぶつかってしまった跡……なのかもしれません。

 ゲートを抜けたとはいえ依然道幅は狭いままです。クルマの幅1台分くらいしかありません。歩行者とクルマの離合も難しいほどです。

 ふと三叉路に出ました。正面を見渡し、ようやく少し広くなるぞ……と思いきや、こちらは市道。残念、正面は違う道です。県道515号線はその右、狭いままの小道の方です。

 極狭区間から解放されたと思いきや再び始まる極狭区間。しかしそれも長くは続きません。三叉路の入口には「この先落石の為全面通行止」の注意看板が出ていました。

 ここから1分も歩けば、無数の注意看板と共に「全面通行止め」です。ゴッツイ遮断機で行く先を閉ざし、クルマも歩行者も通行を禁じています。看板には「この先、千木良まで落石の恐れがあり。また、路肩も危険の為全面通行止 通り抜け出来ません」とあります。

 このゴッツイ遮断機は、下りたままもう二度と上がることはない……と思います。遮断機の奥に、単管パイプを格子状に組み合わせた巨大な壁「行く先を禁ずる最後の壁」も見えました。壁の向こうが崩落しており、道路が完全に埋もれているのも見えました。絶対に通ってはいけません。

●まだまだ続くよ県道515号! 逆の西側からも歩いてみた

 続いて県道515号を逆から、終点の千木良側からも確認しましょう。千木良バス停のすぐ脇、国道20号との名前のない交差点からのスタートです。

 ここから1.4キロの間、2車線の道路を道なりに進みます。途中、工事中の津久井やまゆり園が右手に見えました。

 県道517号が分かれる十字路に着きます。青い看板に県道515号の案内はありませんが、「この先通行止」と書かれています。こちらが県道515号です。

 この十字路にも「この先0.5kmより名手まで落石の恐れがあり、路肩も危険な為全面通行止 通り抜け出来ません」の看板がありました。ただし植込みの中にあったので、三井側の標識よりは目立っていなかった印象です。

 交差点から1キロほどでもう「山」の中へ。こちら側も大規模な崩落があったようです。ガードレールが倒され、路肩にはカラーコーンが置かれていました(2020年1月の取材時)。こうして交差点から1.2キロ、見たことのない光景が……。現れましたぁぁぁボスが!

 ただ、クルマ1台分ほどの幅は確保されていること、そしてゲートは上がっていること、ゲートの先にまだ民家やクルマが見えることから、実際の通行止めはまだ先のようです。

 大きな崩落箇所がありました。路肩が削れ、ガードレールが宙吊りになっていました。しかし、道路を埋めた土砂崩れを踏み固めて、崩落した土砂の上に道が作られていました。緊急を要した復旧状況が伺えます。

 最後と思われる民家を越えると、道は落ち葉が散乱するようになり、一気に廃道の様相を呈してきます。そして見えてきます「単管で作られた、あの巨大な壁」が。名手集落で見たものと同じ作りです。

 名手~赤馬間の約1.2キロは完全に閉ざされています。東側は激狭、西側は大崩落、県道515号はこのように分断された悲運の険道です。神奈川の県道の中で最も過酷な道の1つといえるでしょう。

 津久井湖と国道20号を結ぶ県道としてはもはや役目を終えています。しかしそれでも、この地に住む人々の生活には欠かせない、大切な道なのです。

(少年B)

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