メルセデスのルイス・ハミルトンは、F1トルコGP決勝で採った戦略が最高のモノではなかったと憤慨。その理由を説明した。
エンジン交換を決断したハミルトンは、予選で最速タイムを記録しながらも、11番グリッドからスタート。ウエットコンディションとなった中、インターミディエイトでタイヤ交換せずに走り切ることを目指した。これにより一時3番手まで浮上して見せたが、結局はレース終盤の50周目にピットインしてタイヤ交換を実施。5番手でレースに復帰することになった。ハミルトンは、全ドライバー中最後にピットストップを行なったドライバーである。
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新品のインターミディエイトタイヤを履いたハミルトンは、ハイペースで飛ばし、前のドライバーたちにプレッシャーをかけるモノと思われた。確かにレースに復帰した直後は好調なペースを発揮したが、すぐにペースダウン。前を追うどころか、後方からピエール・ガスリー(アルファタウリ)のプレッシャーに晒されることになった。
ハミルトンはなんとかガスリーの追撃を凌ぎ切り、5位でチェッカーを受けたが、戦略についての不満を無線を通じて漏らした。
レース後にハミルトンは、チームは早めにピットインさせるか、タイヤを交換せずに走り切るためにタイヤを労るように指示するべきだったと語った。
「タイヤは摩耗していたから、どこまで走れるかは分からなかった」
ハミルトンはスカイスポーツF1にそう語った。
「タイヤの寿命は、間違いなく心配されていた。でも僕は、終盤にはそれほど速くはなかった。低いグリップに苦労していたんだ。理由はよく分からないけどね」
「それから突然、それほど悪い感じではなくなった。しかしそれでも僕は、後ろのマシンよりもパフォーマンスの上で劣っていた。おそらく後から考えれば、僕はタイヤを変えずに走り続けるか、あるいはもっと早くピットストップするべきだったと思う」
他のドライバーを見渡しても、タイヤを交換した後、一度パフォーマンスが下落し、その後回復するという傾向にあるように見えた。これは、乾きかけの路面で、タイヤの表面に一度発生したグレイニングが、落ち着いていったことを示しているようだ。ただハミルトンがピットストップを行なった後の残り8周では、このパフォーマンス回復期を迎えるのに短すぎたようだ。
「8周では、タイヤのグレイニング段階を乗り切るだけの時間はなかった。乾いていくコース上で、グレイニングに苦しむ段階を乗り切るだけの時間が足りなかったんだ。これにより、ほぼ4つのポジションを失ったようなモノだった。少し苛立たしいが、それが結果だ」
「3位になれれば、11番手スタートからの、素晴らしい結果だと感じられたと思う。5位という結果はそれよりも悪いけど、もっと悪い結果になった可能性もある」
メルセデスのチーム代表であるトト・ウルフは、ハミルトンがステイアウトした場合、セルジオ・ペレス(レッドブル)に捕まるだろうと考えていたと明かした。また、極端な摩耗によってタイヤに深刻な問題が発生するリスクを避けたかったようだ。
「リタイアしてしまえば、全てのポイントを失ってしまうことになる。そうなれば、明らかに壊滅的なことだ」
ウルフ代表はそうスカイスポーツF1に語った。
「ステイアウトを選択して、それがうまく機能しなかったら、おそらくペレスとルクレール(シャルル・ルクレール/フェラーリ)に捕まっていただろう」
「早い段階でピットインし、ペレスとルクレールを抜こうとするのが、コンサバでありベストな選択だったと思う」
なお今回のレースでは、ハミルトンの最大のライバルであるマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が2位に入り、ドライバーズランキング首位に返り咲き。ハミルトンは6ポイント差の2番手に後退することになった。
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