A24が放つクラシックかつフレッシュな正統派ホラー『X エックス』

『ヘレディタリー／継承』（2018年）や『ミッドサマー』（2019年）を手掛けた最注目スタジオ＜A24＞が贈るエクストリームライド・ホラー『X エックス』。この夏、記録的な猛暑に見舞われている日本に背筋も凍る恐怖を与えてくれそうです。

　物語の舞台は1979年の米テキサス。女優のマキシーンとそのマネージャーであるウェイン、ブロンド女優のボビー・リンと俳優のジャクソンは自主映画監督の学生RJと、その彼女で録音担当の学生ロレインと映画撮影のために借りた農場へ向かいました。「農場の娘たち」と題したこの映画で一攫千金を狙う6人を待ち受けていたのは、みすぼらしい老人ハワード。彼らを宿泊場所として提供した納屋へ案内しますが、マキシーンは母屋の窓ガラスからこちらを見つめる老婆と目が合ってしまい……。

　全米で公開されるやいなや、ホラー界の重鎮スティーヴン・キングや、『ベイビー・ドライバー』（2017年）のエドガー・ライトが本作への熱い支持を表明。アメリカの映画レビューサイト＜Rotten Tomatoes＞でも高評価を記録し、「今年最高評価のホラー映画」と絶賛されました。しかも3部作構成で制作が進められていることが判明し、A24初のシリーズ化作品としても注目を集めています。

　青春を謳歌する若者たちが田舎を訪れ殺人鬼に襲われる……というあらすじから、名作ホラー『悪魔のいけにえ』（1974年）を思い出す人も多いでしょう。何度もシリーズ化／リメイクされた『悪いけ』関連作ですが、なかでも2006年の『テキサス・チェーンソー ビギニング』にはショベルヘッドほか、多くのハーレーダビッドソン車が登場するので要チェックです。

　正統派ホラーの展開を受け継ぎ、70～80年代のあらゆる映画へのオマージュをふんだんに盛り込んだ『X エックス』は、2022年7月8日（金）よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国公開中です。